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レーヴァティン

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第九十九話 要塞攻略その一

               第九十九話  要塞攻略
 久志達は要塞の出方を待った、それは夜も同じでそれで彼等は要塞がどうするのかを観ていた。その夜にだった。
 淳二は軍議の場で自分のところに来た彼の部下の話を聞いてから久志達に対して明るい笑顔でこう言った。
「出て来たよ」
「今か」
「うん、そのうえでね」
「木を伐採しようとしているか」
「急に大軍が入ったせいかね」
 一万五千の彼等がというのだ。
「そのせいかね」
「燃料がなくなったか」
「そうみたいだね、だからね」
「木の伐採に出たか」
「そうみたいだよ」
「よし、じゃあな」
 それならとだ、久志は述べた。
「今からな」
「早速だね」
「仕掛けるか」
「そうするね」
「ああ、それでな」
「すぐにだね」
「要塞を攻め落としてな」
 そのうえでとだ、久志は淳二に答えた。
「トリノに向かおうな」
「そうしようね」
「じゃあ散兵に市民の服を着せるぜ」
 久志はその策について具体的に述べた。
「そしてな」
「そのうえでね」
「次だ」
「そうしましょう」
 双葉も笑顔で応えた。
「それで中にはね、散兵以外には」
「ああ、御前も入るんだな」
「そしてね」
「おいらも入ってね」
「私もです」
 淳二だけでなく紅葉も言ってきた。
「そうしてです」
「中から仕掛けていくよ」
「頼むな、それで俺達もな」 
 久志はあらためて述べた。
「外からな」
「仕掛けるね」
「そうする、そしてな」
「一気にだね」
「あの要塞陥落させるぜ」
「ここで立ち止まってると」
 どうかとだ、淳二は久志に話した。
「よくないからね」
「連中もそれわかっててだよな」
「要塞に入ってるからね」
 時間稼ぎ、それを狙ってだ。
「だったらね」
「敵の思惑に乗るのはな」
「今は癪だしね」
「敵の思惑に乗る場合はな」
「こっちにも思惑がある」
「その場合だからな」
 それ故にというのだ。
「今はな」
「うん、それには乗らないで」
「一気に攻めてやろうな」
「そうしてやろうね」
「大砲が届かなくてもな」
 それでもとだ、久志は言うのだった。
「攻め方はあるな」
「絶対に攻め落とせない城なんてないで」
 美奈代が言ってきた。
「それこそな」
「本当にそうだよな」
「そやからな」
「ここは、か」
「諦めへんでな」
「工夫ってことだな」
「早いうちに攻め落とさなあかんのな」
 それならというのだ。
「今回みたいな奇策もな」
「考えてみることだな」
「そして実行に移してな」
 いけると思えば、というのだ。 
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