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DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)

作者:あちゃ
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暗い世界での明るい一団

真っ暗な世界アレフガルドに存在する唯一の王国ラダトーム…
人々は松明の明かりを頼りに営みを行っている………つか、シャレにならないくらい真っ暗ワールド!
月の明かりは疎か、星の光も存在しない漆黒の空。
松明が無ければ1センチ先も見えないのには驚きですよ!

そんな過酷な土地にでも、逞しく生活している人々は居る。
ここラダトームも、そんな人々の為の重要な町だ。
「まぁ…随分と活気のある町ですねぇ…お天道様が無いだけで、思ったより平和なのかもしれないですね」

物怖じしない…と言えば聞こえは良いが、何処か常人とは違った感性で生きている女性…それがアルルさんのママさんであるアメリアさんだ。
女は何時まで経っても恋する乙女…そんな感じで愛する旦那を追っかけて、私達と共にこんな所まで来てしまったツワモノ。

最初は皆がアメリアさんも同行する事を拒否ったが、『え!?別にいいじゃん。美人が増えるのは歓迎だよ!』と、無責任極まりないパピィの発言で連れてくる事になってしまった。

勿論、戦闘には不参加。
その代わり野営等での家事全般を任せる事に…
お父さんが全責任を持って彼女を守るのが娘カップルの命令だ。

あんな美女を託したら、また家族が増えるだけでは?と思ったのだが、“他人(ひと)(おんな)には手を出さない”と公言しているだけあって見向きもしなかったよ。
意外と意志が強いんだなぁ~と思いました。





さてさて、ラダトームの宿屋にチェックインし、アルルさん達は情報収集の為町を散策する事に…
残された私達…私・ウルフ・ミニモン・アホの子・アメリアさんはお留守番です。

何故この面子がお留守番かというと…
アメリアさんは冒険慣れをしてないので、情報収集など出来るはずもなく…
ミニモンはモンスターなので目立たせたくないし…
アホの子などは鳥目で思う様に動けないという始末だ。

ゲームと違い、ラーミアをアレフガルドへ連れて来れたので、ゾーマの城までひとっ飛びだと思ってたら、とんだ落とし穴ですよ!
何だ鳥目って!?とことんアホの子だな!
外を出歩く時はお父さんに抱っこされてるんだぞ!
そうしないと何処にも動けないみたいだ………使えん!

なお、お留守番を言い渡されたラーミアは、『自分も行く』と喚き散らしたのだが、『じゃぁお前は、表の世界へ帰れ!我が儘言う奴はいらん!』とお父さんにガチで叱られ、大泣きしながら従ったのだ。

だから私達は今、宿屋に併設された食堂で、ラーミアをあやしている所だ。
「そんなに泣くなよ…留守番も大切なんだぞ。リュカ達が戻ってくる所を守らなきゃならないんだから…リュカに信用されてなきゃ出来ないんだぞ!」
可愛いフード付きのパーカーを着たミニモンが、妹をあやす様に優しくラーミアを宥める。

「そうよラーミアちゃん。ミニモンちゃんの言う通り…リュカ君は信用してるからラーミアちゃんをお留守番させたのよ。ほら泣かないで…笑って…ね!」
流石はお母さん経験ありのアメリアさんだ。
幼女をあやすのが上手ですね…

「でも…リュカ、ラーミアに『いらん!』って言った!ラーミア、こっちじゃ暗くて飛べない…役に立たないから、リュカ要らないって言った!」
違う違う違う!
お父さんは役立たずに対して要らないとは言わないわ!
そんな愚かな発言をする男じゃ無いわよ!

「違うよラーミア。リュカさんは、我が儘を言うラーミアに怒ったんだよ。我が儘を言わず、良い子にしていれば、リュカさんはラーミアの事が大好きなんだよ」
……ムカつく。
自分の彼氏が、他の女に優しくしているのを見ると…ムカつく!

ざけんじゃねーよアホ鳥が!
私のお父さんを侮辱した上、彼氏に優しくされるなんて…
何様のつもりだオマエ!

ぶっちゃけやってられない気分で、アメリアさん達がラーミアをあやしているのを見学している私。
一人、幼女を慰める事無く冷ややかな目で見詰めている………と、
「ほら、マリーお姉ちゃんがお歌を歌ってくれるって!ラーミアちゃんも一緒に歌いましょう?」
と、勝手に巻き込まれた。

何なの脈略もなく歌えって…
冗談じゃないわよ、私はお父さんと違って滅多やたらに歌う輩じゃないのよ!
大体何でアホのこの為に歌わにゃならんのだ!?

「よかったねラーミア!マリーはとっても歌が上手なんだよ。しかも可愛いんだ!一緒に歌って、ラーミアもマリーみたいに可愛くなれば、リュカさんも今後は一緒に連れて行ってくれるよ!…さぁ、一緒に歌お!」
ちょ、ちょっとちょっと…
何なのよウルフまで…
貴方にそんな事言われたら悪い気はしないじゃないの♡

「よ~し…それじゃぁ歌っちゃおっかなぁ!」
私はラーミアが首から下げてる変化の杖をもぎ取ると、食堂内の椅子やテーブルを雑然と退かし、簡易的なステージを形成させる。
そして、その中央に立って徐に歌い出した。

曲目は『ラブ・ラブ・ミンキーモモ』
小山○美さんの様にプリティー・セクシーに歌いきる。
気が付けば周囲に観客が多数…

調子に乗ってきた私は、更にもう1曲披露する事に…
曲目はまたもやミンキーモモから『ミンキーステッキ・ドリミンパ』だ!
因みにどちらの曲でも、所々で変身しながら歌う。
客の心を鷲掴み!

まずい…すんごい楽しいわ…
どうにも止まらなくなったので、まだまだ続ける事に…
『見知らぬ国のトリッパー』『ラブリードリーム』『おしゃれめさるな』『だいすきシンバ』と魔法の妖精ペルシャを制覇すると、次は…
『デリケートに好きして 』『パジャマのままで 』と魔法の天使クリィミーマミで攻め込んだ!

う~ん、変身は楽しいし、人前で歌うのも気持ちいい!
おっと、魔法変身少女物と言えば忘れてならないのが『魔法使いサリーのうた』だった!
これを歌ったら次は………



魔法のスターマジカルエミの『不思議色ハピネス』『あなただけ Dreaming』…
魔法のアイドルパステルユーミの『金のリボンでRockして』『フリージアの少年』…
魔法のステージファンシーララの『La La La 〜くちびるに願いをこめて〜』『しあわせな き・ぶ・ん』と連続して歌いきり、そろそろアダルティーに責めようと思い、キューティーハニーの『キューティーハニー』を歌う。

すると突然客席から乱入者が一人…
ギターを手に現れたマイパピーだ!
「わ~お!お父さんお帰りなさい!…皆さ~ん、ご紹介します。この人は私のお父さんでーす!どうやらギターで伴奏してくれるみたーい!…あれ?お父さんギター弾けるの?」

「任しとけ!女の子にもてそうな事柄は、大体こなせるように練習したから!学生時代を思い出すぜ!」
すげーな、流石はお父さん…
女に持てる事を前提に習い事等をするんだ…
だが言うだけあると思う…本当に格好いいのよ!

あぁ…本当に歌うって楽しい!
…そう言えば何で歌う事になったんだっけ?
………ま、いいか!



 
 

 
後書き
短編として『始まりはこの日から…』を同時掲載しました。
リュカという男がリュカという男になるまでを書きましたので、そちらもお楽しみください。 
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