ドリトル先生と姫路城のお姫様
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第十一幕その一
第十一幕 素敵な宴
宴の日が来ました、そしてでした。
先生達はその日の夕方お迎えの人の訪問を受けました、先生のお家には動物の皆とトミー、王子がいます。
お迎えの人はお侍さんの服と袴を着たぬらりひょんでした。
「姫様の爺です」
「そしてですね」
「はい、この度はです」
「姫路城の宴にですね」
「招待させて頂きます」
ぬらりひょんは先生に笑顔で言いました、ちょんまげをしていて後頭部かかなり突き出ているお爺さんです。
「これより」
「それでは」
「玄関にどうぞ」
こう言ってです、ぬらりひょんは先生達をお家の玄関に案内しました。するとそこには牛車が置かれていましたが。
牛車には人のお顔があります、先生はその牛車を見て言いました。
「朧車ですね」
「ご存知ですか」
「はい、日本の妖怪ですね」
「そして姫様のお車の一つでして」
「このお車で、ですね」
「これからです」
「姫路城に向かうのですね」
「そうして頂きます」
見れば青い牛が牛車を曳いています、かなり大きな牛です。
「お城まですぐに着きますので」
「すぐですか」
「何しろ空を飛んでいきますので」
「それで、ですね」
「そうです、ではまずはお乗り下さい」
ぬらりひょんはこう先生にお話してでした、そのうえで。
皆で一緒に朧車に乗って出発となりました、するとです。
ぬらりひょんが付いている朧車は空を飛んででした、先生のお家の玄関から姫路城の方に向かいました。本当にすぐにでした。
姫路城に着いて先生達は天主閣が完全に見える場所に案内されました、そこにお姫様がお付きの人達と一緒にです。
もう一人着飾った桃色のお姫様の服を着たお姫様がいました、黒髪で丸い目をしていて姫路城のお姫様より小柄で幼い感じがします。
そのお姫様が先生に微笑んで声をかけてきました。
「そなたがドリトル先生ですね」
「はい」
先生は皆と一緒にそのお姫様に帽子を取って深々と一礼してから答えました。
「私がドリトルです」
「お話はお姉様から聞いています」
「そうですか」
「今宵の宴のことを考えてくれたとのことで」
「その考えが実ることを願っています」
先生はこうそのお姫様に答えました。
「今宵は」
「そうですね、名乗りが遅れましたが」
お姫様は先生にあらためて言いました。
「私が亀姫です」
「猪苗代の方ですね」
「そうです、あの辺りの妖怪達の棟梁であり」
その地位にあってというのです。
「このお城の主富姫様とは義理の姉妹の間柄です」
「そしてこの度は、ですね」
「お姉様のお招きでこちらに来ました」
それで今ここにいるというのです。
「そしてです」
「宴もですね」
「楽しませて頂きます」
「それでは」
「さて、宴をはじめようぞ」
お姫様、亀姫が言う富姫が場に言いました。
「もう馳走や舞台の用意は出来ておるな」
「既に」
青坊主がお姫様に答えました。
「出来ています」
「それではじゃ」
「今からですね」
「はじめるとしよう」
こうしてでした、宴がはじまりました。
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