| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五十一話 お餅つきその十五

「それでそんなのなんだ、千里ちゃんは」
「そんなのっていいますと」
「よくわかったよ、じゃあ婦人会や女子青年の人達に聞いてね」
「付き合うことで」
「それでアドバイス貰ってね」
「そうすべきですか」
「うん、そうしてね」
 是非にというのです。
「そうしてね」
「いやあ、そうじゃないかって思ってましたけど」
 何故かここでほっとした笑顔になって言う阿波野君でした。
「よかったです」
「よかったって何がよ」
「先輩が誰ともお付き合いしたことなくて」
「何でそれが阿波野君にとっていいのよ」
「いや、僕もですから」
 だからだというのです。
「お互いまっさらな者同士ってことで」
「何がまっさらなの?」
「だから言うまでもないでしょ」
「私達だってわかるのに」
 妹達がまたしても左右から言ってきました。
「お姉ちゃんどれだけ疎いのよ」
「昔から変なところで鈍感なのよね」
「鈍感って」
 何が鈍感かわからないです。
「私そんなに鈍感?」
「あることについてはね」
「凄く鈍感じゃない」
「今実際にそうだし」
「どうしようもない位によ」
「これは阿波野君苦労しそうだね」
 大教会長さんの弟さんは笑って阿波野君に言いました。
「どんどん積極的にいかないとね」
「いっていいですか?」
「うん、ただしセクハラは駄目だよ」
「はい、僕も全力でいきます」
 阿波野君は大教会長さんの弟さんに満面の笑顔で答えました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧