ある晴れた日に
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322部分:その日からその十八
その日からその十八
「私迷路好きなのよ」
「そうか。じゃあいいな」
「ええ。じゃあ次は迷路で」
その明るい笑顔で言葉を続ける。
「行きましょう。それでね」
「ああ、決まりだな」
「それでだけれど」
未晴は目を細めさせたままさらに言ってきた。
「少しお腹空かない?」
「ああ、そういえばな」
話をしているうちにだった。正道はこのことに気付いたのだった。
「今まで結構歩いてるしな」
「だからよ。何か食べましょう」
また言う未晴だった。
「お昼にはまだ早いからクレープでもどう?」
「いいな。ここのクレープ結構評判だしな」
「そうよね。じゃあそれでね」
「そうだな。決まりだな」
また笑顔で言う正道だった。
「クレープでお昼までもたすか」
「ええ、それでね」
話が決まったのだった。二人はコーヒーカップが終わるとクレープを食べることにしたのだった。未晴はそのうえでまた彼に言ってきた。
「いいわよね。それでどのクレープにしようかしら」
「俺はバナナチョコだな」
少し考えてから述べた言葉だ。
「それを頼むか」
「そう、チョコバナナなのね」
「ああ、それな」
これを食べたいというのだった。
「それでおたくはどうするんだ?」
「そうね。じゃあ私も」
未晴も少し考えてからそのうえで正道に対して頷くのだった。
「それでいいわ」
「他に食べたいのがあるんじゃないか?」
「いいえ」
今の正道の言葉には微笑んでそのうえで首を横に振って答えた。
「違うわ。それはね」
「そうか。それはないんだな」
「二人で一緒のものを食べるのがいいから」
だからだとも言うのだった。
「だからね。じゃあ二人で」
「ああ。食べるか」
こうしてコーヒーカップの後で二人でそのクレープ屋に向かった。クレープ屋は客が数人並んでいた。どうやら結構繁盛しているらしい。屋台の店の中には気のよさそうな青年がいて彼がクレープを一枚ずつ焼いている。
そしてその焼いた黄色いクレープの皮にクリームやフルーツを置いていっている。そうしてそのクレープを手早く巻いて客達に手渡していた。
「はい、どうぞ」
「有り難う」
丁度小さな女の子に手渡していた。そしてその小さな女の子は笑顔でそのクレープを食べている。そうしてすぐに二人の番となるのだった。
「何しますか?」
「チョコバナナな」
正道がその青年に継げるのだった。
「それを二つな」
「はい、チョコバナナですね」
「それな。頼むな」
「わかりました。それじゃあ」
こうしてそのチョコバナナを受け取るのだった。正道は受け取った二つのうちの一つをすぐに未晴に手渡した。そうしてそのうえで二人並んで歩きながら食べはじめるのだった。
「美味いな、このクレープ」
「ええ、確かに」
未晴はそのクレープを食べながら正道の言葉に頷いていた。クレープは白い紙に包まれ手を汚さないようにしていた。そのうえで話すのだった。
「美味しいわね。それに安かったし」
「そうだよな。かなり安かったな」
正道は値段についても納得していた。
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