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【完結】猫娘と化した緑谷出久

作者:炎の剣製
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猫娘と回想、I・アイランド編
  NO.106 回想《11》 奮闘

 
前書き
更新します。 

 




戦闘不能になっている上鳴を背負いながらも、出久達は135階のたくさんのコンピューターが置かれている所謂I・アイランドの頭脳ともいうべきサーバールームにたどり着いた。
しかし、今は構ってはいられないと走り続けるのだが突如として奥の扉が開き始めてそこにはたくさんの警備マシンが待ち構えていた。
それで出久は個性で吹き飛ばそうとする。
だが、そこでメリッサから待ったの声がかかる。

「ここで激しい戦闘は控えて! サーバーに被害が出たら警備システムもどうなるか分からないから……!」
「ッ!」

それで出久は今まさに出そうとしていたハウリングインパクトを即座に解除する。
そんなものをぶっ放したら軽くサーバーなんて壊れるのは今までの実績で証明済みだ。
それでどうするかと言う時に、さらに天井のタラップから追加の警備マシンが降ってくる。

「どんだけいるんだよー!」

峰田の叫びが着実に現実を物語っていた。

「警備マシンは私達がどうにかしますわ!」
「緑谷くんはメリッサさんを連れて別ルートを探すんだ! 今一番の戦闘力を有しているのは緑谷君だからな」
「飯田くん!……うん、わかった! メリッサさん、行きましょう!」
「うん!……あ、お茶子さんも一緒に来て!」

お茶子の個性をその肌で体感しているメリッサは何かを思いついたのかお茶子を一緒に連れて行こうとする。

「え、でも……」

お茶子も暴れる気満々だったのだが、それで思わず飯田に顔を向けるが、飯田は迷わずに、

「麗日くん、頼む!」
「飯田くん……うん! 行こう!!」

それで出久達三人は別のルートを走っていった。
警備マシンが追おうとするが、

「ここからは通さんぞ!」
「はい。メリッサさんを必ず届けますわ!」
「だから、なんとしてもここで足止めするんだ!」
「かかってこいやー!」
「ウエーイ(みんな、任せたー)」

五人が足止めをしているのであった。






……背後で激しい音が響いてくるのを感じて出久は振り返るが、

「デクちゃん、止まっちゃだめだ! ここでうちらまで捕まったら飯田くん達が残った意味が無くなっちゃうから!」
「……うん!」

悔しい思いを感じながらも、それでも走り続ける。

「(みんな、どうか無事で!)」

そう祈らずにはいられなかった出久であった。






そして走る事180階まで到着した出久は扉を蹴破った。
ドレス姿だというのに結構激しい動きをしているから結構ドレスもボロボロになりつつあるが、今は気にしてはいられない。
到着した場所は風力発電システムがあるエリアだった。
剥き出しの外に設置されているためにどうしてこんなところに来たのかと言う出久の疑問に、

「タワーの中を昇っていったらまたきっと警備マシンが待ち構えているだろうから、ここから一気に上層部に昇るの。あの非常階段で……」

メリッサが指さした方には、およそ20階分くらいの高さはある天井に、小さな非常口の扉が見えていた。
そして先ほどなぜお茶子を選択したのかが判明する。

「お茶子さんの個性である無重力なら、あそこまで行けると思うから……だからお茶子さん、お願い!」

責任重大だと感じたお茶子は身震いをしながらも、

「ッ! うん、わかった! メリッサさんはデクちゃんに捕まって! 一気に飛ばすよ!」

お茶子は二人に個性を掛けて浮かせ、出久はそれと同時にジャンプすると二人は勢いよく空へと飛びあがっていった。

「いっけぇ!」

お茶子は二人がうまく飛んで行っているのを確認しながらも、すぐに解除できるように指同士を重ねていた。
だけどそう簡単に事は運ばせないという意思を感じさせられるみたいに警備マシンがお茶子のもとへとやってきたのだ。
それを確認した出久とメリッサは「そんな!」と叫びながらも、

「麗日さん!」
「個性を解除して逃げて!」
「それはできん相談だよ。それでないとみんなを助けられへん!」

それで、なんとか個性を使わないで戦おうとするお茶子の姿を見て、出久は胸が締め付けられるような気持ちを感じながら、(早く! 早く!!)と祈り続けていた。
だがとうとう警備マシンはお茶子に襲い掛かるようにジャンプをしてきたのだ。
万事休すかと思われたが、そこに突然爆破の個性を使う爆豪の姿が現れて、警備マシンを爆破していた。

「かっちゃん!」

さらには追撃してこようとしてくる警備マシンの群れを氷の波が覆いこんでいった。
そこにはさらには轟と切島の姿もあったのだ。
どうやらヴィランを倒して追いついてきたみたいであった。

「ケガはねーか、麗日?」
「うん、大丈夫や! いま、デクちゃんとメリッサさんが最上階に向かっている」
「見ていた。足止めするぞ!」
「俺に命令すんじゃねー!」

そう言いながらもしっかり防衛している爆豪。
ただでさえ出久のドレス姿をまだまじまじと見ていないためにイラついているので暴れられるのはちょうどいいのだろう。

「みんな、ありが……とぉぉぉう!?」
「キャッ!?」

そこで突然の強風に煽られて出久達は本来の方向から逸れていってしまっていた。
それにすぐに気づいた轟は、

「爆豪! プロペラを緑谷に向けろ!」
「だから俺に命令を!」

と言いつつも従う爆豪。
出久の役に立つのならすぐに実行するツンデレである。
破壊したプロペラを出久達の方へと向けて、個性である炎を放って熱風を発生させた。
それで勢いよく軌道が戻ったのを確認した出久は、

「(轟くん……炎を使ってくれてありがとう)」

と思いながらも、次には壁が迫ってきていたのを確認して、

「デクちゃん、壁が!」
「分かってる! しっかりと捕まっていて!」
「うん!」

出し惜しみはしている時じゃないと、出久はフルガントレットの拳に力を込めて、

「ワン・フォー・オール、フルカウル! フルガントレット、デトロイト・スマーシュ!!」

その勢いとともに壁を破壊して中に侵入する二人。
それを見届けたお茶子はタイミングよく、「解除!」と言って個性を解除した。




そして中に侵入できた二人は、

「メリッサさん、大丈夫?」
「うん。それよりも……せっかくのドレス姿が少し台無しになっちゃったわね」

もうかなり暴れたのか出久のドレス姿はメリッサから見てもボロボロになっていた。
しかし、まだ大事なところはかろうじて隠せているので出久は顔を少し赤くさせながらも気を取り直して、

「す、進みましょう!」
「そうね!」

と、その時わずかな音を感じて出久はメリッサを抱き抱えながらも横に飛ぶ。
そこにはどうやらヴィランの幹部らしき手を刃物に出来る男がやってきていたのだ。

「ったく、胸糞悪いガキどもが!」
「お前たちの目的はなんだ!?」

切りかかってきた男の刃物をフルガントレットで抑えながらも、そう聞く。

「うるせぇんだよ、ヒーロー気取りのメスガキが! この場で犯されてーか!?」

なかなかに下品である。
出久はそれで顔が赤くなるのと、同時に怒りが沸々と湧いてきて気づけば男の刃物の腕を弾いて、

「にゃあーーーーーー!!!!」

ハウリングインパクトを放って、男を壁に埋めていた。
それでもう男は気絶してしまっていた。

「気持ち悪い奴……」

嫌悪感からそう吐き捨てながらも、メリッサに「大丈夫ですか?」と普段の顔になっていた。

「そ、そのデクちゃん?」
「なんです?」
「い、いえなんでもないわ……それより急ぎましょう!」
「はい!」

出久の先ほどの汚物を見るような顔はメリッサは気持ちが分かるので気にしない事にしたのであった。
先に進んでいく二人。
途中でライフルを構えた幹部達が待ち構えていたが、高速で動きをする出久を捉える事が出来ずに次々と無力化されていった。
そしてついに200階の通路へと到着した二人は、

「メリッサさん、制御ルームの場所は……?」
「中央エレベーターの前よ」

それで走りこんでいき、なぜかルームの扉が開かれているのを見て中をのぞく二人。
そこには何かを操作しているデヴィットの姿があった。

「パパ……? それに……」

そして隣にはなんとデヴィットに銃を突き付けているサムの姿があった。

「サムさん……? なんで……?」

状況が分からずに中を見ているしかできない二人であった。
場は混迷していく。
はたしてデヴィットは、そして出久達はこれからどうなるのか……?


 
 

 
後書き
サムさん、もう隠しもしていませんね。 
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