オコジョガール
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第五章
「オコジョね」
「相変わらず」
「そこは変わらないわね」
「そう言われてもね」
今度は百貨店のゲームコーナーの中で話した、真花は格闘ゲームをしながらそのうえで観戦している友人達に話した。
「これでも茶道もやって」
「お行儀身に着けてる」
「努力はしている」
「そうだっていうのね」
「これでもね」
実際にというのだ。
「結果はともかくとして」
「まあ結果だけ見るとかね」
「それ失敗の素だからね」
「最後は絶対に失敗して破滅するから」
所謂結果主義はというのだ。
「それは言わないわよ」
「私達もね」
「そこはわかってるつもりだから」
「一日で結果出るか」
「これずっとしないと身に着かないから」
「だからね」
「真花ちゃんもね」
「継続は力なりね」
真花も茶道部の面々に応えた。
「つまりは」
「そうよ、だからね」
「そこは頑張ってね」
「続けていけばね」
「きっとだからね」
「じゃあ頑張っていくわね」
真花も頷いてだ、そしてだった。
実際に茶道を続けて他にも優雅だのエレガントだの言われている作法を身に着けようと本を読んだり仕草にも取り入れてまた矯正する様にしてだった。
何とか行儀作法を身に着けてガサツさをなおそうとした、だが数ヶ月経って何とかだった。
「少しましになった?」
「そうよね」
「食べ方とかもね」
クラスメイト達は真花と一緒にクラスで弁当を食べつつ言った。
「頬っぺたに米粒付かなくなったから」
「その分ね」
「ましになったかしら」
「けれど食べ方自体は」
「相変わらず男の子みたいね」
「しかもドカ弁は相変わらずだし」
「何かね」
真花自身もこう言った、そのドカ弁をガツガツと貪りながら。
「私結局あれ?根がね」
「もうガサツってこと?」
「そういえば真花ちゃんのお父さんもね」
「結構ガサツよね」
「ええと、趣味はお酒と阪神の観戦で仕事は工事現場の現場監督で」
真花はその父のことも話した。
「暴力は振るわないけれど荒っぽい人ね」
「そうよね」
「真花ちゃんのお父さんも」
「そうした人で」
「お母さんもね」
今度は母の話もした。
「元々大工さんの家で」
「大工さんも肉体労働だし」
「ちょっと油断したら怪我するし」
「どうしても荒っぽくなるわね」
「どっちのお祖父ちゃんもお祖母ちゃんも荒っぽいし」
父方も母方もというのだ。
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