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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第五幕その五

「攻め落とせない様なお城だったんだ」
「それが当時の大坂城だったんですね」
「そうだよ、勿論道もね」
 動物の皆が言うお城の中のそれもというのです。
「複雑でね」
「迷う風だったんですね」
「しかも伏兵を隠しやすい場所に置いていたから」
「余計に攻めにくかったんですね」
「そうだったんだよ」
「姫路城より攻めにくかったんですね」
「このお城も凄かったけれど堅固さなら」
 このことについてはです。
「大坂城は別格だっただろうね」
「凄いお城だったんですね」
「今の大阪城は徳川幕府の頃に建てられたから」
 豊臣秀吉さんが建てたお城ではないというのです。
「あの天守閣は秀吉さんの頃の天守閣を再現しているけれどね」
「黒くて黄金の瓦でなくてもですね」
「そこは再現していないね」
 そこまではというのです。
「実際に」
「そうですよね」
「けれどね」
「それでもですね」
「うん、天守閣の形はね」
「再現しているんですね」
「そうなんだ」
 大阪城はというのです。
「そこはね、僕はあの頃の天守閣だったら」
「秀吉さんのものだったら」
「姫路城にも負けなかったと思うけれどね」
「このお城の天守閣にも」
「文字通り天下一のお城だったからね」
「そうですか」
「今の鉄筋コンクリートの天守閣でもとんでもなく立派だけれどね」 
 それでもというのです。
「やっぱり姫路城はね」
「凄いですよね」
「そう思うよ、本当に」
「白鷺城っていうけれど」
 ここでこう言ったのは王子でした。
「その名前に負けない位にね」
「立派なお城だね」
「そう思うよ、流石に今の大阪城でもね」
「白鷺城にはだね」
「僕が思うにね」
 こう前置きしてお話するのでした。
「姫路城は日本一のお城だよ」
「王子はそう思うんだね」
「うん、奇麗で恰好いいからね」
 だからだというのです。
「築かれた時代そのままで残っているしね」
「歴史的価値もあるからだね」
「そうしたお城実際には少ないよね」
「大阪城もそうだしね」 
 先生はまたこのお城の名前を出しました。
「そして熊本城、名古屋城、広島城もね」
「それぞれだよね」
「天守閣は初代じゃないから」
「それぞれ戦争で初代の天守閣はなくなってるね」
「それで二代目だったりするんだ」
「そうだったね」
「大阪城は三代目だよ」
 このお城はというのです。
「秀吉さんのお城は大坂の陣で焼けてね」
「お城自体がなくなったしね」
「それで天守閣も焼け落ちたんだ」
 黒と金色の見事な天守閣がというのです。
「それで後で徳川幕府がもう一度築城してね」
「天守閣もだね」
「そうしたけれど落雷を受けて」
 その二代目の天守閣がというのです。
「そうしてね」
「また焼け落ちてだね」
「当時は避雷針とかなかったからね」
 そのせいでというのです。 
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