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真・戦国天下御免~三勇恋姫戦記~

作者:西森
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葵の括!

最強決定戦本戦が進むなか、予選にてシュモク・シャークを倒された一因となった桃香を海獣海賊団のホージロ&ソー兄弟が拐い、戦いが始まろうとするなか

桃香の危機に仮面シャドーの世界にて主従契約を結んだグレートシャドーズの氷堂葵が駆けつけ

桃香&葵VSホージロ&ソーの戦いが始まろうとしていた。

桃香「何で戦闘力の低い私が戦わなきゃいけないの!?怖いよ〜!? 」

葵「桃香様… 」

仮面シャドーの世界の桃香も戦闘力は無いが三国志の世界にて一応国を治める王であるためそれなりに戦うという決意はあった。

だが葵の目の前にいる桃香は平和な現代を生き、自身が戦うことは滅多にないため性格は弱虫であった。

すると

ぽんっ!

葵は桃香の肩に手を置き

葵「安心してください桃香様、戦いは私が引き受けますので任せてください 」

桃香「葵さん… 」

葵の言葉を聞いてほっと安心する桃香であったが

桃香「でもそれって逆を言えば私が足手まといだから参戦するなって言ってるんだよね 」

葵「えぇっ!? 」

葵的にそんな気持ちはないのだが桃香はそう思ったらしい

葵「(失敗しちゃった!?これがもしシャドーだったら安心させたかもしれないのに!?) 」

自分と仮面シャドーを比べてしまう葵

だが時間はそう長くなく

ホージロ「戦闘開始といくぜ! 」

ソー「ハァッ!! 」

ババッ!!

ホージロとソーが同時に桃香達に向かってきた。

桃香「き…来たぁっ!? 」

葵「(やっぱり私が戦うしかないか!) 」

スッ!

向かってくる二人に対して葵は構えると

葵「ハァッ!! 」

シュシュッ!!

手裏剣を繰り出すが

ゆるりっ

葵「えっ!? 」

いつものような早さが出せていなかった。

ソー「忘れたのか!呼吸はできてもここは水中、普段の移動には水の抵抗があるのだ! 」

水の抵抗のせいで普段の速度より落ちてしまうのだ。

ソー「だが我ら海獣海賊団は寧ろ水の中でこそ真の力を発揮することができる! 」

バッ!!

ソーは葵目掛けて刀を繰り出すが

葵「成程ね!? 」

キィンッ!!

対する葵も刀でソーの攻撃を受け止めた。

だが

ソー「甘いわ!! 」

ギコギコォッ!!

葵「なっ!? 」

ノコギリのように多くの刃がつけられたソーの刀が葵の刀をへし折るべく刃を動かした。

葵「わっ!? 」

このまま受け続けたら刀を破壊されるのを恐れた葵は一旦離れるが

ソー「こちらにばかり目を向けてよいのかな? 」

葵「えっ?しまった!? 」

そう。葵が戦っているのはソーだけではない

ホージロ「その命、もらったぜ! 」

桃香「きゃあぁーっ!? 」

葵が離れている間にホージロが桃香に迫っていた。

葵「危ない!? 」

シュシュッ!!

このまま向かっても間に合わないと察した葵は印を結ぶと

葵「氷遁・氷塊壁! 」

パキパキンッ!!

ガキィンッ!!

ホージロ「ちぃっ!! 」

桃香「ほっ!? 」

間一髪で葵が繰り出した氷の壁によって桃香は助かった。

だが

ホージロ「こんなちんけな壁ごときに俺が負けるとでも思ったかよ!! 」

ジャキンッ!!

ホージロは腕に鋭い鱗(ウロコ)を出すと

ホージロ「シャークスケイルナックル!! 」

ガリィンッ!!

拳を繰り出し、氷の壁を削り取っていった。

ホージロ「このままテメェも削ってやるぜ!! 」

桃香「いやあぁーっ!? 」

桃香に再び危機が迫る

その時!

葵「桃香様! 」

ぼんっ!!

ババッ!!

葵が繰り出した分身が桃香の前に立った。

ホージロ「まずはテメェから削り取ってやるぜ!! 」

ブォンッ!!

ガリィンッ!!

桃香「あぁっ!? 」

ホージロの繰り出した攻撃により、桃香の代わりに葵が削り取られてしまった。

だがその瞬間!

ぼんっ!!

ホージロ「あんっ!! 」

葵の姿が氷の刃となり

シュシュシュッ!!

ホージロ「うおっ!? 」

ホージロ目掛けて襲いかかってきた。

これぞ葵の十八番忍法・氷分身の術である。

葵「今のうちに! 」

バッ!

桃香「うわっ!? 」

ホージロが怯んだ隙に桃香を抱えて救出する葵であったが

ソー「戦っているのは一人だけではないと言ったであろう 」

葵「!? 」

葵の背後にソーが現れ

ソー「ハァッ!! 」

ズバァッ!!

葵「がはぁっ!? 」

桃香「葵さん!? 」

葵は背中を斬られてしまった。

桃香「大丈夫ですか葵さん!? 」

葵「だ…大丈夫。すぐに止血はしましたし…!? 」

パキパキンッ!!

斬られた直後、傷口を凍らせて止血した葵であった。

ソー「大丈夫か兄者 」

ホージロ「ちっ!!なめた真似してくれやがって 」

ソーがホージロに気をとられている間に離れて距離をとると

桃香「葵さん、私に秘策があります! 」

桃香がいきなりそんなことを言い出した。

葵「秘策ですか… 」

桃香の言う秘策とは…

桃香「降参しましょう! 」

愚策であった。

桃香「降参すれば殺されないでしょうし、すぐに脱落すれば… 」

愚策を言いまくる桃香に対し葵は

パシィンッ!!

桃香「えっ…? 」

桃香の頬をひっぱたいた。

葵「そんな情けないことを言わないでください! 」

葵「確かにあなたは私の知る桃香様ではありません。ですが私の知る桃香様は一応いつだって戦える心をお持ちでした! 」

同じ桃香だというのに目の前にいる桃香はあまりに情けない

葵はその事に腹を立て

主君に対して傷つけてはいけないという忍の掟に背いてまで桃香をひっぱたいたのだった。

葵「あいつらの相手は私がします。桃香様はお下がりを 」

なおも一人で戦おうとする葵であったが

桃香「わかったよ葵さん、私も戦う! 」

突然戦う決意を見せる桃香

桃香「葵さん世界の私がどんな私か知らないけど同じ私には負けたくないです! 」

葵「桃香様… 」

珍しく戦う決意を見せる桃香であった。
 
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