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ある晴れた日に

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328部分:その日からその二十四


その日からその二十四

「それも子供の頃からね」
「やってきているんだな」
「時間があればいつもしてるわ」
 そしてそれは今でもなのだった。
「同じ迷路を何回も解いたりもするし」
「本当に好きなんだな、迷路が」
「子供の頃に言われたの」
 その子供の頃の話が続く。
「迷路って人生と同じだって」
「人生と同じか」
「そうなの。最初に迷路の本を買ってもらって」
 話はそこまで至るのだった。かなり遡っている。
「その時にね。お父さんとお母さんに言われたのよ」
「人生は迷路だってか」
「ええ。そう言われたのよ」
 このことを正道に話した。
「それでずっとね」
「迷路を解いてきたんだな」
「その時また言われたの」
 未晴の話は続く。
「迷路は必ず出口があるって」
「出口が?」
「そう、出口がね。あるって」
 こう正道に話すのだった。
「迷路には必ず出口があるって」
「つまり人生にもってことだよな」
「ええ、そうなの」
 やはりそういうことだった。
「答えがあるから。迷っても困っても焦らずに少しずつでも進めばいいって」
「こうやって慎重にだよな」
「そうなの。だからずっと迷路解いてるの」
 だからなのだと話す。
「今もね」
「人生は迷路か」
「出口が必ずある迷路だって」
「そうかもな」
 正道も未晴のその言葉に頷いた。頷きながら慎重に先に進み続けている。
「何でも解決できないことってないよな」
「ええ」
 二人はさらに迷路の中を進みながら話していく。
「それはね。ないわ」
「何でも解決できるのか」
「私はそう教えてもらったし」
 未晴はまた言うのだった。
「それにそう思うわ」
「そうだよな。俺今までそんなことはな」
 正道は少し考えてからまた述べた。
「そんなことは全く考えてこなかった」
「そうだったの」
「解決できるとかできないとかな。考えたこともなかった」
 このことを話す正道だった。その右手には考える顔になっている彼がいた。
「全くな。けれど今ので」
「変わったの?」
「何でも解決できるか」
「時間がかかったり難しいこともあるけれどね」
「けれど解決できるんだな」
 このことを確かめるようにまた未晴に尋ねてきた。
「何でも」
「そうよ。何でもね」
 未晴はまたこのことを話した。
「解決できるわ」
「わかったさ。じゃあ俺も言うか」
 正道はふと自分のことも話してきた。
「俺も。今まで色々と曲作ってきたけれどな」
「ええ」
「それでも途中で投げ出したことはないんだよ」
 このことを未晴に告げたのだ。
「一曲もな」
「全部最後まで作ってるのね」
「作詞も作曲もな」
 両方共それをするのが彼だった。彼にしろれっきとしたポリシーというものがあるのだ。そして彼は今それを未晴に対して話すのだった。
 
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