ある晴れた日に
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274部分:空と海その七
空と海その七
「あれな。剃刀みたいな目をしたスナイパーもはいてるけれどな」
「もろに変態に見えるんだよな」
「だよな」
こう言って顔を顰めさせる男組だった。
「あと昔のホモ漫画とかでもあったけれどな」
「あれ見てたらトラウマになるしな」
「ブリーフは駄目だろ」
そしてこう結論付けられるのだった。
「あれだけはな」
「なあ」
「まあそれじゃなかったらいいけれどね」
女組もここでまたブリーフを否定した。
「それよりもよ。あんた達」
「お酒あるのよね」
話はスタイルや下着からそちらの方にシフトしてきた。
「それと食べ物は?」
「今加山が焼きそば焼いてるぜ」
「あとつまみも色々用意してるしな」
「いいじゃない、かなり」
「しかもビールもあるのよね」
「当たり前だろ」
ビールについては言うまでもないといった感じだった。
「海水浴にビールなくてどうするんだよ」
「まずはそれだよ」
「そうよね。やっぱりビールよね」
「じゃあ皆で飲んで」
女組もそれを受ける。こうしてまずは酒を飲むのだった。砂浜で車座になってそのうえで飲みだした。言うまでもなく焼きそばも一緒だ。
「やっぱりあれね」
「そうだよな」
皆そのビールと焼きそばの最高の組み合わせに舌鼓を打っている。
「この暑さがかえっていいよな」
「そうそう。暑い時はビール」
言いながらまたビールを飲む面々だった。
「それよね。よく冷やした」
「あとは。あれだよな」
春華はちらりと正道に目をやって皆に述べてきた。
「おい音無」
「だからその仇名で呼ぶなって言ってるだろうがよ」
「曲何ある?」
正道の抗議をよそにこう問うのだった。
「海でやるような曲よ。あるか?」
「チューブみたいなか」
正道は海でやるような曲と聞いてすぐにこのグループを思い出したのだった。
「ああいう感じでか?」
「別にチューブ自身でいいけれどよ」
春華はそれでもいいと言うのだった。
「それでもよ」
「オリジナルにするな」
だが正道はここでこだわりを見せるのだった。
「やっぱりな」
「意地ってやつかよ」
「ああ」
そして今度は坂上の言葉に頷く。
「そういうところだな」
「っていうかあたしそこまで言ったか?」
体育座りでビールを飲みながら言う春華だった。見れば今はビキニの上から半ズボンをはいている。これは女組全員であった。
「チューブ好きだから言ったんだけれどよ」
「俺もチューブは好きだ」
正道もこう述べはする。
「しかしな」
「しかし?」
「何よ」
「何だよ」
皆ここで突っ込みを入れてきた。
「やっぱりこだわりだよな」
「だからだよな」
「そうだ。結局はそれだけれどな」
言いながらギターに手をかけるのだった。しかしここでふと言うのだった。
「そういえば竹林は何処だ?」
「未晴?今ちょっと荷物探してるわよ」
「荷物って何だよ」
「まだ何かあったのかよ」
皆奈々瀬の今の言葉に顔を向けた。
「ってないよな」
「酒もビーチバレーのボールもあるしな」
「なあ」
「だからそういうのだけじゃなくて」
酒のことばかりなので少し辟易した声になる奈々瀬だった。
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