| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

リュカ伝の外伝

作者:あちゃ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

男の幸せ③

<サラボナ-ルドマン邸-披露宴会場>

結婚式は滞りなく終了した。
参列客の幾人かは俺がやらかす事を期待していた様だが…期待を裏切ってやった!!
ザマミロ!!

俺の目の前ではヘンリーがエラソーに結婚について語っている。
相づちを打っているが聞き流す俺!
「………って、聞いてるのか、リュカ!!」
怒るヘンリー!

「聞いてませんでした。くどくどうるさいので」
「うるさいってお前…まぁ、いい…そんな事よりも!お前にビアンカさんを幸せに出来るのか?」
よけーなお世話だ!

「うっさいなぁ~…」
「お前なぁ~重要な事だぞ!!」
「ヘンリーさん。大丈夫です!私はリュカを不幸にしてでも幸せになってみせます!」
「ははは、なら安心だ」
何で安心なんだよ!

「そうです!!私の初恋の人を奪ったのですから、死んでも幸せになってもらいます!」
ちょっと!?
誰だよフローラに酒飲ませたのは!!?

「私だって初恋です!」
マリソル!?
火に油を注がないでほしいのだが…

「何ですか!?私なんかリュカのおかげで価値観が変わったんですよ!」
大袈裟だよ!
「サラボナから離れる事に不安を持っていた私に、世界の素晴らしさを教えてくれたんです!」
ちょっと何言ってんのこの娘!?

「私なんか人生を救われたんです!!」
マリソルさん!?
酔っ払いを刺激しないで!!

「リュカさんが居なかったら私も弟も餓死してました!リュカさんは私達の救世主です!」
話がでかくなってきた………
「さっすがリュー君!色んな人を救ってるのね!」
今の俺を救う人は居ないのですか?

「私も…レヌール城で救われたわ…」
「(クス)また懐かしい事を…」
「あの日、私の心は決まったの!リュカ以外の男性は好きにならないって!」
俺にとってレヌール城で一番記憶に残っている事と言えば、ソースまみれになった事だ!

「ソースまみれになった甲斐があったかな?」
「うん!バッチリよ!」
ヤバイ!ヤバイヤバイヤバイ!!!
可愛い!可愛い可愛い可愛い!!!
今すぐベットインしたいですぅ!!

「だからあげたのよ!」
え!?何を?処女の事?
「ちょっとリュカ!?憶えて無いの?アルカパで別れの間際にあげたじゃない!」
「え?何の事?アルカパで処女貰ったけ?」
「ち、違うわよ!!何でそう言う思考回路なの!!」

「じゃ何!?」
「パ、パンツ…よ…」
「パンツ?」
何?

「本当に憶えてないの!?リュカが欲しいって言ったのよ!」
「お前…そんな事言ったの?」
…………!!

「あぁ!!言った!言った言った!確かに言った!」
「馬鹿なの?お前…」
呆れるヘンリー。

「いや…だって…本当にくれるとは思わなかったんだ」
もう無くしちゃったから忘れてたよ。
すると突然、ワインボトルを片手にフローラが立ち上がり叫ぶ!
「私もパンツあげたんです!」
うん。皆さん唖然です。

「リュー君の初めての相手は私よ!」
人の悪い笑みを浮かべたフレアさんが、やはり立ち上がり叫ぶ!
この人、素面だよね!
何でこんな事叫べるの!?

「うるさい!私だってリュカの事が好きなんだ!!」
まさかのピエールがふらつきながら叫ぶ!
知ってたけど、今叫ぶ!?

ピエールのテーブルの上には、空になった酒のボトルが俺の歳の数以上転がっている。
どんだけ飲んだんだ!?
洒落にならない空気になってきた…
ヘンリーに助けを求めようと視線を向ける。
手を左右に振り、『ムリ!』とジェスチャーで答える。
頼りになる親友だ!!(怒)

「でも結婚したのは私よ!」
ビアンカが手にしていたワインを一気に飲み干し高らかと叫ぶ!
ビアンカ姉さん!アナタまでそう言う事言っちゃうの?
俺も弾けちゃうよ!
「愛人募集中です」
ドサマギです。
もう、そう言う場にしましょう。
言いたい事を言いましょう。

「「「お前は………」」」
ヘンリー、ヨシュアさん、ルドマンさんが声を揃えて怒ろうとするが…
「はーい!私、リュカさんの愛人になりまーす!」
マリソルの元気の良い発言に、言葉を失う。
もう、この後は大騒ぎです。
飲んで、歌って、叫んで、泣いて…



結婚して良かったと思います。



<サラボナ-ルドマン邸>

俺の目の前で、ビアンカが俺の手から何かを取ろうと藻掻いている。
「おはよう、ビアンカ…何してんの?」
「何って…パンツ返して」
どうやら俺が握り締めていたパンツが目当ての様だ。

「何で?」
「あのねぇ~もう日が高い位置にあるのよ!リュカはみんなを送り届けないといけないでしょ!」
気にする事ないのに…
「いいよ、待たせておけば…それよりパンツ穿く前に!」
そう言ってベットに押し倒す…第2ラウンド開始だ!



服を着たままも燃えるな!



<サラボナ>

一通り満足し(ビアンカはお疲れです)、町のカフェテラスへ赴くと参列客プラス旅の仲間達が、雁首揃えて昼食中だ。
「やぁ、みんな!おはよう」

俺はヘンリーの隣へ座り、来たばかりのパスタを勝手に食べる。
多分ヘンリーのだろう。空腹は最高の調味料だ。
「おはようじゃねぇー!何時だと思ってんだ!もう昼過ぎてんだぞ!」
相変わらずうるさいのはヘンリーだ!

「まーまー、アナタ落ち着いて下さい」
さすがマリアさんは優しいなぁ。
ヘンリーには勿体ないなぁ。

「リュー君。ビアンカちゃんは?」
「ビアンカならまだ寝てるよ」
パスタを食べながら答える。
ところでこれ、うめぇーな!

「お前昨晩ガンバりすぎなんだよ!」
新婚だぞ!
頑張っちゃうに決まってんだろ!!
「いやいや…朝は起きてたんだ。でもさっき第2ラウンドになっちゃって…」

「お前…俺達待たせて、何やってんだよ!」
「うん。ナニやってた」
聞く方が間違ってると思いませんか?
公明正大にエッチ出来る仲ですよ!
足腰立たなくなるまで頑張るに決まってるじゃないですか!

「さて!じゃぁ行きますか!」
ヘンリーのメシも食い終わったし、これ以上待たせたらヘンリー以外の人に悪いし、出発するとしましょう。



<山奥の村>

最初はダンカンさんを村まで送る。
村の入口で「私はここで良いから…他の皆さんを送ってあげなさい」って…
さすがはお義父さん。いい人だ。


<ラインハット>

次はゴチャゴチャとうるさい男を送ってやる。
これでも一応王族だしね。
「俺達もここで良いよ」
城の入り口で軽く別れを切り出すヘンリー。
「お前の旅も大変なのは分かるが、ビアンカさんを大事にしろよ!」
「僕が女の子を大切にしなかった事があるか!?」
「そう言う意味じゃ…まぁ、いい!じゃぁ、気を付けて…」
珍しく歯切れが悪い?何だろう?お腹空いてるのかな?



<海辺の修道院>

シスター・アンジェラを修道院に送り届ける。
修道長と2.3話をし、別れを告げると寂しそうなシスター・アンジェラの顔が伺える…
「アンジェラさん。僕の愛人になりたくなったら何時でも言って下さい!随時募集中ですから(笑)」
苦笑いではあったが、笑顔で別れる事が出来た。
今生の別れでは無いのだから、涙や寂しさは不要だ。



<サンタローズ>

元実家裏の父の墓標。
遺体も遺品も無い石を組み合わせただけの墓。
もし父さんが生きていて、ビアンカと結婚すると告げたら、どんな顔したのかな?

ビックリするかな?
納得するかな?
…反対はしないだろうな!

………両親が居ないって、こんなにも寂しい事なんだ…
イカン…悲しくなってきた…
ビアンカの元に帰って、心と暴れん坊将軍を慰めてもらお…


俺は丘の上の教会へ向かいフレアさんに挨拶を告げる。
「じゃ、新妻を待たせると怖いので帰ります。」
すると、潤んだ瞳のフレアさんが抱き付きキスをしてきた。
い、今はマズイですから…
俺の暴れ坊将軍が命令を下す!
ゴー・アタック!
ゴー・アタック!
ゴー・アタック!
将軍閣下には逆らえませんでした。



 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧