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傾奇者の料理

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第二章

「それで最近はです」
「凝っている」
「そうです、それで和食で」
「とびきりに美味いものを食いたい」
「出来るでしょうか」
「メニューは」
 小泉は富豪に問い返した、隣にはモンゴメリがいる。
「一体」
「それはです」
「何でもいいか」
「はい、とびきりのご馳走を」
 それをというのだ。
「お腹一杯です」
「食べればいいか」
「はい」
 だからだというのだ。
「それがお願いです」
「最高の食材と最高の調味料を使ったか」
「最高の腕でよりにかけて作った」
「最高の、なら」
 ここで小泉は己の考えを変えて言った。
「職人もか」
「実は和食の職人は」
 富豪は小泉に笑って話した。
「もうです」
「いるのか」
「当家の和食の料理人です」
 その彼がというのだ。
「もういまして」
「そうか、私も料理の腕に自信があるが」
 それでもとだ、小泉は言った。
「それならな」
「はい、調理はです」
「その料理人がしてくれるか」
「左様です」
 富豪は彼に礼儀正しく答えた。
「ですから」
「それでか」
「お二人は食材とです」
「調味料をだな」
「用意してくれますか」
「わかった、ではな」 
 小泉は富豪の話をここまで聞いて言った。
「今から行って来る」
「宜しくお願いします、では今から泳いできます」
「泳ぐのか」
「宮殿のプールで。仕事前には毎日泳いでいます」
「健康の為か」
「そしてお腹を空かせる為に」
 この二つの理由でというのだ。
「そうしています」
「そうなのか」
「健康であればこそ食べられて」
「腹が空いているとな」
「美味しいものが多く食べられるので」
「だからだな」
「はい、食べています」
 まさにというのだ。
「ですから」
「そういうことだな」
「とかく食材や調味料、メニューはお任せしますので」
「美味いものをだな」
「持って来て下さい、他の冒険者の方にもお話していますが」
 依頼を受けたのは二人だけではなかった、他にも幾人かの冒険者が受けていて依頼にあたっているのだ。
「お二人も」
「行って来る」 
「それでは」
 モンゴメリも応えてだった、そのうえで。
 二人は早速最高の食材と調味料を探す冒険の旅をはじめた、だがここでモンゴメリは小泉に問うた。
「問題はお料理だね」
「もうそれは決めてる」
 小泉の返事は一言だった。
「既にな」
「というと」
「鯉だ」
 この魚の名を出した。 
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