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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
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裸の付き合い

<ロマリア領・北部>

アルル達はリュカを囲み武器を構えている!
「はぁ!」
アルルは剣で一閃!

(キン!)
「甘いよ」
しかしリュカに難無く弾かれる。

「メラ」
「バギ」
ウルフのメラもリュカのバギで相殺される。

「いくで!」
「おっと!」
エコナが鉄の槍で突くも掠る事すらしない。

「マヌーサ」
ハツキがマヌーサを唱えるも、呪文の効果は全くない。



「うん。みんな強くなったね!ただもう少し連携して攻撃した方がいいよ」
4対1でリュカを攻撃したにも拘わらず、リュカは息を切らさず何時もと同じ口調で語りかけてくる。
アルル達は激しい運動量のせいで、喋る事も出来ず座り込む。

リュカはアルル達に頼まれ、完全な実践形式での手合わせを行った。
手加減無し(アルル側)の手合わせだった為、魔法も当たれば怪我を免れなかっただろうし、物理攻撃も当たれば大怪我をするレベルの手合わせだった…当たればだが…

「さぁ、ご所望通り一斉に手合わせをしたよ。僕もう疲れたよ!今日はこの辺で野営で良いよね!?」
「…ええ…」
ぐったりしているアルルは、何とか体を起こしリュカの質問に答えた。
「じゃぁ僕はご飯の準備に取り掛かるね!そう言えばすぐ其処に小川が流れているから、女の子達は水浴びでもしてきたらどう?大丈夫、覗かないよ!それにウルフが覗かない様に見張ってるよ」
『俺だって覗かないよ!!』
と、突っ込みたいのだが疲れきってて突っ込めないウルフ。
何とか体を起こし、着替えとタオルを持って小川へ歩く少女達。



「本当…リュカさんって凄い体力ね…私達がこんなに疲れる程攻撃したのに、汗一つかいてない…」
「まったくや!ベットの上でも凄かったで!」
「止めて下さい、いやらしい話をするの!」
年頃の女の子が3人集まれば、自ずと話の内容は決まってくる。

「…でも、どうしてリュカさんと…ああ言う状況になったんですか?」
「なんや、ハツキは気になるん?いやらしい話は嫌いなんじゃないん?」
「…い、意地が悪いです!」
胸の前で両手をモジモジさせながら、ハツキは恥ずかしそうに呟く。

「まぁええ…ウチな、利用しようと思ったんよ」
「利用?リュカさんを!?」
「色仕掛けで迫って、ウチの無料ボディーガードとして側に居させようと考えてたんよ!」
エコナは豊満な胸を両手で持ち上げ、体ごと左右に振りながら話す。

「ほんで、リュカはんが一人で村を歩いているのを見つけたから、改めてお礼をしたい言って話しかけたんよ!」
アルルもハツキも黙って聞き入る。
「そしたら『別にお礼なんていいよ。下心ありで助けたんだから』って爽やかに笑いよるねん!普通言わへんよ、下心ありなんて…だから聞いたんよ『下心ってなんですぅ』てな」
ここでエコナは勿体ぶって一呼吸置いた…

「そうしたら何て答えたの?」
急かしたのはアルル…
「ごっつあっさりと『うん。エッチ出来ればいいな』って笑いながら答えるねん!ウチも最初は処女を守るつもりやったんけど、あの笑顔に落ちてもうた!気付いたらリュカはんに抱き付き、キスしてたんや…」
エコナは自分の体を抱き締め、クネクネしながら語る。
「あの男ズルイねん!他の飢えきった男みたいに『ヤらせろ!』って、がっついて来ないクセに、自身の欲求はストレートに話すねん!しかも最高の笑顔付きで…」

………
幾ばくかの沈黙が流れる…
「リュカさん…格好いいわよね…シャンパニーの塔でも…」
アルルはシャンパニーの塔でのリュカを思い出す。

「怒ったリュカさんは怖かったですけど…優しいからこそ、あんなに怒ったんですよね…」
ハツキの言葉に皆頷く。
「奥さんて…どんな人なんやろ…?」
「リュカさんが言うには、すんごい美人だそうですよ。奥さん以上の美人に出会った事無いって言ってました…」

「ウチ等かてそう悪くないと思うで!」
「リュカさん…元の世界へ帰っちゃうのかな…?」
「「「………」」」
アルルの一言に黙りだす。

「させへん!ウチが色仕掛けで落として、この世界に居たいと思わせる!」
「私も協力します!」
エコナとハツキが手を組む!
「アルルはええんか?リュカはん帰っても!」
「………私は…そう言うのイヤ!」
「「そう言うのって?」」
キレイにハモるエコナとハツキ。
さすがにちょっと照れくさかった様で、顔を見合わせ苦笑い。

「色仕掛けよ!私もリュカさんには帰ってほしくないよ!でも、この世界を気に入って帰らないのなら歓迎だけど…女の為にって言うのはイヤ!それに元の世界には家族が待っているのよ…家族の事を思うと…」
「アルルの言い分も分かるけど、ウチは誘惑を諦めんよ。アルルに手伝えとは言わへんけど、邪魔だけはせんといてね!」
《でも…きっと無駄よ!リュカさんが色仕掛け程度で落ちるとは思えない…まぁ、誘いには乗るでしょうけども…》
奇妙な連帯感が生まれた、かしまし三人娘。(古っ!)
リュカは無事元の世界に戻れるのか!?
それより、戻った後が無事ですむのか!?私はそれが心配だ!




「ハツキ達遅いね…」
「じゃぁウルフ!『遅くて心配になっちゃった♥』とか言って見てくれば」
ケラケラ笑いながら覗きを促すリュカ。

「殺さるよ!」
「平気だよ。裸の一つくらい見られても」
「リュカさんにはね!」
「みんなの事が心配だったって言えば大丈夫だよ!何だったら、足が滑ったとか言って押し倒しちゃえば?不可抗力なんですぅ~って」
男共は男共で、しょうもない話を続けている…
このパーティーの男女間の温度差は、結構深刻なものなのかもしれない…
リュカが居なければ、もっとまともな冒険が出来たであろうか?



 
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