うちはオビト逆行物語 改 〜逆行?何それ美味しいの?〜
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幼少編
うちはオビト逆行物語『中忍試験』
前書き
副題【オビトが中忍試験に向けて奮闘する話】
ご注意願います。
この作品は二次創作品となっており、本誌への多大なるネタバレを含みます。
更に辻褄や都合を合わせる為に作られた出しゃばるオリジナルキャラクターや、本誌に合わせた恋愛、過剰なるグロテスク等の表現をしております。
以上の事を踏まえた上での閲覧をお勧め致します。
第十一話目になります。
中忍試験編、少しだけ長くなります。結構曖昧なところを補足してオリジナル設定組み込んでいますので、違くね?となってもひとまず他暖かい目で見ていただければと思います。
オビト「中忍試験、頑張ろうな!」
アスマ「おう!」
決意を新たにした自分だが、どちらにせよ残り僅かなこの一時を精一杯楽しもうといつもの何でもない仕事にも性を出し、気合を入れていた。そんな中、近頃は中忍試験と言うワードをよく聞くことを思い出し、ふと脳内に思考を巡らす。
…今回の中忍試験では、やはり中忍になるべきだろう。道が広がるし、行動しやすい。
そう思いながら里の端にある演習場を訪れると、アスマが修行しているのを見かけた。
「よっ、アスマじゃんか。」
思わず声をかけながら近づくとアスマはチラリとこちらを一瞬だけ見て手を振った。クナイを木に投げ付け見事真ん中に命中したのを自分で確認してから、再びアスマはこちらを向いた。
「オビトか…どうしたんだ?今日は任務無いのか。」
「まぁな…見るからにお前もって感じだけど、邪魔したか。」
かなり真剣にやってた様だし、悪かったな。と付け足すとアスマはいや、と否定の言葉を紡いだ。
「別にそこまでじゃねぇよ。お前こそ、こんな里の端にある演習場まで来て、なんかやるつもりだったんだろ?何だったら場所空けるぜ?」
「俺もお前と大して変わんねーっての、ただちょっと遠いとこで修行したかっただけだわ。」
そう言いながらアスマから距離をとり開けた場所まで移動する。ふぅ、と溜息にもならない息を吐きながら虎の印を組み、息を思いっきり吸う。
「火遁、豪火球の術。」
ごぉ、と激しい音と共に大人1人は優に超える程の豪火球が飛び出す。それを見ていたアスマは少しだけ目を見開き、日の威力が弱まって来たのを見ながらこちらへ向かってきた。
「お前…凄いな。」
「あ…?まぁ日頃やってるしな。」
「うちはってそんなデカイもんも日々やってけば出るのか。」
「…人によるな。」
やべぇな、と感心するアスマに失敗したかと視線を逸らす。通常の三分の一でもこう疑われるのか…。やはり神威空間でやった方が良いのだろうか。
「ははっ、なんか思ってたけどよ。カカシもカカシだけど、オビトもオビトですげーよな。」
「え?そ、そうか?」
褒めるのか、突然。カカシと比べられているということが癪ではあるが褒められていることにはそうなのだから、少なからずとも嬉しくなった。実はもっと化け物じみてるとか言ったらコイツどんな反応するんだよ。
「…近々中忍試験あんだろ、あれさ…正直自信なくて。」
「アスマなら大丈夫だろ。そんな心配するもんでもないと思うぞ?」
まぁ同期の中で今回合格するのはカカシだけだったから、アスマは落ちてしまうのだけども。
俺の言葉に濁したように唸り始めるアスマに少しだけ大人になったカカシと重なった気がして、癪に触ってムシャクシャした。思わず乱雑に頭を片手で掻き乱して、ため息を着いた。
「そんなに心配なら一緒に特訓しようぜ、1人より2人の方がいい。」
「え、あぁ…そうだな。」
ここから中忍試験当日まで休みの日や空いてる時間はこの里の端にある演習場に集まるようになった。
少しだけ仲良くなった、と自惚れてもいいのだろうか。
中忍試験当日、今回は遅刻せまいと信じられないくらいに早起きをしてサクッとじいちゃんばあちゃんを助けつつ試験会場に向かった。ちょうど良い時間だったようでカカシとリンの姿、更にはミナト先生も居た。
「あっ、オビト!」
「よっ!遅刻しなかったろ?」
「それが当然なんだけどね。」
いつもの会話、カカシは相も変わらず余計な一言だ。
「ん、皆来たね。じゃあ俺は上で見てるから、頑張ってね!大事なのはチームワークだよ。いいね。」
そう言っていつものように笑った先生に返事をすれば、先生は手を振って立ち去って行った。
「…いよいよ、だね。」
「…そーね。」
「カカシ、リン。」
リンの呟きに反応して素っ気なく返したカカシとリンの2人がこちらを見る。リンは不思議そうに、カカシは素っ気ない表情はそのままに。恐らく声が出てたら、なに。くらいしか言わないだろう。
「俺は今回はなるぞ、中忍。」
挑発するように、でもいつものように笑えば、リンは緊張気味な声を震わせ、それでも楽しそうに、カカシは変わらずの態度を取りながらも少年らしく挑発的な笑みを返した。
「うんっ!私も頑張るよ!」
「今回はって、今回のが初めてでしょーが…締まらないヤツ。」
少しでもコイツらの緊張がほぐれるように、なんてキザなこと出来ないけど、気休めくらいになれたら、それだけでいい。
今はとにかくこの時は、3人で居れる時は2人に笑っていて欲しいんだ。
「オビト、今日は寝坊してないのか。」
ふと最近聞きなれた声を聞いてあのなぁ、としかめっ面を返す。
「遅刻の理由は寝坊の時もあるけど大抵は事情があってだな…。」
「知ってる知ってる、お前の人気は里内老男女だからな。嫌でも耳に入る。」
悪かったって、んな顔すんなよ。そう言いながらヘラヘラとしているアスマに更に深刻な顔になる。関係が友好になったのはいい事だが、アスマは時より俺をからかって楽しんでいる節がある。それは気に食わん。
「ま、中忍試験頑張ろーな。」
「…だな。」
そしてこいつ独特の空気でそんな嫌な気持ちも気が付いたら冷めてしまってどうでも良くなっているのだから、不思議な奴だ。
アスマが班に戻るのを何となく見守っていると、リンから声がかかった。
「オビトってアスマとあんなに仲良かった?」
「んー…数週間前ぐらいから一緒に中忍試験の為に修行してたから、多分それでだよ。」
「…その間も俺と修行してなかった?」
「そうだな。」
あくまでもアスマと修行してたのは休日の空いてる時間だ。それに大抵アイツはあの演習場にいたし、きっと1人でやりたかったこともあったから特に誘われることも、こちらが誘うこともなかった。
ただ自然にやる流れを作ったのは俺だが。
それを思い出してふと視界を目の前に戻すと、リンとカカシが神妙な趣でこちらを見ていた。何かおかしなことでも言っただろうか。
「…お前、俺とも修行してたのに、アスマとも修行して、更にこの前自分で自分の修行の時間も作ってたって、言ってたよね?」
「あぁ…そうだけど?」
そう返すと更に眉間を深くしたカカシにまずったと脳内で何を間違えたか考える。なんだ、チャクラ量か?いやでもある程度は抑えられてるし今は本気を出しさえしなければ年相応のチャクラと変わりない。では何だ、容姿、口調、体調…体調。
「もっ!勿論ちゃんと休んでるぜ!?」
そういうも時すでに遅し、リンは少し心配そうな色が抜けないままむっと顔を顰めている。
「本当に?オビト最近の任務ボーッとしてる事多かったよ?」
「いや、ほんとに…大丈夫だって!」
そうなのかなぁ。と疑いの目でリンに見られタジタジである。更に視界に似たような目付きのカカシ(リンの方がまだ愛らしさはあるが、カカシは可愛げの可の字もない)にまで見られて大ダメージを受けている。これはある意味拷問だ。
別にボーッとしていた訳では無いんだ、リン!お前達のことについて色々考えていてだな!なんて言えるはずも無く、そのまま無言で視線をどこかにやるしかない。
「…まぁ、本人がこう言ってるならいいんじゃない?リンからしてもあまりチャクラの乱れとか感じないんでしょ?」
「そう、だけどぉ…。」
仕方ないとため息をついてからカカシがそんなふうに言うとリンが迷った顔をしだす。今だけはお前に感謝するわカカシ。これから後にも先にもねぇけどな。
「それに、まだ時間はあるし、ね。」
沢山話聞けるでしょ?そんな風に笑うカカシを見たのは、恐らく前回にまで遡らなければいけないだろう。
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