ドリトル先生と姫路城のお姫様
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第八幕その六
「内科と外科だね、ただ心臓外科もするけれど」
「難しいよね」
「心臓移植とか特にね」
「臓器移植自体がそうだけれど」
「心臓はね特によね」
「何といっても」
「だから余計に気をつけているんだ」
心臓のことにはというのです。
「僕もね」
「そうだよね」
「それで研究も怠らないね」
「そうしてるんだね」
「その通りだよ」
こう言って心臓の本も読む先生でした、見ればその本はフランス語です。フランスで出された医学の専門書です。
その本を読んでから今度はでした。
先生は日本のお城の本、日本語のそれを読みつつ皆にこんなことを言いました。
「織田信長さんが滋賀県に築いた安土城だけれど」
「ああ、あの凄かったっていう」
「一番上が漆塗りでね」
「緊迫も使ってて」
「青瓦も奇麗だったんだよね」
「そうみたいだね、今は別の場所に再建されているけれど」
その安土城の天主閣がです。
「見事なものだね」
「姫路城も確かに立派でね」
「大阪城や熊本城もだけれど」
「安土城も凄かった」
「そうだよね」
「もうその見事さときたら」
先生は本にある安土城のイラストを観つつ動物の皆にお話します。
「他のお城とは違うよ」
「中は吹き抜けだったんだよね」
「それで色々な宗教のことが襖とかに描かれていて」
「お寺や神社みたいでもあった」
「キリスト教も入っていたんだね」
「織田信長は無神論者だったと言われているけれど」
先生は安土城を築いたこの人のこともお話しました。
「実は違ったみたいだね」
「ちゃんと宗教も信じていたんだ」
「神様のことも」
「そうだったんだ」
「だからね」
それが為にというのです。
「安土城はそうだったんだ、そして石垣に使ったお地蔵さんや墓石は」
「何でもないから使ったんじゃないんだ」
「只の石だとか言ってたとか言うけれど」
「実は違ったんだ」
「そうだったのね」
「うん、そこにある霊的な力を使って」
そうしてというのです。
「結界にしようと思っていたみたいだよ」
「ああ、そうだったんだ」
「神仏を恐れないんじゃなくてその力を知っていて」
「だからお城の結界にしようとしていた」
「そうだったんだ」
「そうみたいだよ、元々織田家は神主の家だったしね」
織田信長のお家のこともお話するのでした。
「越前、今の福井県の方の」
「それで愛知県に移ってだったんだ」
「戦国大名になったの」
「そうだったんだ」
「そうしたルーツだったし」
神主のお家だったこともあってというのです。
「名古屋の熱田神宮に桶狭間の戦いの前に参拝しているしね」
「ああ、あの有名な戦いね」
「織田信長さんっていったらあの戦いだけれど」
「あの戦いの前になんだ」
「あの神社にお参りしているんだ」
「そうしたこともしていたの」
「そうみたいだよ、そして比叡山や本願寺と戦ったことは」
このことはといいますと。
「あの人達が逆らったし一向一揆を起こしてしかも戒律を結構破っていたから」
「仏教の戒律破ってたんだ」
「その頃の比叡山や本願寺は」
「そうだったんだ」
「うん、特に比叡山はそのことが昔から問題になっていてね」
それでというのです。
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