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ある晴れた日に

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272部分:空と海その五


空と海その五

「そういうのもたまにいるらしいわ」
「そうね。私もそういうのには出会ってないけれど」
 恵美もそうだった。
「出会ったらね。本当にたまったものじゃないわ」
「そうよね。まあ真面目な話はこれ位にして」
「ええ」
「ああ、そういえば君達」
 桐生がふと何かに気付いたように明日夢達に言う。
「もう着替えてきたの?」
「あっ、まだだけれど」
「これからだけれど」
 見ればまだ普段着のままであった。夏だから皆キャミソールやシャツ、半ズボンといった格好である。しかしまだ水着ではなかった。
「じゃあ早く着替えて来いって」
「もうこっちは楽しくやってるんだからな」
「そうね。それじゃあね」
「飲みましょう、早速ね」
「着替えてね」
 女組もとりあえず着替えに向かった。そうして水着になって出て来ると。まず皆から言われたのは静華と茜だった。
「なあ、御前結構以上に」
「胸大きいよな」
「だよな」
「そうでしょ。自慢なのよ」
 その静華も彼等の言葉に誇らしげに胸を張る。水色のビキニの中にその豊満な胸がある。大きいだけでなく張りもかなりのものだった。
「中学の時からね」
「それが羨ましいのよね」
 奈々瀬はその静華の横で項垂れていた。
「私なんてね。胸全然ないから」
 彼女は黒いワンピースだ。かなり大人しい格好である。
「静華と一緒にいたら目立つのよね」
「奈々瀬は足奇麗だからいいじゃない」
「だよな」
 凛と春華がそれぞれ言う。
「私なんか無駄に背が高いから」
「おめえは足奇麗だし全体的にいいじゃねえかよ」
 今度は春華が凛を見上げて口を尖らせた。元々尖っている口がさらに尖ってひょっとこを思わせるものにさえなっていた。
「うちなかも。胸だってよ」
「伊藤結構胸あるよな」
「なあ」
 しかし皆その彼女を見て言うのだった。
「しかも脚も奇麗だしな」
「っていうか六人の中じゃバランスいいよな」
「なあ」
「そうそう。春華ってスタイルいいのよ」
 咲はその春華の横で憮然としていた。凛は赤の競泳水着で春華は青と白のストライブのビキニだ。そして咲はオレンジの半ズボンタイプのビキニだった。
「咲なんか胸もないし背も低いしスタイルも」
「柳本もそんなに悪くないよな」
「っていうか水着似合うよな」
「なあ」
 またここで男組が言い合う。
「全然コンプレックス持つ必要ないだろ」
「だよな、全然な」
「背だって北乃より大きいしな」
 次に話が移ったのは明日夢であった。明日夢は白のビキニである。どういうわけかこの面々の水着はビキニの割合が多いようである。
「しかし北乃もなあ」
「胸はないけれどな」
「あんた達絶対に胸から入るわよね」
 明日夢は男組の言葉と視線から言った。
「そりゃ私も胸ないけれど」
「けれど形よくね?」
「だよな」
「そもそも見過ぎだし」
 とりあえずそれはいいとしているのだった。
「まあそれはいいけれど」
「スタイルは胸で決まらないよ」
 竹山の言葉は少し聞いただけでは静華と茜を否定するものだった。
「全体で決まるんだよ」
「全体ね」
「確かに胸も大事だよ」
 静華へのフォローも忘れはしない。
 
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