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おぢばにおかえり

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第四十九話 合格してからその五

「阿波野君とも何もないから」
「それでずっといくつもり?」
「高校卒業するまで」
「それまでなの」
「大学に入っても」
「というか結婚するまでかしらね」
 皆ここぞとばかりという感じで好き勝手言ってきます。
「十八でまだだからね」
「男の子と手を握ったこともないって」
「それが悪いの?」
 私は思わず皆に聞き返しました、そうしないでいられませんでした。
「遊んでるよりましでしょ」
「それはそうだけれどね」
「ちっちはまた何もなさ過ぎるのよ」
「中学で誰とも付き合ってなかったし」
 このことははっきり言っています、事実ですし。
「高校でもね」
「これまでだし」
「だから結婚してお婿さんが来てくれて」
 本当にそれからのことです、私にとっては。
「その人とよ」
「お付き合いするのね」
「というかそれ交際?」
「違うわよね」
「付き合ってそのまま結婚って確かにいいけれど」
「ちっちの場合はね」
「何かお付き合いイコール結婚になってるじゃない」
 皆でまた私に言います。
「そうなれば確かに理想でもよ」
「その考えだけっていうのはね」
「違うと思うけれど」
「お堅いっていうかね」
「面白味がないわね」
「面白くなくてもいいわよ」
 私が想うにはです。
「特に。私は本当に教会継がないといけないから」
 三人姉妹の長女だからです、このことが頭から離れたことはありません。高校にいる間もそうです。 
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