徒然草
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81部分:八十一.屏風・障子などの
八十一.屏風・障子などの
八十一.屏風・障子などの
屏風や障子といったものに下手な絵や文字といったものが描かれていたり書かれていたりしますとみっともないというよりもどうもそうした屏風や障子を持っているその持ち主の品格を疑ってしまいます。
こうした屏風や障子だけでなく大体のことにおいてその持ち物からその持ち主の品格が察せられる場合が多いものです。常識を逸した高級品を持っていればそれでいいということではないように無骨に作った為に妙な形に変形してしまっていたり変わっているからといってそこに余計なものを付けてしまってそれでかえって使いにくくなってしまっていたりごてごてとしたものにしてしまったりすることがよくないのです。そういったものとは全く違ってよく使いこんであってそのうえでわざとらしくはなくてそのうえそれに合った価格で作ってあってそのもの自体がいいものであればいいのです。何も屏風や障子に必ず絵を描いたり文字を書いたりしなくてはならないというわけでもありません。すっきりとしたものもまたいいものです。だからこそそうしたものを持っているとそれだけで持っている人の品性を疑ってしまうわけなのであります。持ち物だけでそれを持っている人がわかるのですから。言い換えれば物を持つこともまた怖いことであります。
屏風・障子などの 完
2009・8・3
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