魔法少女リリカルなのは~とある4人の転生者~
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第2話 有識者は斯くも語れり
「じゃ、行ってきます!」
「お昼までには帰ってきてね!」
「ハーイ!」
ちぃさんの声を背に家を出て裏山を目指して走り出す。昨日、ファースト…南海海斗から得た情報を元に自分で鍛錬することにしたのだ。
「にしても、たまげたなぁ」
昨日海斗から聞いた話はまさにその一言に尽きる物だった。
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「で、改まって何が聞きたいんさ?」
「そうだな、まずはこの世界の概要について教えて欲しい」
「本当に知らないんさね。まず、この世界はウチらのいた世界では空想の産物…アニメの中の世界さ」
「アニメねぇ…まあ、この際そんなことはいいか」
「そうだね。むしろどうなっていくかが知りたいね」
「む、まあ、さっきいた女の子が主人公である“高町なのは”さ。彼女が魔法と会ってからこの町で起こる事件を解決していくバトルあり涙ありの物語なんさ」
「ふむ、して事件とは?」
「ジュエルシードっていうロストロギア…使いようによっては危ない物さ。が、この町に落ちてきてソレのせいで事件が起こってソレを回収する物語さ」
「なるほど」
危ないもんが降ってきて事件が起こるのか。勘弁して欲しいな。
「で、あとこの世界における魔法ってどういうものなんだ?」
「この世界にはそこらへんに魔力素っていう魔力の原油みたいなもんがそこらじゅうにあるんさ」
といって海斗は両手を広げてみせる。
「そしてソレを精製して魔力にするのが魔導師が体内に持っているリンカーコアっていう体内機能さ。ようは、魔力を作り出すための臓器の分体のパーツが増えたようなもんさ」
「なるほど」
ちゃんとした仕組みがあるんだなこの世界の魔法。MPとか言われたらどうしようかと思ったぞ。
「もう一つ聞いておきたいんだけど、変換資質って何?」
「変換資質っていうのは魔法を介さずに炎を出したり出来る資質さ。普通は炎を出す魔法を使って炎を出したりするけど、資質持ちは魔法を使わずに魔力を変えられるさ。知っているので、炎熱と電気と氷結とかがあるさ」
「ふ~ん、そんな便利なもんがあるのか。てか、ハル唐突にそんなこと聞いてどうしたんだ?」
「じつは、君が行った後に僕も能力をもらったんだけど、その時ランダムで引いたものが“5属性変換資質”って言うのだったんだよ」
「五属性も!?それはすごいさ。俺なんか結界と魔力と肉体くらいさ。そういえば2人ともどんな能力なんさ?」
話題がそっちに行った所為か海斗は俺たちの能力に興味が行ったようだ。教えてもらいっぱなしじゃ割に合わないし教えておくか。
「俺は、最強の肉体と、幻術、魔力だな。肉体は若干認識できてるくらいで、幻術は前に使っておかしなことになったから今は使ってないな。魔力に関してはさっき話を聞くまで分からなかったから手をつけてない」
「僕は、技術力と5属性変換資質と魔力だね。技術力は今、実践中だよ。あとはサクヤと同じような感じかな?」
「2人ともまだ能力になれてないさ?」
「まあ、そうなるな。そういうお前さんはどうなんだよ?」
「俺は今使ってるさ。音漏れ防止結界さ」
「ああ、さっきのアレか」
現在ちぃさんがベンチに座ってコッチを見ているが音が聞こえていないようだ。さっき説明を始める前にこいつが何かしたのは分かったがこれが能力だったってわけか。
「そういや、ハル。お前もなんか実践中って言ってたな。なにしてんだ?」
「ふふ、それはね…」
「それは?」
ハルの奴何故溜める。何か道具でも作ってんのか。タケコ〇ターとか?
「なんと、秘密基地を造っている最中なのさ!」
「すげぇさ!」
「ああ、予想の遥か上を行きやがった」
タ〇コプターどころじゃなかった。作るどころか造るとかの規模だった。
「完成したら2人を案内するよ。楽しみにしててね」
「ああ。なんか助けが必要だったら呼んでくれ。手伝うから」
「楽しみにしてるさ」
うむ、正直すごい楽しみだ。
「それはさておき、海斗。魔法関係でなにかいい練習法ないか?」
「え、ああ。ほら、お前らもあったさ?チュートリアルっぽいの。こういう動作すれば何回でも出てくるさ」
左手を振る動作を繰り返す。ソレを真似てやってみると…おお、
「出た」
空中にいきなり画面が出てきた。『必読・幻術論~入門編~』と表示されている。
「それに従ってやるさ。そうすれば大体の使い方はバッチシさ」
「明日からでもはじめるとするか」
「だね」
「ああ、一つ注意があるさ。絶対に人目につかないところでやることさ?特にさっきの奴に見つかるとすごい面倒さ」
「それに関してはよく分かってる。変に人目につくところではやらないっての」
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「ま、裏山なら鍛錬にはもってこいだろ」
裏山には神社があるだけなので多分人が来ることは滅多に無いだろう。来たとしても気配感知でわかるだろうし。
しかし、この時の俺はあるいくつかの見落としをしていた。
1つ、前世で身近にあった神社が寂れていたせいでどこの神社も有名どころ以外はどこもそんな感じだと思っていたこと。
2つ、この世界には俺らのような特殊な力を持つ人間が他にも存在しうること。
数時間後俺はその認識の甘さを思い知ることになるのだが、この時はまだそんなこと思いもしなかった。
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