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ある晴れた日に

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685部分:日の光は薄らぎその十五


日の光は薄らぎその十五

「うちのあの守備は。古木といい村田といい」
「村田はサードだとましだよな」
「まだね」
「セカンドの時よりずっと」
 こう話されていくのだった。
「ましだけれど」
「内川もまあ普通じゃない?」
「そんな極端に悪くはないけれど」
「古木はあれだけれど」
「古木の守備はどうにもならないの?」
 明日夢はそれを何度も言うのであった。
「ちょっとね。どうなのよ」
「あれはなあ」
「どうしようもないよな」
「そうよね」
 こう話すのだった。
「何処を守ってもって」
「サードの守備も酷かったし」
「レフトでも」
「守らせない方がいいだろ」
 結論が出た。
「指名打者はどうだ?」
「それなら」
「横浜はセリーグなんだけれど」
 明日夢はそこを言うのだった。
「だからそれはね」
「どうしようもないってか」
「守らせないと駄目」
「辛いわね、それって」
「あいつどうなのよ」
 明日夢のどうにもならないといった感じの言葉は続く。
「何でああなの?」
「ああなのって」
「そんなにどうしようもないのか」
「それじゃあ」
「守備はどうしようもないわ」
 結局認めるしかなかった。
「どうしてもね」
「どうしてもこうしてもないだろ」
「阪神より酷いんだな、守備は」
「そっちは」
「打つチームって普通守備もいいものだけれど?」
 茜はこう言って首を捻っている。
「横浜は違うの」
「マシンガン打線はそうだったわ」
 かなり過去の話になってしまっている。今はだ。
「それはね」
「それは?」
「その時は守備もよかったのよ」
 明日夢は目を閉じて困った顔になっている。
「特に内野はね。ダブルプレーにするのが上手くて」
「併殺網ね」
 恵美が言ってきた。
「その時の話ね」
「あの時はよかったわ」
 目を開いてしみじみと言うのであった。
「本当にね」
「御前その時小学生だろ?」
「それでも覚えていたのかよ」
「そうだったのよ。あの時本当にファンでよかったと思ったわ」
「じゃあ今は?」
「最悪」
 こう凛に返す。
「それでも応援してるけれど」
「ファンって辞められないからな」
「そうだよな、それは」
「とてもね」
 これは皆が言うことだった。
 
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