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ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)

作者:あちゃ
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第2章:リムルダール編
  22:大艦巨砲主義は足下を掬われる

(リムルダール)
リュカSIDE

流石に俺もエルを説教してしまった。
だが誰も止めない。
何故なら皆が同じ事を思ったからだろう。

今まで治せなかった病にかかったからといって、心配する周囲の者に向かって『殺してほしい』と頼むなんて説教ものだ。
まぁ程々に終わらせるけどね。

取り敢えず、ほぼ全ての病を治す事が出来る薬の製造方法を得た訳だし、その薬の原材料を量産出来る様にしておけば、この地方の復興は時間の問題だろう。
ジジイ(ゲンローワ)もエルも聖なる草の栽培方法を理解したし、後は街の整備に尽力すれば……!?

突然遠方から敵の気配がして、一気に近付くと上空からヘルコンドルが大量のモンスターをリムルダール周辺に投下してきやがった!
……忘れてたね。アイツを倒さないと復興は完了しないんだったね。

「リュ、リュカ!?」
ジジイ(ゲンローワ)が助けを求める様に話しかけてきた。
鬱陶しいなぁ……

「取り敢えず……街を囲う防壁は強化しておいたし、街の外に投下されたモンスターは無視して大丈夫。運悪く街の中に投下されたモンスターを皆で倒しておいてくれ。僕はあのアホウ鳥を何とかする……」

そう指示だけ出して俺は見張り台へと駆け上った。
そこにはミノリ達が皆で考えた武器……大弓が設置されている。
何処から襲われても大丈夫な様に、大弓を増設して四方八方へ発射できる様にしておいた。

後はヘルコンドルが上手い具合に大弓の射撃高度に入ってくれる事を祈るだけ……
誰に祈ろうかな? 貧乳女神は論外だし、ヒゲメガネも頼りにならない。
う~ん……父さんにでも祈るかな?

神々の役立たずっぷりを嘆いていると、ヘルコンドルは俺目掛けて突っ込んできた!
しかも真上から!!!!!
真上には大弓打てないよぉ。

凄いスピードでの突進だったが、辛うじて反撃が出来た。
とは言えヤツ(ヘルコンドル)に大したダメージを与えられなかったし、何より見張り台が壊されてしまった。

やっぱりだ……皆には言いにくいけど、弓を大きくしたからってそれが決定的な武器になるとは言えない。
敵だって攻撃されたくはないのだし、大弓からの攻撃が当たらない方向へ移動するのは当然だ。
となると大弓を四方八方上下に向ける事が必要だし、そんな状態で配置なんて難しい……

出来る限りの事はやったが、やっぱり予想通り……ってかそれ以上の失敗状態に陥った。
とは言え如何するかな……
ヤツ(ヘルコンドル)を殴るには地面に落とさねばならないし、その為にはやっぱり矢を当てなければならないし、それには大弓を使わないとならない。

重いんだよなぁ……
“大弓”って言うだけあって大きいし、矢も槍の様に太くて大きいから更に重くなる。
でも仕方ないから使うか……魔法が使えれば問題なかったのに!

壊された見張り台の瓦礫の中から、壊れてない大弓を一基取り出し、矢をセットする。
そしてヤツ(ヘルコンドル)が何所に居るのか目で探した。
すると嘲笑うかの様に拠点の上空を旋回してやがった。

何処かに固定されてないと打てないと思っているヤツ(ヘルコンドル)は、俺が大弓を構えても全く慌てる様子がない。
この一撃で地面に叩き落とし、唯一のチャンスでトドメを刺さないと厳しくなる。

そうは思ったが気負う必要はなく、優雅に狙いを付け矢を放った。
うん、無事に命中。
俺の放った矢はヤツ(ヘルコンドル)左翼を貫き、拠点の直ぐ傍に墜落した。

絶対にこのチャンスは逃せない。
俺は大弓を投げ捨て、腰からドラゴンの杖を抜くと猛ダッシュでヤツ(ヘルコンドル)の傍に向かった。

目を回して地面にへばってるヤツ(ヘルコンドル)の脳天目掛けて杖を振り下ろす。
エルを襲った怒りからか、魔法が使えず面倒臭さへの怒りからか、力が入りすぎてヤツ(ヘルコンドル)の頭部が弾け飛んだ。(その下の地面もガッツリ抉れた)

リュカSIDE END



(リムルダール)
ノリンSIDE

やった! リュカがヘルコンドルを打ち落とし、そしてトドメを刺した!
街の中に入っていたモンスターはミノリ達が倒し終わってたし、外のモンスターもヘルコンドルがやられたのを見て逃げていった。

ついに……ついに、このリムルダールにも平和な時が来る。
リュカの事だから、もっと街の敷地を広げて大きくするだろうし、少しずつだろうけど毒に侵された水辺をキレイにしてくれるだろう。

そうなれば俺にも釣りを楽しむ事が出来る!
ひゃっほーぅ!!
釣りだぜ、釣り! うん()めー魚を釣りまくるぜ!

俺は嬉しさを伝えようとリュカに近付いた……
だがリュカは壊れた杖(リュカが何時(いつ)も使ってるのじゃない)を手に、希望の旗付近で空を見上げ誰かに話しかけている。(多分ルビス様だろう)

話が終わると壊れた杖を持って薬局へ入っていった。
何だろう?
まだ何か作るのかな?



暫くしてリュカは壊れた杖を修復して出てきた。
そしてまた希望の旗まで近付くと……
その杖を空へと掲げた。

リュカがやると格好いいが、一瞬は何をやってるのか解らなかった。
だが次の瞬間……
リュカが何をしたのか誰もが理解した!

突如リュカを中心に眩い光が広がると、厚い雲に覆われてた空が美しく晴れ上がったのだ!

ノリンSIDE END



(リムルダール)
リュカSIDE

『リュカよ、よくやりました』
空を覆う厚い雲が晴れ渡ると、突然ルビスが話しかけてきた。
この地の復興が順調になった途端……現金なヤツだな。

『これでこの地も竜王の悪しき力から解放され、人々は自らの力で町を浄化してゆく事でしょう』
つまり俺は用済みって事だな。
だから次の地へサッサと行けって遠回しに言ってるんだね。むかつくね。

『しかし忘れてはなりません。この世界には貴方の助けを待つ人が、まだ多く居る事を……』
「そんな事、僕が知るか!」
ルビスの声は俺にしか聞こえてないから、突然の暴言に周囲に居るエルやジジイ(ゲンローワ)等が驚いた。

「あぁ、ごめんごめん。リムルダールの復興はまだ終わってないけど、エルの回復とヘルコンドル討伐を祝して、パーティー的な宴会的な物を行おうぜぇ!」
『ちょ、ちょっとリュカ!? 貴方には次なる地へ赴いてもらわなければ……』

「さぁアホリン(ノリン)、もう病人は居ないからお前が好きな料理を好きなだけ食って良いぞ!」
「ひゃっほーい! 空が晴れ上がっためでたい日だ。食って食って食いまくるぞー!」
俺の行動を操りたいルビスは、しつこく次の地へ行く様に指示してくるが、俺は聞こえないフリをして一番騒がしそうなアホ(ノリン)を使って宴会を開始させる。

ここにはエル・ケーシー・ミノリ・ヘイザンと4人の美女が居るんだ。
旅立つ必要なんて無い。
ましてや俺の力を恐れ、弱体化させる様な神の為になんてな!

リュカSIDE END



 
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