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魔道戦記リリカルなのはANSUR~Last codE~

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Epica41-Aモルゲンデメルング艦隊攻略戦~Herrscher des Ozean~

 
前書き
モルゲンデメルング/夜明け
Herrscher des Ozeans/ヘルシャー・デス・オツェアーン/大海の支配者 

 
†††Sideはやて†††

ミッド東部アクアベール海に、最後の大隊所有の艦隊が出現した。その一報を受けた私とアインスは、搭乗艦であるヴォルフラムでミッドへと降下。すでに現場に到着している海上警備部捜査指令であるハルトマン一佐のリュッチェンスと合流を果たすべく、全速にてミッドの空を航行中や。

「こちらヴォルフラム艦長、はやてです! ハルトマン捜査指令、あと5分ほどで現着します!」

『了解しました。おそらく交戦映像をご覧かと思いますが、艦隊には魔法やスキルとは別の防御機構が備えられており、艦載砲や大火力魔法が通じません』

ハルトマン司令の言うように、ミッドへの降下中にも戦闘区域の映像を観てた。リュッチェンスの艦載砲も、シグナムとアギトの大火力攻撃も通じず、しかもバリアは何重にも張られてる所為で本体までは届かへん。それにガジェットⅡ型の発展型らしき機影もある。

『教会騎士団にも協力を要請しようか迷いましたが、現在の両組織の隔たりを考えてやめました。八神司令には、その・・・騎士団のご友人がいましたよね? その方たちとは連絡を取れませんか?』

私とアインスは顔を見合わせて、ルシル君たちが今なにをしてるかを伝えるかどうかを目線だけで会話。そして「今、セインテスト一尉が大隊の拠点に潜入中です」と隠すことなく伝えた。ハルトマン司令が大隊に拉致されて偽者と入れ替わってるかも知れへんってゆう心配もあったけど、この現場で部隊を指揮して、大隊と戦ってる以上は味方やと思ってええはずや。

「そしてもう1つ。これは推測ですが、艦隊が発射しているミサイルの行き先は、オランジェ・ロドデンドロンの元でしょう。騎士イリス達を殺害すると公表とした大隊との戦場へ飛んでいると思われます・・・」

「なんと・・・!」

私やアインスの言葉に驚くハルトマン司令。私の部下のスタッフ(みんな)も息を飲んだんが判った。主力との交戦に加えてミサイルの襲撃。シャルちゃん達は苦戦してるかも知れへん。けど信じるしか出来ひんのが辛いところや。

「詳しい事情を話している時間はありませんが、最後の大隊との決戦はすでに始まってます。セインテスト一尉は必ず敵拠点を陥落させ、騎士イリス達は自分たちを殺害しに来た大隊の主力級を返り討ちにします。なら私たちは、大隊の兵器を叩くのみです!」

管理局(わたしたち)の仕事は、今後も脅威になる可能性が高い艦隊の撃沈。それだけでルシル君たちの助けになるはずや。そのために今はこれから始まる艦隊戦の用意や。

『判りました。そういうことでしたら管理局の一員としての勤めを果たしましょう。シグナム一尉への指揮権はこれより八神司令に委譲します。では、ヴォルフラムの合流をお待ちしています』

ハルトマン司令との通信が切れ、モニターにはまた戦闘区域の映像が流れる。ミサイル艦からの弾道ミサイルの発射も途切れ始めた。ミサイル発射にはバリアを一旦解除せなアカンみたいやからな。その隙を突かれて艦隊に致命ダメージを受けるような真似は出来ひんわけや。

「ルシルやフィレスにセレス、シャルやルミナのような魔術やスキルでないと難しそうですね」

「そうやね。アインスはどうや? 以前遭遇した戦艦のバリアのように砕けへん?」

マフィアが所有してた戦艦のトドメまでいけへんかったけど、あともうちょいまでは追い詰めることは出来てた。あの戦い方と同じようにすればなんとか出来そうな気もする。

「不可能ではないと思いますが私はバリアの破壊に手一杯になり、本体への攻撃は疎かになってしまいます」

「バリアを砕いたところで本体を叩けへんかったら意味はない、か」

「はい。ミサイル発射時にバリアが解除される際、シグナム達が艦体に攻撃を加えても致命ダメージを与えられないところを見れば火力不足かと」

「むぅ・・・。やっぱり私たち以外にも援軍が必要かぁ~。新しい援軍が来るまでは、私たちだけで頑張るしかないな」

「はい」

そうしてヴォルフラムは現着して、降下ハッチで待機してるアインスから『ヴォルフラム警備隊、出撃します!』連絡が入る。アインスと、ヴォルフラム付きの警備隊員15名が、開ききったハッチから飛び降りた。

「八神司令! リインフォースⅡ司令補を乗せたヘリから通信です!」

「繋いで!」

『八神司令! これより八神リインフォースⅡ司令補、それと・・・』

『八神シャマル医務官、八神ザフィーラが合流します!』

「ええ!? シャマル、ザフィーラ!?」

展開されたモニターに映ったリインの隣に姿を見せたのは、休暇中のシャマル、それにザフィーラやった。

『医務官として本戦闘への参加を本局が募っていたので、ザフィーラ共々参加しました。私はリュッチェンスで医療に従事し、ザフィーラは遊撃戦力として出撃します』

そう話してくれたシャマルに「おおきに! 負傷者は任せた! リイン、ザフィーラ、空で逢おう!」敬礼返し。艦長席から立った私はブリッジスタッフのみんなに「魔導砲アウグストをスタンバイ。中央の艦をターゲット」指示を出して、騎士服に変身しながら艦長席の後ろに設けられてる1人用のトランスポートへと向かう。

「ではいってきます!」

「「「「「お気を付けて!」」」」」

トランスポートを使ってヴォルフラムの外へと一瞬で移動すると同時に飛行魔法スレイプニールを発動して、同じようにヘリから飛び出してた「リイン! ザフィーラ!」の元へ向かう。

「はやてちゃん!」

リインと頷き合って「ユニゾン・イン!」を果たす。アインス達もすでにガジェットⅡ型と交戦に入ってるから、「行くよ、リイン!」のんびりも出来ひん。

『はいです!』

「ザフィーラも頼むわ!」

「承知!」

あらゆる艦の艦載砲から魔力弾幕や魔力砲撃が発射されて、航空隊員の接近を拒み続けるその様はまるで海上の要塞。そんな戦場へと私たちも入った。全体通信で「こちら八神はやて二等陸佐! これより参戦します!」と伝えると、『はいっ!』力強い返答をくれた。

「まずは邪魔なガジェットの掃除からやな。リイン! フレースヴェルグいくよ!」

『はいです!』

「来よ、白銀の風、天よりそそぐ矢羽となれ・・・!」

選択した魔法は、超長距離砲撃フレースヴェルグ。“夜天の書”666ページの内、フレースヴェルグの術式が書き記されたページを開けて、呪文の詠唱を終える。出力を絞れば周囲の隊員たちを巻き込まずにガジェットだけを撃墜する精密狙撃が出来る、現状で一番使える魔法や。

『射線上およびガジェット周辺に味方無し! いけます!』

足元と前面にベルカ魔法陣を展開して、ガジェットの撃墜に動いてる全隊員たちに、「ガジェットの側から離脱お願いします!」全体通信で通達。了解、との返答と同時にガジェットから離れてく隊員たちをしっかり確認して・・・

「フレースヴェルグ!」

砲撃の連射を開始。狙うのは直径8kmのこの空域を悠々と飛んでるガジェット。砲撃はガジェットを1機、また1機と撃墜してく。そやけど空母からは新しいガジェットが次々と離陸してくる。空母は地球で見慣れたデザインやけど、一回りほど大きい。ガジェットを何十機と収めててもおかしない。

「にしても、また厄介な兵装やな・・・!」

ガジェットの機首両側に設けられてる銃身からの魔力弾。戦艦11隻からの艦載砲と同じ、直撃を受けるとバインドで拘束される。

『はい。肉体的なダメージは無いにしても、何十mって空から海に落ちれば確実に激突死です』

バインド弾を受けた隊員は、無事な隊員のフォローでリュッチェンスに着艦することで墜落は免れてる。そやけど復帰までがかなり掛かってるようや。シグナムの2213航空隊の他に4つの航空隊が、最初から艦隊と交戦してるって話は受けてる。1部隊15名の航空隊が5つ。総勢75名が空に居らなおかしいのに、見えるだけで30名ばかりしか居らへん。リュッチェンスの警備隊員も8人くらいしか確認できひん。

「ヴォルフラム警備隊は、私の撃ち漏らしたガジェットの追撃を!」

ガジェットの飛行能力は、プライソン戦役に投入されたものと比べるまでもなく進化してる。砲撃を躱したガジェットを部下に任せて、新しいガジェットの撃墜に集中する。

†††Sideはやて⇒なのは†††

「フェイトちゃん、大丈夫?」

「うん・・・大丈夫」

偽アリシアちゃんの身柄を本局捜査部に、そしてヴィヴィオ達をリアンシェルト少将に預け終えた私とフェイトちゃんは、ミッドに降りるためのトランスポートホールへと向かっていた。その最中、アリシアちゃんが偽者と入れ替わり、大隊に情報を流していたことにショックを受けてるフェイトちゃんを気遣った。

「気を失っていて会話も出来なかったけど・・・入れ替わってたことに全然気付けなかった」

一番近くで一緒に過ごしていた妹のフェイトちゃんですら気付けなかった。それほど完璧な偽者を用意できる大隊には恐怖しかない。

「フェイトちゃんもやっぱり残った方が・・・」

「ううん。行くよ。はやてが言ってたでしょ。ルシルが今、大隊の拠点に潜入しているって。拉致されたアリシア、それにアリサ達が居るはずだって」

はやてちゃんとアインスさんから聞いたヴィヴィオ囮作戦の真実。私やフェイトちゃん、それに偽アリシアちゃんは、ヴィヴィオを囮にしてわざと拉致させて、ヴィヴィオが身に付けていた発信機能付きミサンガから拠点の場所を割り出す・・・ってことを聞かされてた。

(でもまさか、ルシル君がヴィヴィオに変装して自分を拉致させる、なんて・・・)

だけどそのおかげでルシル君は、大隊の一員だったフィヨルツェンさんの手によって拉致されて、今頃は拠点で大暴れ中かも知れないし、アリサちゃん達を救出してるかも知れない。ルシル君の強さと凄さを知ってるからこそフェイトちゃんは「ルシルを信じているから」不安そうな表情を消して、いつものキリッとした格好いい仕事顔を浮かべた。

「・・・そうだね。ルシル君ならきっと、みんなを助けてくれるよね!」

「うんっ!」

フェイトちゃんと笑顔で頷き合ってると、『高町なのは教導官、フェイト・T・ハラオウン執務官。リアンシェルト』です』って通信が入った。モニターに映ってるのはリアンシェルト少将だけど、ヴィヴィオ達の姿は無い。だからヴィヴィオ達に何かあったんじゃないか、って一気に不安になったけど・・・。

『第零技術部に協力を要請しました。彼女たちと合流し、第零技術部保有のLS級艦ベルリネッタでミッドへ降下。大隊艦隊との交戦に入ってください』

有無を言わさないようなリアンシェルト少将の指示に私とフェイトちゃんは「了解です」と応じるしかなく。トランスポートホールへと進んでいた私たちは、すずかちゃんたち第零技術部――スカラボ(この愛称はチーム海鳴の間で今でも使われてる)の艦ベルリネッタが停泊している艦船ドックへと進路変更。

「はやてちゃんのヴォルフラムはすでに発ってるみたいだし、早くしないと」

艦船ドックへ続く通路を駆け抜け、各艦船への搭乗トランスポートが集まるホールに到着するとそこには「すずかちゃん!」や、シスターズのトーレさんとクアットロさんとセッテさんの4人が居た。

「なのはちゃん、フェイトちゃん! いらっしゃい、待ってたよ」

「後はお前たちだけだぞ」

「「あ、はい!」」

「ウーノ姉様ぁ、出撃メンバーが揃いましたぁ~。これより搭乗しますのでベルリネッタの操作お願いしますぅ~」

『ええ、判ったわ。それではトランスポートで艦内に転送します』

クアットロさんがモニターを展開して、ウーノさんにそうお願いした。その様子に私はすずかちゃんに「ウーノさんやドゥーエさんはもう中に?」って聞いてみた。

「うん。2人はベルリネッタのブリッジスタッフなんだ」

すずかちゃんが言うには、ベルリネッタは武装を積んでないから火気管制スタッフは必要なくて操艦もほとんど自動だから、ウーノさんとドゥーエさんの2人だけでも十分に運用できるとのこと。

「ウーノ。全メンバー搭乗完了。管制室からの出航許可が下りたら、全速でミッドへと向かって」

『了解です。・・・すずか、管制室より出航許可が下りました。これよりベルリネッタは、ミッドチルダ東部アクアベール海へと向かいます』

ウーノさんからの報告も終わり、私たちはトランスポート室から少し離れた、空戦の練習が出来そうなほどに広く大きな部屋に通された。アースラのようなL級くらいの広さなら判るけど、LS級には設けられないはずだけど・・・。

「ベルリネッタは移動開発室であり試験場でもあるからね。長期航行もないし部隊運用もないから、食堂なんかの生活区画も限界まで小さく出来たの。その分こういう試験場や、開発室や資材倉庫なんかに割けれたんだ~」

そう言って笑うすずかちゃんが手元に操作盤モニターを展開して、何かの操作を始めたところで「よう、なのは、フェイト」声を掛けられた。振り返れば「ヴィータちゃん!」が、よっ、て手を挙げて別のドアから出て来てた。

「ヴィータも、リアンシェルト少将に?」

「おう。リアンシェルトからっつうのが気に入らねぇけど、はやてとリインとアインス、それにシグナムやアギト、今日は非番だったシャマルやザフィーラまで出張ってるって聞かされたら行くっきゃねぇだろ」

ルシル君とアイリを除くチーム八神が揃ってるんだ。家族が待ってるんだからヴィータちゃんだって居ても立ってもいられないよね。私が微笑ましくヴィータちゃんを眺めてると、「んだよ?」ってジト目で睨んできた。

「ううん、なんでも! ところでどこに居たの?」

「んあ? あー、出航まで暇だったからちょっと見学をな」

LS級艦は私も今日初めて乗艦したし、ちょっと内装とか設備とか気になってたりする。はやてちゃんのヴォルフラムもLS級だけど乗艦できる理由が無いし。

「ところで、すずか。第零技術部がどうして出撃を?」

「あ、うん。フェイトちゃん達、それに私たちは、この武装端末を装備して艦隊の撃沈をすることになる」

すずかちゃんが最後にキーを打つと、訓練場の奥にある両側に開くスライドドアが開いた。ドアから出て来たのは大きな立てかけ台が5台と、ソレを押すドラム缶・・・じゃない、2本のアームとキャスター付きの自動お掃除メカ・弐式が5機。

「「あ・・・!」」

立てかけ台に掛けられている物を見て私とヴィータちゃんが声を出した。私とヴィータちゃん・・・というか教導隊は、武装端末というものを知っていた。というより使ったこともある。

「? なのはとヴィータはコレのこと知っているの?」

「あ、うん」「まあな」

「3ヵ月前くらい前に教導隊の人たちにテストしてもらったの。対AMF兵装、Anti-Interference Armament、AIFAシリーズ。元はドクターが、プライソンの造った兵器の装甲やAMFに対抗するために設計していたものを、私たちで発掘して急ピッチで開発したものだよ」

「今世間を騒がせている大隊の艦隊も、プライソンが遺した負の遺産のようだからな」

「はい。ドクターの遺志のためにも完成させて、今度こそ遺産すべてをこの世から消し去ります」

すずかちゃん達が遠い目をした。ドクター、ジェイル・スカリエッティ少将のことを思い起こしてるんだって察したから、私たちは口を噤んだ。今声を掛けるのは待った方がいいと思って・・・。

「あ、でね。フェイトちゃんとトーレは、このストライクカノンを装備してもらうね」

大剣のような長大な砲身を持つ“ストライクカノン”。砲身が閉じてる間は突撃槍や大剣として扱えるから、接近戦を挑まれても対処が出来る。開いてる時はレールガンみたく物質弾の加速レールとして使えるし、魔力じゃないエネルギー砲も放てる優れもの。

「フェイト。ストライクカノンのシステムを説明しておく。来てくれ」

「あ、はい!」

トーレさんが“ストライクカノン”1基を軽々持ち上げると、フェイトちゃんも1基を手に取って持ち上げようとしたけど「重っ・・・!?」って驚きを見せた。

「あ、フェイトちゃん気を付けてね。デバイスと違って内部機構がいろいろと詰め込んであるからかなり重いよ。トーレ、慣性コントロールシステムの立ち上げを」

トーレさんの教え通りに慣性コントロールシステムを立ち上げることで“ストライクカノン”を持ち上げることが出来て、トーレさんはフェイトちゃんを伴って少し離れたところへ移動した。

「ヴィータちゃんは、このウォーハンマーね」

「おお! ハンマー型じゃねぇかよ! さっきから気になってたんだよな!」

「あはは! セッテもこのウォーハンマーでの出撃だから、ヴィータちゃんにいろいろと教えてあげて」

「判りました。ヴィータ教導官、ウォーハンマーを持ってこちらへ」

「おうよ!」

セッテさんとヴィータちゃんも“ウォーハンマー”の慣性コントロールシステムを立ち上げてから軽々持ち上げた。そしてフェイトちゃん達とはまた別の方へと向かった。

「そして私となのはちゃんはコレ、フォートレスを装備した上でのストライクカノンになるけど・・・」

背中から膝裏にかけて背負うようなメインユニットに、両腰の飛行制御ユニット、そして3枚の多目的盾という兵装一式の“フォートレス”。以前のテストの時は盾は2枚だったけど、1枚増えたんだね。

「大丈夫だよ、すずかちゃん。さ、今回のフォートレスの仕様を教えて」

「あ、うん!」

私はすずかちゃんから、フェイトちゃんはトーレさんから、ヴィータちゃんはセッテさんから、それぞれ武装端末の仕様や使用方法を細かく教わった。

「作戦なんだけど、あ・・・作戦と呼べるほどのものじゃないけど、私となのはちゃんは固定砲台としてフォートレスとストライクカノンで砲撃。フェイトちゃんとトーレは遊撃砲台として、私となのはちゃんの砲撃の着弾点を追撃。ヴィータちゃんとセッテは、砲撃の合間の繋ぎとしての打撃要因・・・。教導官のなのはちゃんとヴィータちゃん、執務官のフェイトちゃん、何か異見はあるかな?」

「私は無いよ」

「あたしもだ」

「うん、私も同じく無し。現場にははやてちゃん達が居るし、戦力は十分だと思う」

「私もシルバーカーテンでサポートしますよぉ♪」

シャルちゃん達もどこかで大隊と戦ってる。ここが踏ん張りどころだ。

「最後に。AIFAシリーズはその仕様上バッテリー駆動で、消費も激しい。だから降下ハッチ室に換えのバッテリーを用意しておくから、バッテリー切れを起こしたら帰艦してね。あと、未だに試作段階ということもあって連続使用による弊害が起きないとも限らない。その時は帰還せずにそのまま兵装を廃棄してもいいからね。兵装はまた造れるけど、みんなの命に代えは無いんだから」

すずかちゃん達が頑張って造ってきた物だからそんな真似はしたくないけど、すずかちゃんの気持ちを無視するわけにはいかない。だから私たちは「うんっ!」力強く頷いた。そして私たちは、ミッドに到着するまでの間に出来る事を全てやっておくため、何度もバッテリー交換などの練習を行った。

『こちらブリッジ。ミッド大気圏外への突入を開始します』

『降下ハッチ室に移動してちょうだい』

ブリッジのウーノさんとドゥーエさんからの報告に私たちは頷き合って、出撃に備えるために試験場を後にした。 
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