オコジョガール
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第四章
それで茶道部にふと顔を出して言ってみた。
「あの、体験入部でもね」
「あれっ、ソフト部の中西さんじゃない」
「どうしたの?」
「何かあったの?」
「いや、ちょっと行儀作法を身に着けて」
それでとだ、真花は茶道部の茶室で茶道部の娘達に話した。学校は共学だが茶道部には女子しかいなかった。
「それでガサツさなおそうってね」
「そう思ってなの」
「うちに来たの」
「そうだったの」
「ええ、それでね」
さらにと言うのだった。
「女の子らしくなって彼氏も」
「また率直に言うわね」
「目的は彼氏って」
「女の子らしくなってはいいけれど」
「皆からガサツガサツって言われて」
それでというのだ。
「だから彼氏出来ないって言われたしね」
「まあね、確かに中西さんってね」
「結構ガサツな感じよね」
「動きとかね」
「あと喋り方も結構」
「だからよ、何とかね」
まさにと言うのだった。
「そのガサツさをっていうのよ」
「そうなのね、まあ茶道したいのならね」
「それなら私達も断る理由ないし」
「茶道してみてね」
こう言ってだ、そしてだった。
真花はソフト部に入ったままで茶道部にも入りそこでは行儀作法を学ぶことにした、だが茶道に付きものの正座にだ。
甚だ苦労してこう言った。
「正座でいるとすぐにね」
「足が痺れるっていうのね」
「どうしても」
「そう言うのね」
「それがね」
どうにもと茶室の中で言った、今は茶道が終わったので正座ではない。
「どうにもならないわ」
「そう言われてもね」
「これが行儀作法よ」
「茶道全体がそうだけれど」
「正座もよ」
「そう聞いても正座していたら」
それでというのだ。
「それだけで辛いわ、いや行儀作法もね」
「身に着けるのが難しい」
「そうだっていうのね」
「そうなのね」
「そうみたいね、けれど一旦やるって決めたら」
それならというのだ。
「やらないとね」
「その意気よ」
「だから頑張ってね」
「折角結構いい外見なんだしね」
茶道部の部員達も頑張ろうとする真花に言った、それでだった。
真花に何かと行儀作法についてレクチャーしていった、真花は知識は蓄えていったがそれでもだった。
行動には出なかった、それで友人達には相変わらずこう言われた。
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