マイ「艦これ」「みほ3ん」
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EX回:第70話<人々の想い>
前書き
被害を受けたブルネイの人たちを心配する提督たち。それは艦娘たちも同じだった。
「負傷って、どういうことだ!」
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マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)
EX回:第70話(改1.3)<人々の想い>
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「ゴメんナさいネ、食事出来なイ。ゼンブ流された。焼けまシた」
ブルネイの運転手さんが申し訳なさそうに頭を下げた。
いや、敵の侵攻を事前に防げなかったのだから申し訳ないのは逆に「こっちだ」という思いが湧く。
それはブルネイ司令も同じ気持ちだったらしい。
彼は言った。
「いや気にしないで下さい。軍隊なんて突発的なことばかりだから……それより水上集落の皆は無事なのか?」
(そうだ、それだよ)
私も心のなかで同意した。
軍人は、どれだけ攻撃されても構わないんだが民間人が巻き込まれるのが一番、心苦しい。
それは国境を越えて世界のどこへ行っても同じだと思う。
だが運転手さんは意外に陽気に応えた。
「あぁ大丈夫、ダイジョウブね。皆、逃げる早いから。家も、いっつも流サレるしネ。壊レたら、また作れば良イ」
「そうか……」
私たちは彼の笑顔に救われる思いだった。
「よかった」
斜め後方から声がした。振り返ると赤城さんだった。
祥高さんや他の艦娘たちも同様な気持ちなのだろう。そんな雰囲気を感じた。
(そうだよ。艦娘たちだって私たち人間と気持ちは同じなんだ)
「デモね」
運転手さんは、ちょっと残念そうな顔をした。
「私モ艦娘たちに、この国に早ク来テ欲しいネ。今日、敵を初めて見タから。強過ぎるヨ」
彼は、あのブルネイの『王宮男性』と同じ内容のことを言った。
いや彼だけではない。この攻撃によって水上集落周辺のブルネイの人たち全員が同じ気持ちになったことだろう。
深海棲艦にとっては日本もブルネイも区別はない。私たち人類全体に対する敵愾心を持っていることだけは確かなのだから。
そのとき寛代が無線を受けた。
「比叡より、ブルネイ警察や軍が、こっちにボートを寄こすって」
「そうか」
帰りの足は何とかなりそうだな。
「あとぉ」
珍しく寛代が止まらないな……と思ったら。
「龍田2号、負傷により搬送先を乞う」
とんでもない報告が入った。
「なに!」
これにはブルネイ司令が叫んだ。
「負傷って、どういうことだ!」
「……」
寛代は黙って即答しなかった。
(情報がないのか、それとも)
私は不安になった。
彼女が返答を待っていることを察したブルネイ司令は、少し慌てたように指示を出した。
「分かった……取り敢えず鎮守府へ移送させてくれ」
「了解」
敬礼をした寛代は直ぐに、どこかへ返事をしていた。
「スマン」
その場を取り繕うようにブルネイ司令は帽子を深くかぶり直した。
彼は海上で、こちらの様子を見ていた潜水艦娘たちにも『ブルネイの泊地へ向かうように』と指示を出した。
「了解です」
不必要に明るく、おどけるように答える潜水艦娘たち。
(この娘たちは、何があっても変わらないんだろうな)
私は腕を組んだ。
さすがに疲れたのだろう。顔を水上に出しながら戻っていく彼女たちを見送りながら私は呟いた。
「海の中は地上とは別世界、ましてや夜だ……不安もあるだろう」
(敢えて陽気に振る舞っているのか……だから彼女たちの感覚までは責められまい)
そんな想いにとらわれた。
やがて川には、あちこちで巡視艇やタグボートやら内火艇が盛んに行き交い始めた。
寛代が技術参謀のような口調で受電した。
「二式大艇は、そのまま泊地の埠頭へ向かう」
私は頷いた。
続けて彼女。
「技術参謀より……先に戻る。龍田2号は私が診る、だって」
「そうか」
今度はブルネイ司令が返事をした。
「技術参謀も心配しているのか」
私は思わず呟いた。
「来ました、来まシタ!」
ブルネイの運転手さんが夜の川に向かって大きく手を振る。
ほどなくして私たちの居る桟橋の前に、軍用の内火艇が横付けされた。
以下魔除け
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後書き
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。
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