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ある晴れた日に

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173部分:輝けダイアモンドその七


輝けダイアモンドその七

「マジであの二人」
「それはないわよ。凛はノーマルよ」
「そうか?」
「少年と仲良くなるのはいいけれどね」
「それでも仲良くなり過ぎだろ?」
「そうかしら」
「北乃っていえば柳本とも仲いいよな」
 正道はそのことも気付くのだった。考えてみれば明日夢は六人組とかなり仲がいい。
「そういえばな」
「そうかしら」
「仲がいいのはいいことだけれどな」
 それでもなのだった。
「けれどな。あれは幾ら何でもな」
「仲がよ過ぎるっていうの?」
「北乃ってあれなんだよ」
 彼はまた言った。
「あの顔のせいかな」
「可愛い顔してるわよね」
「まあな。そのせいか他の女の子と一緒にいるとどうしてもレズ臭くなるんだよ」
「それ本人には言わない方がいいわよ」
「言ったら殴られるしな」
 彼女がボクシング部のマネージャーでもあるのも有名な話である。おまけに運動神経もかなりのものなので戦闘能力もかなりのものなのだ。
「あいつあれで強いしな」
「そうみたいね」
「ボクサーと喧嘩する趣味はないっていうか俺は喧嘩はしないんだよ」
「暴力とか嫌いなの」
「興味ねえな」
 このことも隠すことはなかった。
「俺が興味あるっていったら音楽さ」
「やっぱりそれなのね」
「ああ。それにあいつに言うのもな」
 言葉をさらに続けてきた。
「まずいってわかってるしな」
「陰口もよくないわよ」
 未晴はそこも注意したのだった。
「それはね」
「今の俺のも陰口になるのか」
「少なくともレズとかそういうのはよくないわよ」
「そうだな。じゃあこういう話は止めておくか」
「陰口は言わないで悪口なら相手の正面から堂々とね」
 未晴は不意にこうしたことも言ってきた。
「そうじゃないと。悪いことを言うにしてもね」
「悪口は正面からかよ」
「そうお父さんとお母さんに言われたの」
「竹林の親父さん達ってそういうところ厳しいんだな」
「そうかも」
 彼女もそれは否定しなかった。
「そういうところ。色々と厳しかったから」
「そうか。らしいな」
「らしいって?」
「だからだよ。竹林の親父さん達らしいよ」
 今度の言葉はいささか微笑んだうえでの言葉だった。
「そういうこと教えるってな」
「ふうん。そうなのね」
「ああ。ところでな」
「ええ」
 話が少し変わってきた。
「これでまあ衣装とか道具とかはいけるようになったな」
「ええ、それはね」
 正道の今の言葉に頷いた未晴だった。
「これでね。いけるようになったわ」
「ああ。後は脚本と稽古だよな」
「他にもあるわよ」
「他にも!?」
 今の未晴の言葉に目をしばたかせる。
「まだ何かあったか?」
「あるわ。音橋君のお仕事よ」
「音楽か」
「そう、それよ」
 やはりこれだった。彼女が言うのはこれだった。
 
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