ある晴れた日に
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226部分:オレンジは花の香りその九
オレンジは花の香りその九
「それじゃあ今日は二人でね」
「お風呂にも入ってね」
「ベッドで仲良く寝て」
「っておい」
「それはマジでやばいでしょ」
二人の話を聞いた皆がすぐに突っ込みを入れた。
「お風呂とベッド一緒って」
「あんた達ひょっとして」
そしてそうした関係も疑うのだった。
「レズ!?」
「少年って凛だけじゃなかったの」
「レズじゃないから」
明日夢はすぐにそれを否定したのだった。
「それはね。ないわよ」
「一緒にお風呂に入って?」
「ベッドも一緒よね」
「子供の頃からだから」
明日夢は平気な顔で述べたのだった。
「それがそんなに怪しいの?」
「怪しくなくて何だっていうんだよ」
「そもそも凛とは?」
「私達そこまで怪しい?」
凛も自分の名前が出ていて気になっているようである。
「確かに仲はいいけれど」
「っていうか北乃って何かそういう感じするんだよな」
「だよな」
男組が言うのだった。
「ボーイッシュだから余計にな」
「そういうところあるんだよな」
「心外ね」
明日夢は彼等の話を聞いてむっとした顔になっていた。
「それって。レズじゃないから」
「じゃあ好きな男のタイプ誰よ」
「三浦大輔さん」
静華の問いにこう答える。
「駄目かしら」
「結構男らしいタイプ好き?」
「あと矢沢栄吉さんとか」
また静華の問いに答えての言葉だ。
「好きだけれど?」
「リーゼントが好きなのか?」
「そうじゃねえのか?」
男組は彼女の話を聞いてまた囁き合う。
「何かそんなんだよな」
「確かにな」
「ちゃんと好みのタイプはいるから」
明日夢はそこを強調してきた。
「恵美もそうだし」
「私は。そうね」
少し考えてから述べてきた。
「織田裕二さんとか。水嶋ヒロさんね」
「最初は渋くなってきたわね」
「だよな。青島ももう四十だからな」
皆恵美の趣味を聞いても言い合う。
「それ考えたらやっぱり」
「いや、両刀使いかも知れないぜ」
それでもまだ明日夢を疑うのだった。
「案外な。実はそういうわけで」
「少年も隅に置けないわね」
「じゃあ私もそうなるの?」
「私もなんだね」
凛と恵美がここで出て来た。
「それだと」
「そう言いたいのね」
「あっ、そういえばそうか?」
「それだと」
皆ここで二人のことにも気付いたのだった。
「北乃がレズで両刀使いだったら」
「そうなるか?」
「それ違うから」
「私と明日夢はただの幼馴染みだから」
恵美はクールであるがそれでも言うことは言っていた。
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