ヘタリア大帝国
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TURN24 バトルオブエイリスその四
「そのままドクツ軍に押し切られてしまいます」
「だからこそですか」
「ここでは一歩も退かない」
「そうされるのですね」
「そうです。敵はレーティア=アドルフも自ら出撃しました」
それならば余計にだというのだ。
「私達は退いてはならないのです」
「ではこちらもですね」
「敵の旗艦を攻撃するのですね」
「あの艦艇ですね」
セーラは見た。そのレーティア=アドルフの旗艦を。それは巨大な戦艦だった。ドクツの艦のシルエットを見せている。
「そうです。ドクツを率いるのはあの少女だからこそ」
「あの女を倒せばドクツも倒れる」
「それ故に」
「はい、火力を集中させるのです!」
セーラはあらためて指示を出した。
「攻撃目標敵艦隊の旗艦ビスマルク!」
「了解!」
「わかりました!」
エイリスの将兵達はすぐにレーティアの旗艦ビスマルクに砲撃を向ける。しかしだった。
ビスマルクは無数のビームやミサイルを受けてもびくともしない。まるで何ともない様に。
そしてその攻撃でだ。エイリスの戦艦フッドを一撃で真っ二つにしてしまった。
「フッド轟沈です!」
「真っ二つです!」
「何っ!?あのフッドがかよ!」
イギリスはエイリス軍の悲鳴を聞き思わずそちらを見た。するとだった。
確かにフッド、エイリス軍の名鑑のうちの一隻が真っ二つになり炎の中に消えていっていた。イギリスはそれを見ながら呆然となっていた。
「おい、嘘だろ」
「いえ、嘘ではありません」
妹がだ。モニターに出て来て彼に言ってきた。
「フッドは今確かに」
「あの艦はエイリス軍の象徴だったんだぞ」
「ですがいささか旧式艦でした」
「だからかよ」
「はい、最新鋭の戦艦の相手ではありませんでした」
イギリス妹は己の感情を押し殺しながら兄に話す。
「仕方がありません」
「くそっ、それで乗組員は大丈夫なのかよ」
「今生存者の救助を行っています」
何とかだ。生き残った者はいるというのだ。
「ご安心下さい」
「そうか。できるだけ多く助かっていてくれよ」
「そしてお兄様」
イギリス妹はあらためて兄に言ってきた。
「宜しいでしょうか」
「ああ、戦局だな」
「フッドだけではありません。多くの艦艇が沈んでいっています」
それでだというのだ。
「戦局を立て直すべきです」
「ああ、俺は女王さんのところに行く」
イギリスは見た。セーラと彼女が直率する艦隊はドクツ軍の集中攻撃を受けていた。ビクトリアの被弾が増えていた。
「このままだとマジでやばいからな」
「では私は側面のロンメル元帥の艦隊にあたります」
「いや、御前はマリーさんのところに行ってくれ」
「殿下のですか」
「そっちもやばいからな」
見ればマリーが受け持っている戦場も危うかった。ドクツ軍の激しい攻撃を受けていた。
「あっちを頼む」
「わかりました。それでは」
「では祖国殿」
「我等もまた」
ネルソンとロレンスが言ってきた。
「それぞれの戦局を受け持ちます」
「何としても守り抜きますので」
「頼むぜ。持ちこたえてくれよ」
イギリスは切実な顔でモニターの二人にも言った。
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