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許されない罪、救われる心

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70部分:第六話 暴かれた時その十四


第六話 暴かれた時その十四

「屋上にね」
「そこで話あるから」
「話って・・・・・・」
 椎葉は四人を前にして顔を蒼白にさせた。ここ数日いじめられなくなったとはいえまだ恐怖は彼女を支配したままだった。それでなのだ。
「何もしないから」
「そうよ、話があるだけだから」
 文月と霜月が言うのだった。
「だからね」
「来てよ」
「う、うん」
 これでだった。四人は神無を連れて屋上に向かう。しかしここでだった。
「ねえ、皆」
「んっ?」
「何かあったの?」
「お昼前で悪いけれど」
 やはり岩清水だった。クラスの皆に声をかけたのだ。
「ちょっと行かない?」
「行くって何処に?」
「何処になんだよ」
「いいから。ちょっと来て」
 あえて場所は今は言わないのだった。
「今からね」
「?何なの?」
「何かあるの?」
 その中には当然弥生と葉月もいる。二人は怪訝な顔になって岩清水に問うた。
「これから」
「一体何が」
「すぐにわかるよ」
 やはり今は何も言わない岩清水だった。あえてである。
「だから。来て」
「何かわからないけれど」
「若しかしてだけれど」
 ここで葉月が言った。
「いじめのことかな」
「いじめの?」
「そう、いじめのね」
 こう弥生に話すのだった。
「それのことかな」
「まさか。それに如月達が関係あるっていうの?」
「僕もそれはないと思うけれど」
 葉月もだ。如月達がそんなことをするとは思っていなかった。弥生はさらにである。それだけ彼女達のことをわかっているつもりだったのである。
 だがそんな彼等にだ。岩清水はさらに言うのであった。
「とにかく行こう」
「どうする?」
 葉月は彼の言葉を受けて弥生に問うた。
「ここは」
「行く?」
 弥生はいぶかしむ顔で彼に返した。
「やっぱり」
「そうだね。とにかく行ってみよう」
「何かあるかも知れないしね」
「それで何処なのかな」
 クラスメイトの一人が岩清水に問うた。
「それは」
「来てみればわかるよ」
 今はとにかく話さない彼だった。
「それでね」
「そうなの。わかったわ」
「それじゃあね」
 弥生と葉月が頷いてだった。二人だけでなくクラスメイト達も向かう。そうしてであった。岩清水に案内されてだ。そこに向かうのであった。
「どう考えても如月達よね」
「そうだよね」
 彼女達がいなくなってすぐに言ってきたのだ。それならすぐにわかることだった。
「いなくなってすぐだから」
「本当にまさかと思うけれど」
「如月達はそんなことしないわよ」
 弥生はいじめの可能性は否定した。
「だって。いじめられてきたんだし」
「部活の先輩にだよね」
「そうなの。だからそんなことは」
 しないと信じていた。そうしてだった。
 
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