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夜の声

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第三章

 それでその部屋の中をそっと覗いた、部屋の番号と患者を確認すると昼に話していた男子高校生の部屋しかも今は彼一人しかいない部屋だった。
 そのことを確認してから覗くとそこでは。
 男子高校生のベッドの上で一組の男女がいた、それで色々として話していた。
「上になってもらうしか出来ないってな」
「それは仕方ないでしょ」
 実際に暗がりの中に餓えになっているのが見えた、文字通りに騎手が馬に乗っている様なシルエットだ。
「あんた足怪我してるから」
「そうだよな」
「私も怪我してるけれど」
「腕だからな」
「確かにあまり動けないけれど」
「振動大丈夫か?」
「多少はね、けれどあんたの足は」
 少年のそちらはとだ、少女は彼の上から言うのだった。見れば彼の腰の上に跨っていて入院患者の服の前をはだけさせ胸が見えている。
「そんなのだから」
「寝返りもうちにくいんだよな」
「それじゃあ普通のは無理でしょ」
「普通は男が上だけれどな」
「後ろからも無理だし」
「膝つくのもな」
 そのこともとだ、少年は両手を出して少女のはだけさせた胸の辺りを弄りながらそのうえで言うのだった。
「辛いからな」
「だったらね」
「体位はこれしかないか」
「そう、それにこの腕じゃ私が下になっても」 
 二人が言う普通のそれはというのだ。
「無理があるし」
「お互い怪我してると辛いな」
「そうよね、あとね」
「あと?何だよ」
「いつもちゃんとゴム使ってって言ってるけれど」
「そのことかよ」
「あんたゴムストックある?」
 少女は少年の上で動きつつ彼に尋ねた、動く度にベッドがギシギシと音を立て少女の髪の毛が動くのが見えた。
「そっちは」
「ああ、毎日何度もやってるからな」
「そう、ストックあるの?」
「この前病院の売店でお小遣いから買ったよ」
「だからあるのね」
「ああ、安心しろよ」
「だったらいいけれど」 
 少女は切ない声を言葉の中に交えつつ言った、少年も彼女の下でその胸や腰を弄りつつ息を荒くさせている。
「気をつけてね」
「やっぱりゴムないとな」
「そう、赤ちゃん出来るからね」
「流石に子供はまずいよな」
「まずいわよ、私達高校生なんだから」
 遥は少女の腰が上下だけでなく前後左右にも動くのが暗い部屋の中でも確認出来た、夜の暗がりの目が慣れてきたせいだ。
「まだ子供早いから」
「出来たら退学ものだよな」
「だから気をつけてね」
「毎日こうしててもな」
「絶対にね」
 少女は後はひたすら少年の上で喘いでいた、そうして少年も彼の下で動き一度お互い動きを止めてだった。
 少女は少年の上から下りてから彼の腰の辺りで動いていた、そして口を近付けてから今度は彼の顔のところで跨ってだった。
 前後逆に覆い被さった、そうして暫くその姿勢でいてだった。
 再び彼に跨った、後は獣同士の様だった。 
そこまで観てだ、遥が無言で扉をそっと二人に気付かれない様に閉めて巡検を続けた。そして巡検から帰ると同僚に言われた。
「遅かったわね、噂の真相にあたったの?」
「そうじゃないけれど」
 それでもとだ、遥は同僚に答えた。 
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