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レーヴァティン

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第百十九話 ナイル川へその十

「織田信長さんも示してくれたしな」
「織田家の長槍隊だな」
「ああ、あれからな」
「お前も考えてだな」
「パイクは長くしてな」
 これは目一杯そうさせたのだ。
「そしてな」
「便利だからだな」
「ハルバートも持たせてるさ」
「高価な武器だがな」
 歩兵の武器としてはだ、槍や斧の方が安いのだ。
「それでもな」
「俺達は銭もある」
「だから揃えてな」
「兵達の標準の装備にしているな」
「そうさ、しかしな」
「攻城戦ではだな」
「ああ、やっぱりな」
 何といってもというのだ。
「術にな」
「大砲もだな」
「あれもあってな」
 そうあってこそというのだ。
「どんな城も攻め落とせるしな」
「実際にそうしてきた」
「だからだよ」
「このアレクサンドリアでもな」
「幸い古いタイプの城壁だな」
 見ればそうだった、アレクサンドリアの城壁もまっすくに建てられている煉瓦のもので中世のものと変わりない。
「あれならな」
「術への備えはしていてもな」
 耐魔の障壁は城壁に使っていてもというのだ、正も言った。
「しかしな」
「それでもだよな」
「大砲への備えはどうか」
「どう見てもないからな」
「ここでもだな」
「それで攻めてやるさ」
 大砲、それでというのだ。
「そうしてな」
「アレクサンドリアも攻め落とすな」
「ああ、ただここでもな」
「いつも通りだな」
「城壁を破壊したらな」
 その時点でというのだ。
「あらためてだよ」
「幸福の使者を送るな」
「城塞都市は城壁が破壊されたらな」
「もう終わりだからな」
「そこは日本の城と違うからな」
 これは久志達の認識だ、日本の城は城壁を破壊さいても本丸までは幾重もの城壁や堀、石垣や櫓それに揉んで守りがあるというのだ。
「例え二重三重でもな」
「城壁さえ崩せばな」
「もう守りはないも同然だからな」
 それ故にというのだ。
「城壁を破壊したらな」
「それでだな」
「使者を送ってな」
「降伏を促すな」
「市民の安全も保障してな」
 実際にこれは絶対に守っている、久志達にしてみれば街を手に入れることが目的で市民達は統治の対象だからだ。 
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