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レーヴァティン

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第九十六話 都市国家達その一

               第九十六話  都市国家達
 ローマを中心とした半島中央部を掌握した久志達は次は商業や手工業、金融業が発達しているうえ都市国家同士が対立し衝突で軍事力も弱まっている半島北部に進出することを決定した。そしてだった。
 久志は仲間達と官邸の会議室で戦略の話をしていた、そこでだった。
 久志は半島の地図を観てだ、仲間達に言った。
「北部と一口に言ってもな」
「それでもだよね」
 淳二も地図を観ている、そのうえで久志に応えた。
「色々な都市があるね」
「ジェノヴァ、フィレンツェ、ヴェネツィアにな」
「あとミラノ、トリエ、トリエステ、ボローニャ、ニース、サンマリノ」
「本当に色々な都市があるね」
「それでその都市それぞれがな」
 まさにというのだ。
「独立性が強くて」
「一つの国家だよ」
「そうだな、このローマから近いのは」
「フィレンツェだね」
 この都市国家だった、地図を観てもそれははっきりとわかった。
「そこだね」
「そうだな、じゃあな」
「最初にフィレンツェと話をするか」
「そうしようね」
「フィレンツェについてだが」
 正も言ってきた。
「あの国は傭兵達が軍事の全てを担っている」
「ってことはな」
 傭兵達が街の軍事の全てを担っている、久志はそう聞いてすぐに閃いてこう言った。
「フィレンツェの傭兵をこっちで雇うか」
「そうしてだな」
「ああ、フィレンツェを丸裸にする」
 軍事的にそうしてというのだ。
「そしてだ」
「そのうえでだね」
「話をすればな」
 フィレンツェ側と、というのだ。
「あっちも俺達の言うことを聞くな」
「そうだ、俺達は元々だ」
「街に危害を加えるつもりはないしな」
「だからだ」
 このことも保証してというのだ。
「交渉すればだ」
「いいか」
「フィレンツェも大きな街だ」
 正はフィレンツェのことをさらに話した。
「手に入れると大きい、だからな」
「一戦も交えずに手に入れるとか」
「かなりの価値だ、だからな」
「ああ、それじゃあな」
「傭兵団の雇い入れだな」
「それに入るか」
「それならすぐにやな」 
 金の話と見てだ、美奈代が言ってきた。
「うちが取り掛かるな」
「ああ、フィレンツェよりも好条件でな」
「雇い入れてやな」
「傭兵団を俺達のものにして」
 そしてというのだ。
「丸裸になったフィレンツェに声をかけて」
「今度は街全体をやな」
「入れるぜ、フィレンツェも手に入れて」
 久志は半島の地図を観つつさらに話した。
「サンマリノもだな」
「手に入れていきたいな」
「あとリボルノ、ラベンナもな」
 この二つの都市もというのだ。
「そこからボローニャ、モデナ、パルマか」
「そこまで進んでいきますと」
 順一が言ってきた。
「そろそろです」
「ミラノとかトリノとかが黙ってないか」
「はい、ヴェネツィアも」
「北の大きな都市国家連中がな」
「おそらくそうした都市国家達がです」
「北を掌握する為の一番の障害だな」
「そうかと。ただしです」
 順一は久志に強い声で話した。 
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