デート・ア・ライブ~Hakenkreuz~
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第二話「【SS】」
前書き
やばい、士道君の口調がブレブレになってしまった…。
~士道side~
俺、五河士道は何処にでもいる普通の高校生だった。このまま何も変わらない日常を謳歌するのだろうと思っていた。しかし、二年生の入学式の日から俺の日常は大きく変わってしまった。
全ては一人の精霊との出会いからだった。そして妹である琴里が司令をやっている組織ラタトスクから聞かされた話。
一般的にはまだ原因が分かっていない空間震の原因。精霊がこの世界に現れる時に必ず起きる物らしい。そして今年クラスメイトとなった鳶一折紙も所属している部隊ASTは精霊を殲滅することが目的だと聞いた。
だけど、それとは別の対処法がありそれが精霊とデートしてデレさせる事。そしてキスをする事で精霊の力を封印できると。それが出来るのは俺だけだと。そしてそれをサポートする為に組織されたのがラタトスクである事も。
言われた当初は全く実感が湧かなかったが最初に出会った精霊、十香に次にであった四糸乃の力を実際に封印した事で自分の力を自覚することが出来た。
そして皆と平和な時間を過ごしていると新たな空間震が起き、俺はラタトスクに呼び出された。
「ようやく来たわね。丁度空間震が起きるところよ」
琴里がそう言った瞬間モニターに移された街が突然歪み一瞬にして画面をノイズへと変えた。見慣れてないとはいえ見間違う事は無い。あれが空間震だ。ノイズは直ぐに治りモニターに移ったのは数瞬前とは違い荒廃した街の様子だった。
「今回の空間震はそれなりの規模ね。さて、一体何が出たのやら…っ!」
琴里がモニターを見た瞬間固まる。その顔には驚愕の二文字が浮かんでいた。
「嘘でしょ?」
「まさかそんな」
よく見れば他の人たちも似たような感じで全員モニターを見て固まっている。そして、モニターに映る一人の女性を見て俺は息が詰まるのを感じた。
きらめく銀髪をはためかせ、人形の如き美しさを持つその顔に歴史の授業で見た事がある、ナチスドイツの軍服の様な物を着込んだその女性は人とは思えない美しさを持っていた。そんな女性が空間震が起きたクレーターの中央で腕を組み目を瞑っていた。その姿からは女帝というイメージすら湧いてくる。
「…【SS】」
「エスエス?」
琴里が呟いた言葉に俺は聞き返す。そのままの意味ならSSになるけど一体何の事だ?ショートストーリー?
「…あの精霊の識別名よ。彼女が来ている服装からそう呼ばれているわ」
「AST来ます!」
苦虫を噛み潰したような顔で琴里がそう言った時丁度ASTが到着した様だった。また、なのか?ASTは一斉にミサイルを放つ。精霊なら死ぬ事は無いと分かっているとはいえこれには納得できない。琴里に向かって口を開こうとした時だった。
彼女は何処から取り出したのか小銃を握っておりそれをASTに向けて放った。本来ならASTにはそんな銃が効くはずがない。だけど、放たれた弾丸は呆気なくASTの体を貫通した。
「…え?」
自然と疑問の様な声が出ていたがそうしている間にも二発目、三発目が放たれる。銃より飛び出した弾丸はまるで意志を持ったように逃げ惑うASTを追尾し真っ赤な花を咲かせていく。
「な、何なんだよこれ…」
そして僅か数分、いや、もしかしたらもっと短い時間だったのかもしれない。その間にASTは負傷した仲間を連れて逃げて行った。精霊は追う気がないのかASTに背を向けて歩き出した。
「琴里、彼女は一体…」
「識別名【SS】は初めて現れた時から向かってくる者に容赦がなかったわ。彼女が持つあの銃のせいで既に何人も再起不能になっていて中には、死んだ人もいるわ」
「っ!」
きかされた内容はあまりも重い内容だった。それと同時に思い知った。世の中には自分の意志で手を染める精霊もいると言う事を。だけど、
「でも、あいつも精霊なら…」
「ええ、デートしてデレさせる。でも、出来る士道?彼女は十香や四糸乃みたいに甘くはないわよ?」
琴里の何処か挑発めいた言葉に俺は頷く。
「ああ、俺の力で救うことが出来るなら」
「ふふ、よく言ったわ士道。さあ、私たちの戦争を始めましょう!」
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