ドラゴンクエストビルダーズ:アレフガルドを復活させられてます(新リュカ伝)
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第2章:リムルダール編
16:バイオハザード オブ リムルダール
前書き
新リュカ伝を楽しんでもらえるよう、
YouTubeにてDQBの実況プレイを公開中。
あちゃのゲームの腕前を差し引いて頂ければ、
あれが本当のドラゴンクエストビルダーズです。
(リムルダール)
ゲンローワSIDE
先ほどリュカが帰ってきて、色々と作り始めた。
煉瓦料理台やそれに伴う料理部屋。
新しい料理の数々……
順調にリムルダールの発展と、病人の快復へ貢献しており、何も問題は無いのじゃが……
何やら凄くご立腹な様子。
聞くべきではないのかもしれんが、興味本位で聞いてしまう。
「如何したリュカ? 随分とくたびれてる様子じゃが?」
「くたびれてるどころじゃねーよ!」
しまった……やはり聞くべきでは無かった。
振り返るや否や、勢いよく捌きかけのマグロを投げつけ、旅の扉の向こうで見舞われた出来事を怒号の様に語り出した。
まるで八つ当たりの如く……
「煉瓦地帯を見つけ遺跡を発見したら、そこにデカい“メーダー”が居やがった! あの野郎……卑怯にも目からレーザー光線を出してきやがって、俺に近付ける隙を与えない! デッカい目玉で触手ウヨウヨの気持ち悪い見た目のくせに、えらい手こずらせやがった! アホルビスが俺の魔法を奪わなければ、あんな目玉に苦戦しないのに!」
『…………………………』
「嘘吐くな貧乳女神! もうバレてんだよ、おまえが器の小さい女だって! 今更言い訳してんじゃねーよ、バーカ、バーカ、バーカ! 女版アホリン!!」
『…………………………』
何やら突然リュカがワシ以外の誰かと口論を始めた。
ワシには相手の声が聞こえないが、口論の内容から相手はルビス様ではと推測される。
何とまぁ……ビルダーが凄い存在だとは感じていたが、ルビス様と会話を、しかもお目にかかった事もあるみたいじゃ。
それにしても……
「リュカよ……『女版アホリン』ってのは言い過ぎじゃろ」
「うるせークソジジイ! おまえは死にかけの病人を治す事だけ考えてやがれ! 美女は俺が治すわ!」
そう怒鳴ると、出来上がったばかりの大量の料理を持ってリュカは病室へと向かっていった。
さて……リュカの言う様に、ワシは先が見えない病人の治療法を探るかのぅ……
と言っても……恐らくはウルスが関係して居るじゃろうが。
ゲンローワSIDE END
(リムルダール)
リュカSIDE
今日は忙しかった……
美女の為に、食糧を確保しつつ新しい調理法を実行しつつ更には農業を再開発展させる事も行わなければならない……だが美女の為ならば大丈夫。
俺の献身的な活動で、二人の美女は共に回復へと向かっている……他は知らん。
リムルダールに来てから殆ど寝てない俺は、流石に限界近い。
美女二人の体調が回復に向かいエルと喜び合ったのだが、そのままベッドへ誘うか迷ったほどだ。まぁ誘ったし、いい汗かいたけどね。
そんな訳で、一旦身を清めたい俺はエルの部屋から出て水場へ向かう。
その途中で俺の気配に気付いたケーシーと出会い……
うん。更なる運動会さ。
何時になったら寝れるのだろう?
こ、今度こそ……身を清めて寝よう。
その決意を胸に、病室の前を通り過ぎ水場へ向かう……と、「きゃぁ!!!」と病室からエルの悲鳴が聞こえてきた!
慌てて病室へ飛び込むと、そこには困惑するエルと狼狽えるジジイ……そして如何見ても普通じゃ無い美女以外の病人三人。
顔色は完全に生を失っているのに、楽しそうに笑っていたり体中を掻き毟ったりしている。
「ど、如何した!?」
「リュカ様……か、患者様が……患者様がぁぁぁ」
エルに言われるまでも無く、野郎三人の様子がおかしいのは解ってる。何が如何なってるのかを知りたい。
「おいジジイ……これは一体?」
「ううっ……ち、近付いてはならん。危険じゃから近付くでないぞ!」
何かを隠してるジジイは、そう言うとエルを守る様に正常じゃない三人から離れようとする。
「取り敢えずこっちへ……」
俺はエルと美女二人(回復中の患者“ミノリ”と“ヘイザン”)の方へと避難させた。
そしてキツめの視線でジジイを睨む。何が起きてるのか説明しろ!
「……エ、エル。そしてリュカよ……自分の身を守る事を最優先するんじゃ!」
「な、何を仰ってるのですゲンローワ様? エディ様、ケン様、イルマ様は如何されたのですか!?」
エディ・ケン・イルマって誰? まぁ多分、目の前の三人だと思うけど……名前あったんだ。
「かゆい、かゆかゆかゆ」
「むしがぁ、からだじゅうにむしがぁぁぁ」
「える、える、えるえるえる」
どれが誰だか判らないが、三者三様の発狂をしている。
そして突然、焦点の合わない目でこちらを定めると、呻きながら襲いかかってきた!?
うわっ、やばい……如何すんの?
「これが『自分の身を守る事を最優先』って事か!」
俺はジジイが言っていた事を理解すると、襲いかかってくる三人をドラゴンの杖で弾き飛ばす。
壁まで吹っ飛んだ三人……だがムックリと起き上がると、再度こちらへ向かってきた。
まるでゾンビだ……
並の人間だったら、先ほどの一撃で死んでいるだろう……
俺は思わずジジイに目を移す。
「あ、頭じゃ……頭を潰すのじゃ……」
頭って……本当にゾンビじゃん!
っていうか頭を潰したら中身が飛び出るでしょ……杖が汚れる!!
リュカSIDE END
(リムルダール)
ノリンSIDE
深夜だというのに、病室から大きな物音が聞こえた。
流石にリュカが女とハッスルしてる訳じゃないと思い、慌てて見に行く……
するとそこには、完全に正気を失っているイルマ達が、エルさんやリュカに襲いかかっていた。
「あ、頭じゃ……頭を潰すのじゃ……」
ゲンローワじいさんがリュカに指示を出す。
一瞬戸惑いながらも、凄ー一撃を浴びせるリュカ。
頭は砕け散り、その場に崩れ落ちるイルマ達。
そう……イルマ達なんだ。
少し前まで苦しそうに寝込んでいた患者だ。
女には度を超して甘く、反面で男には冷たいリュカですら、戸惑いを見せてしまう相手なんだ。
「イ、イルマぁぁぁぁ!!!」
俺よりも先に来ていたザッコが、無残な姿になった友人を見て嘆き叫ぶ。
だが彼も解っている……
俺ですら理解できた、倒さねば自分らが危険だと言う事を。
だからザッコも嘆きながらもリュカには恨みを見せはしない。
「おいジジイ……これは一体如何言う事だ!? お前、何か知ってんだろ!」
「知らん……と言えば嘘になるな」
え、そうなの!? じいさんは何を知ってるんだ??
(ゴスッ!)
「勿体振った言い方してんじゃねー! さっさと話せクソジジイ!」
図らずも知り合いのイルマらを倒してしまい、リュカもイラついてるのだろう。
イルマらの濁った血が滴る杖を見つめながら、はっきりしない物言いのじいさんを殴るリュカ。
俺らを守る為にリュカ一人が嫌な役目を引き受けてくれたのだ……誰も文句は言えないだろう。
「うっうぅぅぅっ……か、患者様が……患者様がぁぁ……うっ、げほっ……げほっ……」
傍ではエルさんが泣いて悲しんでいる。
悲しすぎて咽せているほどだ……
居たたまれなくて見てらんねー……
俺は何かを隠してるじいさんと、問い詰めているリュカへ視線を移した。
ノリンSIDE END
(リムルダール・旅の扉赤地方)
リュカSIDE
やっとあのジジイの口を割る事が出来た。
何でも、弟子だったウルスって奴が今回のゾンビ騒動の元凶らしい。
と言うのも……
ジジイとウルスはリムルダールに蔓延る病を治す研究をしていたのだが、物作りの力を失っていて如何にも上手くいかなかった様だ。
で、ウルスの方は病を飛び越え『死』そのものを無くす研究に着手したらしい。
俺が傍に居たら『馬鹿か?』と言うだろうし、一文字違いで俺の義息だったウルフなら、心が修復不能になるくらいの暴言で其奴を挫折させただろう。アイツは口と性格が極悪だったから……
だがジジイは少し一緒に研究しただけで、『死』や『病』等の自然に抗うべきではないと結論づけウルスと仲違いしたとの事だ。
何でそう極端なのかね?
『死』までも超越するか、『病』にすら屈するのか……
中間って物を知らないのかね!?
さて……
ジジイのアホさ加減と、その弟子の愚かさ加減は放っておいて、このゾンビ病に対抗する術を得る為に、ウルスの下へと向かっている。
ジジイが必死に(しかも不必要に)近付けさせなかった遺跡の奥に、ウルスの研究施設があるらしい。
そこに行き、奴にジジイの手紙を渡して協力を仰げと言われました。
お前が行け! と言ってやりたい。まぁ言ったけど……
そんな訳で、到着したのがウルスの研究施設。
ものっそい静かなんでソッと中を覗いてみたよ。
うん……死体の山。
そして間違いなく起き上がる。
でも一人だけ生きてるっぽい人間を発見。
もしかしてウルスかな?
違ったら嫌だから遠巻きに声をかけてみる。
「あの~……もしかしてウルス?」
「そ、そうだけど……き、君は……だ、誰だい……?」
目的の人物発見。何か死にかけだけど、まだ息してるし早急に要件だけを済ませてしまおう。
「お前の師匠から手紙を預かったんだ。読んで」
俺は室内には入らず手紙を差し出した。
だけどね……
「す、すまない……もう僕は……ダメだ……。死が……そこまで迫っていて……う、動けない……ゲ、ゲンローワ様の……手紙……も、持って来て……くれない……か」
「…………やだ。お前が来い」
冗談ではない。こんな死体だらけの室内に入りたくないぞ!
「そ、そうか……で、では……仕方ない……き、君とは……ここで……お別れ……だ。あ、ああ……ゲ、ゲンローワ様……に……伝え……たかった……死……を……克服……する……代償……と……ち、治療……方を……」
この野郎……
治療法の事を言われたら無視して帰れないじゃねーか。
仕方ない……覚悟を決めて奴も傍まで行くか。
もしもの事を考慮して、対ゾンビ用に鉄の剣を作っておいた。
元患者ゾンビの頭を叩き割った事で、愛用のドラゴンの杖がものっそい汚れてしまったのだ。
流石に拠点内の水場で洗い流すのは気が引けたので、旅の扉をくぐった湿地帯の水で丹念に杖を洗ったけど、やはり手間なのでもう杖ではゾンビを攻撃したくない。
とは言えそれでもゾンビを攻撃するのは避けたいんだ。
汚れてもいい剣で連中の頭を叩き切っても、腐った血や脳が飛び散り服に付く恐れがある。
だから寝た子は起こさないに限るんだよ。
慎重に横たわる死体を避け、蹲るウルスの下へ近付いた。
そして顔にジジイの手紙を押しつけて反応を待つ。
「ち、近いよ……」
「知るか、読め!」
苦しそうに手紙を受け取ると、そのまま読み始めるウルス。
近付く前から息も絶え絶えだったが、手紙を読み進めるごとに顔が悲しみに覆われ、瞳から大粒の涙を溢しだした。
「うっ……うっぅぅぅっ……ゲ、ゲンローワ様……」
「俺はビルダーだ。お前らと違って研究成果をカタチに出来る。さぁ……さっさとゾンビ病の特効薬の作り方を教えろ。冥土の土産なんだから冥土に旅立つ前に言え。間に合うんならお前にも使ってやるから、今すぐ言うんだ!」
「そ、そうか……君はビルダー……なんだね。ゲ、ゲンローワ様は……良い……相棒を……見つけ……られたん……だ。ぼ、僕の……事は……いい。この……手紙と……研究の……レ、レポート……を……ゲ……ゲンローワ様に……渡し……て……く……れ」
死を覚悟して遺書的な物を書いておいたらしい。
書類を2通懐から取り出すと俺に手渡し、そして苦しそうにウルスは息を引き取った。
ルビスがアホだから、こいつは不幸だったんだろう。
そう哀れんで少しだけ立ち尽くしていたが、何時までもここに居るのは危険だし、早々に立ち去ろう……
そう思って振り返ったら……うん、手遅れだったね。
さっきまで予備軍だった死体さん達が、現役デビューして俺を睨んでいたよ。
狭い室内で囲まれて逃げ場無し!
早々に鉄の剣の出番だね♥
リュカSIDE END
後書き
更新遅れてごめんなさい。
ドラゴンクエストビルダーズ2が面白くて……
BIOHAZARD RE 2が気になって……
そんな中、ドラゴンクエストビルダーズ1までも再プレイしちゃってます。
でも恒例の1日更新には間に合わせたよ。
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