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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第四幕その十二

 皆で頑張ってでした、そのうえで。 
 姫路城に行く準備にも入りました、そして先生はお家に帰るとトミーが買ってきたたこ焼きをお酒のあてにしていましたが。
 そのたこ焼きを食べつつです、こうも言ったのでした。
「たこ焼きはいいね」
「うん、蛸をそうして食べるとかね」
「面白いよね」
「しかも物凄く美味しいしね」
「はふはふしながら食べるんだよね」
「お酒にも合うし」
「素敵だよね」
「僕もそう思うよ、日本というか」
 先生はたこ焼きを食べつつ言いました。
「大阪から生まれた素敵な味だね」
「全くだね」
「こうした味もあるんだね」
「イギリスじゃ蛸自体まず食べないけれど」
「日本、特に大阪は違うね」
「こうして普通に食べられるからね」
「しかも美味しくね。泉鏡花は食べなかったけれど」
 蛸自体をです。
「たこ焼きは知らなかったのかもね」
「結構新しい食べものらしいし」
「お好み焼きにしても」
「東京には伝わってなかったでしょうね、あっても」
「金沢でもね」
「あの人は尾崎紅葉の弟子になってからずっと東京にいたけれど」
 それでもというのです。
「たこ焼きは知らなかっただろうしね」
「それにだね」
「蛸自体をだね」
「食べなかった」
「そうだね」
「だからね」
 それでというのです。
「こんな美味しいものを食べなかったことは残念だよ」
「それはそうだね」
「こんなに美味しいのに」
「お酒にも合うのにね」
「そう思うよ」
 先生は焼酎、ロックのそれを飲みつつ言いました。
「あの時代は冷凍技術もなかったけれど」
「だから余計に注意していたんだね」
「何でも火を通していた」
「それで変な形のものも食べなかった」
「注意してだね」
「蛸とかは形が好きじゃなかったみたいだけれどね」
 たこ焼きはかなりあります、それで先生も皆もどんどん食べています。
「それでもね」
「蛸を食べなかったっていうのは」
「どうにも残念ね」
「特にたこ焼きについては」
「そうよね」
「こんな美味しいものをね」
 先生はたこ焼きを食べつつ言いました、その後で明石焼きも食べて蛸を満喫するのでした。その美味しい味を。 
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