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ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)

作者:あちゃ
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第2章:リムルダール編
  21:今更ながらの不眠不休

 
前書き
ちょっと短めです。
ごめんね。 

 
(リムルダール)
ゲンローワSIDE

リュカがルビス様と話を付けて2日……
種は一日で成長し聖なる草となり、また種へと変えられ植えられる。
そのため現在は聖なる草を4本育ててる最中だ。

その間もエルの容態は回復する事無く常に魘されている。
聖なる草の成長はルビス様に任せてる様で、リュカは四六時中エルの看病をしている。
一体いつ寝ているのか……

同じ事を思ったのか、ノリンが今朝方リュカに話しかけてきた。
「なぁリュカ……寝てないだろ? エルさんの看病は俺も手伝うから、少しは寝たら如何だ?」
そうじゃな……エルの看病はリムルダールの皆で行えばよい。

「お前に任せたら、無抵抗なのを良い事にイヤらしい事をしそうだから断る」
「しねぇよ!!」
た、確かにその恐れもあるが、流石にやらんじゃろ。

「俺の不眠不休が心配なら、お前がエルの代わりにこの病気になれ! そうしたら即刻埋めてやる。安心しろ……大好きな釣り竿と魚も一緒に埋めてやるから。そうなれば俺も安心して寝れる。あ……やっぱ面倒いから釣り竿と魚はパス!」

「お、お前が女に甘いのは解ってたけど、酷すぎないか!?」
「俺は女に甘くない。その証拠に娘の何人かと貧乳女神には厳しい」
確かにルビス様に対する口調は雑じゃった……というか、こいつには娘が居るのか!?

ゲンローワSIDE END



(リムルダール)
ノリンSIDE

2個の種を植えてから4日目。
遂に聖なる草が8本収穫できた!
リュカは草を5本刈ると、直ぐさま薬局に飛び込み調合を始めた。

しばらくの間リムルダール内にはリュカの様子を伺う静かな時間が流れる。
誰もが“リュカだから大丈夫”と思いながらも不安を隠せないで居る。
別にリュカを疑ってるのでは無く、兎も角エルさんが心配なのだ。

そんな固唾を飲み込んだ皆の視線が集中する中、勢いよく薬局の扉が開きリュカが出てきた。
手には液体の入った小瓶が……
それが『聖なる滴』か?

リュカはそのままの勢いで病室へと入る。
俺達も慌ててリュカの後を追った。
病室内ではリュカがエルさんを優しく抱き起こし薬を飲ませている所だった。

「オイラの時はデカい薬を丸々口に押し込まれたべ」
「相手は女で、しかもエルさんだ。リュカの世界ではアレが常識的な対応なんだろ」
ザッコの苦い思い出に返答してるとリュカはエルさんを優しく寝かし様子を見る。

しばらくするとエルさんの顔から険しい表情が無くなり、静かな寝息を立て始めた。
それを見たリュカは俺達の方に近付きジェスチャーで『部屋から出ろ』と告げる。
エルさんを安静にさせようって事だろう。

病室から出ると直ぐさまゲンローワの爺さんがリュカに質問する。
「リュ、リュカよ……エルは……エルは助かるのじゃろうな!?」
「だと思う」

何とも頼りない答えだ。
「兎も角……一晩様子を見よう。皆も疲れてるだろうから、今日は無理せず早寝すると良い」
皆も俺と同じ事を考え顔に出てたのか、リュカが落ち着かせる様に話してきた。

しかし早寝を進めたリュカは、一番疲れているであろうに街の修繕に着手してる。
前回の襲撃で壊れた外壁や、作りたての見張りの塔(大弓を配置してある塔)を手直ししてる。
もしかしたら一番心配なのかも知れない……

ノリンSIDE END






(リムルダール)
ゲンローワSIDE

眠れぬ夜を一晩過ごし、日の出と共にベッドから出て病室へと向かう。
病室の前にはベッドにすら入った形跡のないリュカが立っていた。
ワシは此奴が寝たのを見た事がない。

ワシに気付き、ワシが病室へ入ろうとしてる事に気付いたリュカは、ソッと左腕でワシを遮ると、
「今、エルが着替えてるから入室は……」
とマナーを笑顔で伝える。

「エ、エルは……無事なんじゃな!?」
「あぁ、元気になったみたいだ」
ワシが女だったら確実に惚れるであろう柔らかい笑顔で孫娘(エル)の回復を教えてくれた。

「エルさんが回復したのは本当だべか!?」「お、おいリュカ! 嘘だったら流石に許さないぞ!」「エルさん元気になったんですね!」「やったなリュカ!」
ノリン達が各々自分の部屋(男性は共同部屋)で聞き耳を立ててたらしく、『エル回復』を聞き一斉に飛び出してきた。

ほぼ同時に病室からエルが出てきて恥ずかしそうに皆へ頭を下げた。
「おお……おぉエル! 良かった……本当に良かった……!」
ワシは思わずエルに近付き、その両手をとって泣き喜んだ。

他の皆もエルの周囲に集まり喜びを表している。
そんな中リュカだけが2.3歩離れた所に居りワシらの喜びを静観している。
何か問題でもあるのじゃろうか?



「さてエル。元気になって皆が喜んでるところ悪いんだけど、君に言っておきたい事がある」
皆の喜びが落ち着いてきた頃を見計らいリュカが何やら神妙な面持ちで話しかけてきた。
一体……?

「君は他の病人を看病する時『諦めちゃダメ』等の言葉をかけて励ましていたが、『諦めるな』と言う以上……自分もそれに従え! 自分が看病される側になった途端、『殺してくれ』なんて絶対に言うな! 僕はそれだけが許せない。絶対に治して叱ろうと思ってた!」

「リュ、リュカ……エルさんだって病気の苦しさに言っちゃっただk「黙れアホリン(ノリン)! 自分に出来ない事を他人に言うなって事だ! 他人に『諦めるな』と言う以上、言った本人も諦めちゃダメなんだよ!」

静まりかえったリムルダールにリュカの叱咤が響き渡る。
ワシら全員、リュカには頭が上がらぬなぁ……

ゲンローワSIDE END



 
 

 
後書き
そろそろクライマックスですねぇ。
この地が如何(どう)こうより、ルビスとリュカの関係が心配です。面白すぎて! 
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