悪夢の人形使い
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第二章
そのうえでだ、こうも言ったのだった。
「私も一緒に行くわ」
「今回の神託のパートナーになってるからか」
「それもあるが仲間やろ」
シルビーナはここで笑みになった、そうして言うのだった。
「中南米が一つの勢力になった時からの」
「それでかいな」
「そうや、一緒に行こうな」
是非にと言うのだった。
「この神託にも」
「それやったらな」
「報酬も少ないけど」
見れば本当に子供の小遣い程度だ、非常に少ない。
「それでもな」
「神託やからな」
「受けような」
「ああ、今からな」
ファラも言った、そうしてだった。
二人で共にギルドの依頼を受けて女の子のところに行った、女の子はグアヤキルのあまり豊かでない家庭の家に住んでいるフェアリーの九歳位の娘だった。外見はフェアリー族独特の小ささと蝶の羽根だけでなく黒髪と黒い目が奇麗な小柄な女の子だった。この辺りの民族衣装を来ていて名前はイザベラ=アントンといった。
少女は二人を見ると驚いて言った。
「来てくれたの」
「そやで」
ファラは少女に笑顔で答えた。
「お嬢ちゃんの依頼を受けて果たす為にな」
「それじゃあ私のお話聞いてくれるの」
「勿論やで」
「皆私の言うこと信じてくれなかったから」
「嘘やと思ってやな」
「そうなの。けれどお話聞いてくれるなら」
それならというのだ。
「聞いてね」
「そうさせてもらうで」
ファラは少女に笑顔で答えた、そうしてだった。
シルビーナと共に家に入ってそこで少女の話を聞いた、それは依頼の話だったがかなり異様なものだった。
「人形がかいな」
「そうなの、私お人形好きだけれど」
少女はファラに少し俯いて話した、話す場所はリビングだ。両親は共働きで今は家にいるのは少女だけだった。
そこでだ、こう言ったのだった。
「けれど」
「そのお人形が急にやな」
「いなくなったの、それで必死に探していたら」
「見付かったんか」
少女の口調からだ、ファラはこのことを察した。
「それで」
「うん、けれど」
「けれど?」
「お人形なのに一人で歩いて」
「術を使ってるんか」
その話を聞いてだ、シルビーナはすぐにこう思った。
「何かの」
「それはわからないけれど」
まだとだ、少女は答えた。
「けれど」
「けれど?」
「カメダロスさんのお家に入っていったの」
「カメダロスさん?」
「この街でとても偉い人なの」
少女はこうファラに答えた。
「私のお人形が。それでね」
「カメダロスさんのお家に入ってやな」
「お人形取り返して欲しいの」
「それが依頼やな」
「そうなの」
「わかった、それでどんなお人形や」
「お人形?」
「そうや、どんなお人形や」
ファラは少女に今度はこのことを尋ねた。
「それで」
「白いシャツと緑の半ズボンを穿いていて」
少女はその人形のことも話した。
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