緋弾のアリア 〜Side Shuya〜
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第1章(原作1巻) 緋色の改革者(リフォーマー・スカーレット)
第05弾 旧友
前書き
第5話です
依頼を終えた俺は、過度の疲労に襲われていた。
「疲れた……」
そう言いながら、俺は第3男子寮にある自室に入った。
俺の部屋は第3男子寮の403号室である。
ここも、4号室と同じ4人部屋であるが何故かルームメイトは居らず、俺一人で使っている状態である。
リビングに入った俺は、荷物を置き洗面所で手を洗いうがいを済ませた。
それからソファーに座った俺は携帯(スマートフォン)を出して、装備科の平賀さんに電話をかけた。
『はいなのだー?』
「あ、もしもし平賀さん?」
『その声は樋熊君なのだー』
彼女は、装備科所属Aランク武偵の平賀文。
彼女は、あの平賀源内の子孫である。
見た目は、アリアとほぼ変わらない大きさの少女。しかも、見た目だけではなく精神年齢もお子様という……なんだこのスキル?
彼女の能力は実際にSなのであるが、度重なる問題行動によりAランクに留まっている。
「こんな時間にごめんね」
現在、午後9時を過ぎている。
『いいのだー。ところでご用件はなんなのだー?』
「あ、そうそう。実は頼みがあって、拳銃を探してほしいんだ」
『お安い御用なのだー。ところでどんな銃なのだー?』
「ああ、ベレッタM93Rを探してほしいんだ」
『わかったのだー』
「あ、先取りして言っておくけど、なるべく安く頼むよ。こっちは、そっちの購入金額にプラス10%乗せて払うから」
『話が早くて助かるのだー』
「じゃあ届いたら連絡入れて。よろしく〜」
平賀さんとの通話を終えた俺は、別の携帯番号を打ち込み再びかける。
『……もしもし?』
「もしもし?」
『なんだ、シュウヤか』
「なんだとは失礼な。ところで8代目?」
『誰が8代目だ!! しかも、俺は7代目かもしれないぞ?』
「あ、そういえばどっちだか分からないとか言ってたね」
俺は以前言われた言葉を思い返しながら答えた。
『そうだ』
「ごめんごめん」
『ていうか、お前も偉人の末裔だろ? えっと……誰だっけか?』
「えっと俺のご先祖様はね———って話を脱線させちゃったよ」
俺は、脱線してしまった話の路線を元に戻した。
『7割型お前の責任だな』
「案外冷たいのなお前」
『学校での俺のあだ名知ってるだろ?』
「うん。えっと、根暗、昼行灯、女嫌いだっけ?」
『……そうだ』
……ん? なんだ今の間は? まあ、それは置いといて
「ところでキンジ? お前厄介な奴に付きまとわれているな」
電話の相手は、アリアが付きまとっている、元強襲科Sランク、現探偵科所属のEランク武偵で、俺の旧友の遠山キンジである。
『お前まさかあいつに———』
「———ああ、今日の昼休みに戦った。後は今日受け取った筈の資料にも書いてあるはずだぞ、あいつがどれほど凄いやつか」
『マジかよ……。確かにあいつは、すごい。でもどれくらいなのかイマイチよく分からないんだ』
「あいつ、俺の禁じていること両方使ってしまうレベルだぞ」
『……?! まさかお前……』
「ああ、なった」
『マジかよ……。俺はとことん付いてないみたいだな』
「そうらしいね。ヒスったところ女子に見せちゃうし、見せた相手が双剣双銃だし、人生どん底だな。今度お祓いしてやろうか?」
俺は冗談交じりにそう言った。
因みに、お祓いできるってのは本当ね。
『できることなら頼みたいぜ。全く、俺の望む日常は来ないのか?』
「俺の望む日常なら、今日の昼に音を立てて崩れたよ」
俺は体験談を語った。
「何さらっと怖いこと言ってんだ! はぁ……もう本当に最悪だ』
『白雪が合宿に行ってるのは幸いなんじゃないの?」
『まあ……そうだな』
———星伽白雪
超能力捜査研究科———通称SSR所属の超偵。
キンジの幼馴染の黒髪ロングの絵に描いたような大和撫子。青森にある星伽神社の長女で、義理も入れて妹が6人いるのである。
また、偏差値45の武偵高では破格の偏差値75の頭脳を持ち、生徒会長と園芸部部長と手芸部部長と女子バレー部の部長を務めている。
偏差値75ってなんですか!?
確か俺は60代の真ん中あたりの偏差値だったけど。どんだけすごいのあの人? ていうか星伽さんは人間なのかな?
後は、良くキンジの身の回りの世話をしている。なんかもう奥さんのポジション入ってるよな。
ちなみに過去に俺とも面識があったりする。
超偵とは、超能力を使う武偵のことを示す言葉。つまり彼女は超能力者である。彼女は星伽に伝わる鬼道術と呼ばれる物を使えるらしい。
因みに、星伽神社はどういう訳か御神体を守るために武装した神社らしい。これはキンジから聞いた話だから本当かどうかはイマイチ良く分からない。あそこは、男子禁制のため俺は入った事がない。
だから、キンジについて行ったはいいものの中に入れなかったのである。なんでも、遠山家の男だけ特例らしい。
というわけで、入れなかった俺は神社の近くの木に登ったりしていた。ただその時、幼い俺に対して幼い白雪の妹などが木の上の俺めがけて矢を放ったりしてきたな。
あれはマジで死ぬかと思った。いや冗談とかじゃなくてマジ。
取り敢えず、本題に入ることにした俺。
「そうだ、お前に聞きたいことがあったんだけどいい?」
『さっきからずっと質問されてる気がするがまあいい』
という鋭い突っ込みを華麗に紙回避した俺は質問を投げかける。
「お前、強襲科に戻るのか?」
『ああ、そのことなんだが———』
「白旗上げたな?」
『なんでそれを!?』
「声のトーンから人間の心理を推測して見た結果ってとこかな」
推理理由を明確に説明していく。
『全くお前にはお手上げだよ。流石、探偵科Sランク修了武偵』
そう、俺はすでに探偵科の課程を全て終えてしまっているのである。だが、こいつの心理を読めた理由はそれだけではない。
「まあ、お前との付き合いが長いってのもあるけどな。で、戻って来るってことだよな?」
『一応な。条件つけて戻るってことで話はつけてある。それに俺はまだアリアに知られていない切り札がある』
「……ヒステリアモード」
H・S・S———通称ヒステリアモード。
性的興奮によってβエンドルフィンが一定以上分泌されると、神経伝達物質を媒介し大脳・小脳・精髄といった中枢神経系の活動を劇的に亢進される状態のこと。
ヒステリアモード時には思考力・判断力・反射神経などが通常の30倍にまで向上する。遠山家の人間が持つ特異体質。
その代わり、女性のことを最優先で考えることで物事の優先順位付けが正しくできなくなったり、女性にキザな言動を取ってしまうなどの反作用があるとかなんとか。
名称はキンジが独自に名付けたものらしい。
「因みに、いつから取るの? 強襲科の自由履修?」
『そこまで分かっていたか……』
「なんとなくでね」
ほぼほぼ直感だがな。
『一応2日後から出る予定だが。なんでだ?』
「いや、お前が戻ってくる日を知って置かないと大変なことになるな〜なんて思ったりしたから」
『俺は疫病神か!?』
似たようなもんかもな。まあ、それは内緒ということで。
「強襲科の奴らからすれば神様みたいなもんじゃないのか?」
『あんな奴らに好かれたくない』
「激しく同意」
嫌だよね。あんな奴らに好かれるの。
『元はといえば、全部ヒステリアモードのせいだな……』
「入学試験の時とか?」
『ああ』
「確かに俺の改造した銃1挺と、バタフライナイフ一本であの成績だもんな」
『今考えただけでゾッとするぐらいだ』
東京武偵高の入学試験の時のキンジは、今あげた武装のみでSランクの評価をもらっている。
キンジは本気になれば強いんだけどね……。それも、俺以上に。
「まあ、とりあえず頑張れよ。じゃあまた」
『ああ』
そう言って俺は電話を切り、自分の部屋(一人しかいないが)の机に向かって行った。そして引き出しを開けて1挺の拳銃を取り出した。
俺が取り出した拳銃は、マッドシルバーのベレッタM93R。
この銃は一般に向けての販売はされておらず、主に警察などの組織に販売される銃である。
因みにこの銃は、神奈川武偵高付属中学に通っていた頃の俺の主武装であり、自らが改造を施した最初の武器でもある。
改造した点としては、フルオート機構を追加したり、専用のアタッチメントを作ったりした。
入手経路としてはイタリアの警察の払い下げといったところである。
因みに先ほど頼んだやつは予備として使うためである。
そのベレッタを持つと、リビングに向かった。
リビングの机の上に今日持っていた武器を全て出した。メンテナンスのためである。
まずは一番簡単なベレッタを分解してメンテナンスした。
それが終わると、次にDE4挺を出した。
このDEも自分で改造を施した武器の一つで、3点バースト、フルオートへの切り替え機構と、威力と引き換えに反動を減らす、低反動モードへの切り替えを取り付けてある。
そのDEうちの一つのメンテナンスを終えて、二つ目の途中でメンテナンスを切り上げた。
寝る前に、メールをチェックしその1つに返信した俺はそのまま眠りについた。
後書き
今回はここまで
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