星のカービィ〜少女との大冒険〜
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一時期の休息を
前書き
前回のあらすじ
リリーを相手にしたらヤヴァイ
リリーのペンダントが狙われ、マルクを倒してから数週間。平和な日常はいつも通り変わらない。そんな中リリーはハルバードにいたのだった。
「本当にいいんですか?こんな不束者の私がハルバードの中に…」
「デデデやカービィのとこにいたら絶対ストレスを与えるばかりだ。それならば、ハルバードの方がいいだろう。」
「ありがとうございます。確かに、どちらとも住んでいてストレスが溜まるばかりでした」
「やっぱりな」と思いつつそうこうしてると、ハルバードのもとに辿り着いた。
「これが戦艦ハルバードだ」
「CAPC○M製ではないですよね……?」
「なんだそれは」
「え、えっと…直ぐに壊れませんよね……?」
困惑しながらも安直に答えていくリリー。返ってくる言葉は破滅的だった。「何故かいつも落下させられる」と。リリーは現実逃避そうに「それだけハルバードは凄いんですね。そりゃあ、敵も落下させますね!」と焦り気味に言う。
「CAPC○M製が壊れやすいのなら私のハルバードもそうだろうな……」
「メタナイトさあああぁぁぁぁん!!!!」
精神ライフが完全に0となってしまったのだった……。
*
「ごめんなさい……余計なこと言ってしまって……」
「あ、ああ……気にしていない……」
完全に気にしていたんだなと思えるのようなこの表情であった。
「それより、リリー。そなたのペンダントには何かあるのか?」
「どうしてそれをここで?」
「何か良からぬものではないかとそう思っただけだ」
確かに図星ではある。リリーのペンダントを狙うのは何かしらあるということは分かってはいたようだ。
「図星です。ペンダントには1度だけ願いを叶えられる貴重なものなんです。まあ、本当はお母さんの形見なんですけどね……」
「そうか…それは失礼した」
聞いてはいけないものだと思い、謝るメタナイト。「き、気にしないで下さい!」と気を使っていた。
「気にしてないのであれば……もし、そのペンダントになんて願いをするんだ……?」
「一応2つあるんです……」
「ほう」
興味深々そうにペンダントを見つめる。改めて見ると輝かしい宝石のように綺麗なペンダントだった。そしてリリーは願いの1つ目を口にする。
「まず、1つ目は魔導師になりたいんです。昔から憧れていたんです……!」
「なるほど、それはいい夢だな。そして、2つ目はなんだ?」
「2つ目は……」
2つ目に考えている願いを言おうとするが、突然「あの、この願い誰にも言いませんよね?」と恥ずかしい思いをしてるからなのか赤面をしている。それを察したからなのか、元々なのか「言うつもりはない」と答えた。
「それなら良かった……」
ホッとしながら、その話を続けた。
「2つ目は、世界が平和に訪れてほしいということです。」
「なるほど、いい願いだな。」
「ありがとうございます」
「だが、少し気になることがあるのだ」
「なんですか……?」
「どうしてその願いを叶えないのだ?」
唐突すぎたからなのか「え?」とそれを理解してないような顔で言う。理解してもらえるように細かく説明を始める。
「まず、魔導師になりたいって夢だが、それは努力したことによって達成感を感じるだろう。投げ飛ばして何でも叶えられる力に頼るより、己の力でそれを実現させたことが1番いいと私は思う」
「…………」
「私だって、最初は剣士になることをやめたかったことがある」
「えっ!?本当のことですか!?」
「私がそんな嘘をつくと思うか?」
彼の瞳は真剣、つまり、このことは嘘ではない。「信じられない」って気持ちになっていた。
「メタナイトさんがそんなことを思っていた時期があったなんて……。で、その後どうしてまたやりきろうとしたんですか?」
「憧れだ」
「あこ…がれ……?」
「私には憧れの人がいたのだ。銀河最強の戦士ギャラクティックナイトにな」
銀河最強の戦士。白い翼が生えていて盾とランスを使って戦う戦士。ギャラクティックナイト。彼の憧れの存在だった。
「それで目指そうとしたんですか、剣士を」
「ああ。だが、なれないと思って投げ飛ばした。しかし」
「……しかし?」
「その時、ギャラクティックナイトがその夢を助けてくれたんだ」
「なるほど……」
「“努力を積み重ねればいつかきっとなれる”とな」
この一言にリリーの心が揺らいだ。いつか、みんなと共に戦えるようになりたい。そんな強い意思が燃えていた。
「決めました……!」
「何をだ?」
「私、メタナイトさんが剣士になれたように、私も魔導師の道を歩みます!」
「……なれるといいな」
「はい!頑張ります!」
後書き
(………………)
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