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レーヴァティン

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第百話 北部統一その九

「それでもな」
「やはりですね」
「特定の宗教に肩入れするとな」
「そこからですね」
「そんなことになると思ってな」
 それでというのだ。
「しないって決めてな」
「よかったですね」
「本当にな、それでな」
「宗教戦争はしたくなく」
「実際にしないぜ」
「そのお考えのお陰で、です」
「俺達は宗教戦争の要素はないな」
「それで戦わないで済んでいます」 
 紅葉は久志にこのことを話した。
「まことに、ですから」
「俺達は、か」
「宗教での束縛がない分戦争を避けられます」
「それはいいことだな」
「ですからこれからも」
「全部の宗教を認めていくか」
「それが悪質なカルト教団でもなければ」
 それでとだ、剛は述べた。
「いいね」
「そうだな。本当に宗教と政を分けてな」
「正解だったね」
「その分も戦争しなくて済んでるからな」
「宗教は攻める大義名分にはなるでござる」
 進太はその現実も話した。
「事実」
「それはそうだな」
「はい、ですが」
「十字軍とか見るとな」
「おぞましいことになるでござる」
「だよな、虐殺とかな」
「拙者戦ではでござる」
 進太は自分の戦への考えも話した。
「最低限の血で充分と考えているでござる」
「敵の軍勢とは戦ってもな」
「一般市民を狙い街や村を破壊するなぞ」
「論外だからな」
「宗教を大義名分にするとでござる」
「それも有り得るからな」
「イスラムではあまりないでござるが」
 ムハンマドもメッカを占領した時処刑したのは他宗教の神官達だけだった、そして征服の中でもイスラム教徒達は改宗の際の恩恵は出したが信仰が違う者達に対して進んで命を奪うことはしなかった。
「キリスト教を見ると」
「さっきから話してるけれど洒落になってねえからな」
「だからでござる」
「宗教を大義名分にするとな」
「旗印にはいいでござるが」
「血生臭くなるな」
「それに拙者達はもう大義名分を持っているでござる」
 政治的に都合よくとだ、進太は言葉の中にこの言葉を出さずに含ませてそのうえで久志に対して話した。
「既に」
「俺達はこの世界を救う救世主か」
「レーヴァティンがあるでござる」
 久志のその腰にある剣を見ての言葉だ。
「何よりの証拠が」
「これが最高の旗印か」
「そうでござる」
 その通りだとだ、進太は久志に答えさらに話した。
「そしてでござる」
「俺達全員がな」
「その救世主でござる」
「お前等十二人とな」
「東の島の方々もでござる」
「だよな、もう下手に宗教旗印にするよりもな」
「大きなものを持っているでござる」
 だからだというのだ。
「いいでござる」
「そういうことだよな」
「それで降る街や村も多いでござるから」
 久志達がこの島そして世界を救う救世主であるということを聞いてだ。 
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