うちはオビト逆行物語 改 〜逆行?何それ美味しいの?〜
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幼少編
うちはオビト逆行物語『古い記憶』
前書き
副題【オビトが夢を追及する話】
ご注意願います。
この作品は二次創作品となっており、本誌への多大なるネタバレを含みます。
更に辻褄や都合を合わせる為に作られた出しゃばるオリジナルキャラクターや、本誌に合わせた恋愛、過剰なるグロテスク等の表現をしております。
以上の事を踏まえた上での閲覧をお勧め致します。
第四話です。思わず弥彦達のをそのままくっつけてしまいました。読みづらかったらすみますせん。
リン「オビト最近静かだよね。」
カカシ「…静かな方が五月蝿くなくて良いんじゃない?」
そっと仮面を取る。こんなに緊張したのは何時ぶりだろうか。…普段が殺伐としてたし、こんな普通の緊張なんて早々感じなかった訳だから、まぁ…無いだろうな。
「お前…うちはの者であることには変わりないのか。」
「あぁ、年はお前らと4つほど違う。」
「4つも違ってたの…!?」
「まだまだ子供じゃないか…。」
驚愕とする3人に胸がざわつく。別に今は幼いだけであって、精神年齢はコイツらよりよっぽど上だと言うことを知っているだろうに。
「…俺からしてみれば、お前らは息子娘のように感じるがな。」
「精神年齢的な意味ででしょう?でも、私達だってそれなりに生きていたこと覚えてる?」
全く、と大袈裟にため息をつかれ何も言えない。精神年齢オバサンってか。言ったら絶対殺されるだろうから言わないが。
「それで、名は?」
「…呼び名はトビでいい。」
そう言うと弥彦はムッと顔を顰める。さっきから不機嫌になってばかりだな。自分のせいであると自覚はしているからタチが悪いだろう。
「呼び名、とかじゃなくてだな…!」
「…言っておくが俺は伝えに来ただけであって仲良しごっこをするつもりは無いんだぞ。それにまだお前らが完全に味方になった訳でも無いしな。」
そう言うと長門が口を開く。
「それはつまり、お前は俺達を信用していないという事か。」
「さぁな、そのための口実かもしれないし、それだけが理由ではないのかもしれない。」
濁した俺の言葉に1番に反応したのは弥彦だ。頭を掻きながら変な声が漏れている。
「そういう頭使うの苦手なんだよ…。俺はアンタの提案には賛成してるし、利害の一致した仲間だと思ってる。」
それじゃダメなのか?そう切実に伝えてくる弥彦に思わず口を噤む。その姿が心配そうな顔をして迎えに来てくれたリンと重なって、喉の奥につっかかる感覚を覚えた。
…こういうのには点で弱い、直さないとな。
「…オビト、うちはオビトだ。」
意外にもあっさりとした俺の態度に驚いたのか呆れたのか、そう言うと3人は少しだけぽかんとした表情になったが、すぐさま弥彦は笑って頷いた。
「よろしくな、オビト!」
「…その名は1度捨ててる。出来ればトビと呼んでくれた方がいい。」
「でも、今はまだ捨ててない…そうでしょう?」
小南の先程とは打って変わって優しい顔つきになっていることに気が付き、体が硬直する。…こいつこんな優しい顔も出来たんだな。
「…弥彦が、心が悲鳴を上げてる奴をほっとけないって言ったの、何となくわかった気がするの。」
そう言って頭を撫で出す手を振り払う。訳が分からない。さっきまで恨み、疑っていた奴を撫でるか普通。
「…私には長門や弥彦が居た。でも、貴方にも支えになっている人達がいるんでしょう?だから今も動き続けてる。その人たちの為に。」
「…フン。」
小南の優しい視線がムズ痒くて、そっぽを向けば生意気な弟が出来たみたいだと再び頭を撫で出した。それを見て長門と弥彦は顔を見合わせて、しばらくして笑った。
…今度は手を振り払わないでやろう。
俺は雨隠れから帰り、自分の部屋で頭を整理していた。
そして分かった事があった。
あんの糞爺…。(六道仙人)他の奴も逆行していたなんて、聞いてないぞ。というか、書かれてなかったぞ。
長門達のところにも文があったらしく、全部六道仙人からだという。
何者かが仕組んだ事かもしれないと予想を立てたが、無駄だった。
その話をしているとこに糞爺が実際に来たからだ。
ついでに、なんかいらついたのでぶん殴っといたが。
…まぁ、あとの事をくよくよしても意味がない。ばぁちゃんはもう寝たようなので俺も寝るとしよう。
それに明日も遅刻しないようにしねぇと。明日はいよいよ本格的にアカデミーだもんな。何時になってもアカデミーというのは楽しみだ。
ドロリ、ドロリと何かが流れる。
それはどうやら俺の目の前の人が流しているようで。
…この女性はだれだ。
俺の知る茶色い髪の女の子ではない。
だからと言って赤い髪の女性でもない。
でも。
なぜか知っている。
どこかで見たことがある。
明るい、俺とは違う色の髪に、紅い、あの眼が。
心のどこかで誰か知ることを拒絶している。
見たくない、触れたくない、と。
それでも、見えてしまう、触れてしまう。
そうだ、この人は。
…じゃあ、この光景は?
よく見れば近くにも、同じような人がいる。
…あんたが、じゃあ。
…知らない。
この赤いモノが俺にはよく分からなかった。
慣れているはずなのに、こんなの。
…こんな記憶、知らない。
しらない、だって、数少ない古ぼけた写真でしか見たことないんだぞ?
―――じゃあ、この記憶は、なんなんだ?
目が覚める。
苦しい。
ワケが分からない。
深呼吸をしようとすると余計辛くなる。
誰か、誰か。
たすけて。
誰かの足音。
…ばぁちゃん?
「オビト、大丈夫だよ、ばぁちゃんは此処にいるよ、一人じゃない。」
気がついたら、呼吸が落ち着いていた。
やっぱ、ばぁちゃんはすげー…。
「オビト、今日はアカデミー休んだら?」
「…いや、いいよ、今日は休みたくないんだ。」
「…そうかい、じゃあ無理だけはしないでね。」
「ありがとう、いってきまーす!」
「気をつけていくんだよ、オビト。」
「ギリギリセーフっ…。」
「ほんっとうにギリギリだな。」
「オビト、また遅刻しそうになってる…。」
もう、っせぇな…こっちだって色々あんだよ。
とりあえず席に着き、HRが始まるのを待った。
その間に今日の夢の事について考えてた。
思い出せ。
この中に、何かある。
そう、自分の中で確信していた。
確か、あの時…。
「…オビト!聞いてるのっ!?」
「っ…、あ、なんだリンか…。」
「おい、お前大丈夫か?」
そういや、アスマや紅達もこのクラスだっけ?
「…なに、俺そんな顔色悪い?」
「あぁ、真っ青だ。」
mjk。
「大丈夫?具合悪い?」
「いや、大丈夫、俺疲れてんのかも。」
正直、色々ありすぎて堪えているのはある。
家に帰って、ひとまずは安心した。
…また謎が増えたって感じだな。
俺の両親は一体何なのだろうか。
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