オズのキャプテン船長
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十二幕その四
「恐ろしいのう」
「王様にはとてもですね」
「務まらんわ」
王子にも言います。
「勤勉そのものか」
「そうなんですよ」
「世の中凄い方がおられるわ」
「外の世界にいた時から聞いていたけれど」
船長も言いました。
「今もそうだから凄いね」
「確か私達の時は明治帝だったわね」
トロットがオズの国に来る前のことを思い出しています。
「そうだったわね」
「うむ、そして今の帝もか」
「そうした方なのね」
「アメリカには皇帝がおらんからよくわからんかったが」
「ええ、名乗る人はいたけれど」
それでもというのです。
「あまり実感なかったけれど」
「そうした方だとはな」
「それも代々ね」
「いや、わしには絶対に無理じゃ」
また言う王様でした。
「まことにな」
「僕にもですよ」
それは王子もでした。
「遊べないとかは」
「そうじゃな」
「はい、本当に」
「いや、都に行くまでに凄い話を聞いたわ」
王様はしみじみとして言いました、そしてでした。
皆を飛行船に乗せてそのうえで出発します、飛行船はお空の旅に入りました。するとオズの国のお空は。
お魚や鳥が沢山います、そのお空を観ながらです。恵梨香は船長に言いました。
「こうしてお魚までがいるのが」
「オズの国のお空でね」
「見ていますと」
それがというのです。
「素敵ですね」
「そう、お空にも島があってね」
「私達お城にも行きました」
「天空のお城だね」
「騎士団の人達がおられた」
「あそこもいいね、わしもね」
船長も言いました。
「あそこには行ったよ」
「そうでしたか」
「何度かね」
一度でなくというのです。
「行って楽しませてもらったよ」
「それはいいことですね」
「あそこもいいところだね」
「また機会があればお邪魔したいです」
恵梨香は船長に笑顔でお話しました。
「本当に」
「そうだね、わしもだよ」
「このお空も素敵ですし」
見ればです、飛行船の窓のすぐ傍を鮫が通りました。とても大きなジンベエザメです。恵梨香はそのジンベエザメも見て言いました。
「鮫もいて」
「それも普通にだね」
「これもオズの国ですね」
「そう、そしてね」
それでというのです。
「鳥もいるからね」
「お魚と一緒に」
「オズの国の空はね」
それもまた、というのです。
「海豚や鯨もいるしね」
「海みたいに」
「そう、ああした生きものもいるよ」
見ればです、今度はです。
アンモナイトがいました、恵梨香はそのアンモナイトを見てまた言いました。
ページ上へ戻る