社会人共がクトゥルフやった時のリプレイ
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クロノスを喰らうもの
Part.9
それでは戦闘開始です。そういえば読者の皆様には言い忘れていましたが、うちの卓では戦闘はかなり適当です。ノリと勢いでやってます。と話を戻しましょう。
探索者の皆さん、相手は祟道叡史と【クロノス】の子供たち9人、計10人です。
「10人!?」
全員の部屋での位置をここで確認します。
「あたしが先頭だ」
「私は理人くんと一緒に一番遠い場所に陣取ります」
「私は校長室のデスクの前で刺股を構える」
「俺もそこらへんだ」
「ボクも2人と一緒だね。あ、杖は使わないよ」
オーケー確認を取れました。では第1ラウンド開始です。《DEX》17の遊星くんからの行動ですよ。
「GM、子供たちの耐久力はいくつだ? 公開情報か?」
非公開情報です。
「下手に攻撃できんな。GM、俺は睡眠薬を染み込ませたガーゼを一番動きが鈍そうな子供に嗅がせる! さっき理子ちゃんに使おうとしたやつだ。使えるか?」
使えます。ただし動きが鈍そうな子供を見つけるために《目星》判定を挟んでください。
遊星 《目星》48 → 31 成功
では遊星は動きの鈍い子供を見つけることができました。攻撃判定してください。
遊星 《こぶし/パンチ》50 → 27 成功
子供I《回避》?? → 80 失敗
では一番《DEX》の低い子供を眠らせました。自動成功です。
「よし、まず1人目だ」
「次はあたしだ。GM、祟道叡史は今何か得物を構えているかい?」
構えていません。手に物は何も持っていません。
「よし、《こぶし》だ。あたしは祟道叡史に殴りかかるよい! 子供を殴るのは気が引けるが、あいつは別だ」
「《マーシャルアーツ》は?」
「うっかり殺しちまうと困るから無しだ。手加減してやるから食らいやがれ!」
勇儀 《こぶし/パンチ》75 → 09 成功
では勇儀が叡史に殴りかかった瞬間、子供たちは叡史を庇いに勇儀の前に立ちはだかります。
「なっ!?」
子供たちとの《DEX》対抗です。ちなみにこれは行動可能な子供たちの数だけ行います。
子供たちの《DEX》を公開します。《DEX》11の子供が3人、《DEX》7の子供が2人、《DEX》3の子供が4人です。1人寝てますけどね。
子供A《DEX》対抗 25 → 90 失敗
子供B《DEX》対抗 25 → 48 失敗
子供C《DEX》対抗 25 → 24 成功
「げっ!?」
では子供Cに勇儀の拳が炸裂します。ダメージロールどうぞ。
「待てGM! あたしは《格闘センスの持ち主》だ! もう一度《こぶし》で判定させろ! 成功で飛び出してきた子供に反応して拳を引っ込める!」
認めます。
勇儀 《こぶし/パンチ》75 → 01 クリティカル
1!?
「1!?」
「1クリ!?」
「っしゃあ! クリティカルだぞGM!」
で、では子供Cの《庇う》が失敗したということで。では残り5人との《DEX》対抗です。
子供D《DEX》対抗 05 → 39 失敗
子供E《DEX》対抗 05 → 40 失敗
子供F~H《DEX》対抗 自動失敗
「掻い潜ったぞ! てめえ! ガキに戦わせて庇わせて自分は高みの見物たぁ上等だゴラァ! 歯ァ食い縛りやがれ!」
叡史 《受け流し》?? → 93 失敗
1D3+1D4 → 7
7!? えっ!? 7!?
「はっはぁっ! 最大値だねい! あたしのこの手が真っ赤に燃えるぅ!」
「勝利を掴めと轟き叫ぶ!」
「吹き飛びやがれ! 三歩決殺!」
「ぐふわぁっ!?」
「ゴッドフィンガーじゃないのか。あ、俺だったらスクラップフィストだな」
「シリアスシーンのはずなのにめちゃくちゃだねぇ……」
「全部クリティカルってやつが悪い」
「今回勇儀さんのダイスが荒ぶっていますね……」
あー……えー……7点ダメージですかぁ(コロコロ)……ほっ、良かった。叡史は勇儀の拳を受けて吹き飛びますが、殴られた頬を抑えながら立ち上がります。
「今のダイス……ショックロールを乗り越えたか? 運のいい奴め」
「次は私です。理人くんを庇い続けます。GM、子供たちがこちらに向かってきた場合は私の行動を先に処理させてください。《精神分析》を仕掛けます」
いいでしょう。……おっと、次は《DEX》10の古美門と京楽ですか。では叡史と子供たちの行動を先に処理します。
「くそ、この野蛮なゴミが……!」
と言って叡史は懐から拳銃を取り出します。
さらに《DEX》11の子供3人の行動です。尤も近くにいる人間……この場合ですと勇儀ですね。勇儀に向かって3人がかりで《組みつき》を行います。
子供A《組みつき》50 → 30 成功
子供B《組みつき》50 → 07 成功
子供C《組みつき》50 → 94 失敗
では2人の子供が勇儀に組みつき、動きを封じようとしてきます。
「ぐっ、同じく《組みつき》で受け流す! 75パーセントだ!」
10パーセントのマイナス修正を加えて判定してください。
勇儀 《受け流し》75-10 → 37 成功
「舐めてもらっちゃあ困るねい。こちとら伊達に金持ちの専属ボディガードやってるわけじゃないんだよ。ガキなんぞに後れを取るかい!」
「でかした星熊くん! 今度は私だ! 今星熊くんを組みつこうとして失敗した子供がいるな。そいつの動きを《刺股》で封じる! GM、攻撃に失敗した子供は隙ができているはずだ! ボーナスを要求する!」
認めます。《回避》不可にしましょう。
古美門《刺股》50 → 16 成功
「よし。これで子供の動きを封じたぞ! 遊星くん! 次のラウンドでこいつに睡眠薬を嗅がせろ! この状態なら《回避》できまい!」
「わかった!」
「今度はボクだね。と言ってもやることがないからここは見に回る。今度の誰かの行動の時にすぐに援護できるようにしてほしいな」
わかりました。では次は《DEX》7の子供DとEの行動。先程と同じように2人掛かりで《組みつき》ます。対象は勇儀さん、あなたです。
子供D《組みつき》50 → 56 失敗
子供E《組みつき》50 → 90 失敗
2人とも失敗ですか。では最後、《DEX》3の子供3人で《組みつき》判定。対象は勇儀さんです。
「おおっと待った! ここでボクが行動する! 子供たちが勇儀ちゃんに向かっていくなら、ボクも勇儀ちゃんと一緒に子供たちに組みつかれよう! 《受け流し》判定を済ませちゃった勇儀ちゃんには厳しすぎる!」
認めます。では子供たちは2手に分かれて勇儀と京楽に《組みつき》ます。子供FとGは勇儀に、子供Hは京楽に《組みつき》です。
「よし、助かる京楽!」
子供F《組みつき》50 → 41 成功
子供G《組みつき》50 → 18 成功
子供H《組みつき》50 → 74 失敗
「なんてこった! 勇儀ちゃんに向かった2人が成功! ボクの意味がほとんどなくなっちゃったよぉっ!?」
「ぐっ、《回避》できるかい!?」
出来ます。20パーセントのマイナス修正を加えて判定してください。
勇儀 《回避》65-20 → 32 成功
「よっしよしよし! 今日のあたしのダイスは冴えてるねい!」
うっそでしょう!? 勇儀さんのダイスどうなってんですか!? 狂ってんじゃないんですか!?
「第2ラウンド突入だ。古美門が押さえつけている子供に睡眠薬を嗅がせる。《刺股》で抑えているから《回避》できないな?」
出来ません。
「よし。《こぶし》で判定だ」
遊星 《こぶし/パンチ》50 → 12 成功
「成功だ。子供に睡眠薬を嗅がせたぞ」
自動成功です。子供Cは眠りに落ち、戦闘不能になりました。
「よし、2人目だ。睡眠薬を入手したのは正解だったな」
「私の行動は変わりません。理人くんを守りつつ見に徹します」
「ってことはあたしの行動だねい。……GM! ここはあたしも見に回る! 叡史が銃をぶっ放したら動く! できるかい!?」
認めます。では叡史の行動です。32口径リボルバーを勇儀に向けます。
「よくもやってくれたな女! 死ねぇっ!」
叡史 《拳銃》?? → 99 ファンブル
んなっ!? ファンブル!? しかも故障ナンバーですと!?
「むっ……むっ!? な、何で弾が出ない!?」
「勇儀おまえ運が良すぎだ。普通に子供を眠らせている俺がバカみたいじゃないか」
「ああ、シリアスがどんどん遠ざかっていきます……」
「チャーンス! ここだ! 行くぞ、《キック》でノックアウト攻撃だ! 安心しな、殺しはしないよ。その代わり豚箱がてめえを待ってるぜい!」
勇儀 《キック》75 → 18 成功
え、叡史を守るために子供たちが――
「待てGM、叡史はファンブったんだぞ。さっきの星熊くんのクリティカルで《庇う》を失敗しているのに、ファンブルの時に失敗しないなんておかしいとは思わないかね?」
ぐ……で、では《受け流し》を――
「ジャムったことに動揺している人間……しかも狂人が、平常な判断をすぐに下すことなんて果たしてできるのかなぁ? ボクは出来ないと思うんだけどなぁ」
……半分の値で判定します。それ以上はダメです。
叡史 《受け流し》??/2 → 67 失敗
ですよねー……。
「失敗だな。ダメージロールだ」
1D6+1D4 → 6
「ぐおらっはぁっ!?」
「こらまたどでかいダメージだねぇ……」
の、ノックアウト判定……ですが……え、えー……成功しても失敗しても結果が同じですので省略します。自動気絶です。叡史が倒れたため、子供たちが困ったように右往左往し、やがて呆然と立ち尽くします。戦闘終了です。
「とりあえず子供たちには全員睡眠薬を嗅がせておく。眠っていてもらおう」
「叡史は何かで縛っておくか。あとで邪魔しに来られても困るからな」
「あ、それならボクの手錠を使おう。両手を後ろに回して手錠する」
「お、優秀。足と口も封じておこうかねい。タオルかなんかを適当に拝借して猿轡した挙句に足首を縛る」
「なんというか、その……呆気なかったですね」
クリティカルとファンブルが荒ぶっていましたからね。本当なら遊星と古美門がやっていたような戦闘をするのがベストでした。叡史を直接攻撃するのはトラップだったんですよね。子供が庇ってきますから。まぁ成功したからこんなにあっさり戦闘が終わってしまいましたが。
「今だから聞くけどさGM、子供の耐久値はいくつだったんだい?」
5です。
「ひっくいねいおい。一発殴っただけで死ぬ可能性があったのかい」
「危なかったんだねぇ……勇儀ちゃんの攻撃がヒットしていたらボクはキミも連行しないといけないところだったよ。まぁ罪を軽減できるようにしてあげるけどね」
「《SAN》チェックもあっただろうな。さて、公民館に向かうか。車を出そう」
「待て遊星。叡史の持ち物を物色しよう。何か面白いものを持っているかもしれない。というわけでGM、私は叡史のポケットの中を漁る」
では古美門はジャムっている32口径リボルバーと【クロノスの魔弾】12発、後いらないと思いますが、校長室の金庫の鍵も入手しました。
「ジャムっているリボルバーなんだが、《機械修理》で直してもいいか?」
どうぞ。
遊星 《機械修理》72 → 25 成功
「よし、直った。これで使えるようになったぞ」
「それは遊星くんが持っていたまえ。これで少しは戦闘で役に立つだろう。【クロノスの魔弾】も6発渡す。あとの6発は星熊くんに渡しておこう」
「よし、これで18発か」
「他には特にやることはないですし、向かいましょうか。……おそらく、決戦の場に」
「だねぇ……というか古美門くんは大丈夫なのかい? 《夜に弱い》んじゃなかったかい?」
「大丈夫だ。深夜0時を回らん限りは余裕で行動できるぞ。案外軽いバッステなんだ。夜に行動を起こさないといけないシナリオでない限りはな。というわけで公民館に向かおう」
「よし、じゃあ車までみんなで行って公民館に向かう。GM、《ナビゲート》に成功したら少し早めに公民館に到着できないか?」
うーん……あんまり意味ないんですよね。でもせっかくの申し出ですし、うーん。
「あ、別に無理しなくてもいいぞ、GM」
……いえ、いいでしょう。内容は秘密にしますが、《ナビゲート》成功であなた達にとって明らかに得になるような展開を用意します。ただし、失敗すると損な展開が待っています。まぁ普通にやっている分にはどこを弄ったかわからないところをちょっと変更するだけなので、振るのは全然ありっちゃありです。
「……どうする? 《ナビゲート》は80なんだが」
「80パーセントなら振る方がいいのでは?」
「あたしだったら振るねい。メタ読みになるんだけどさ、このGMのアドリブはかなり甘っちょろいから、成功したら多分GMが想像している以上にいいことが起る」
そんなに甘いですか? 私のアドリブ。
「《SAN》チェック系はエグいけど、それ以外はマジで甘い。だからおまえがGMやるとあんまりキャラロスト起きないんだよ。シナリオが詰むことはないけどねい」
マジですか。
「てなわけで、あたしは振ることを勧めるよい」
「ボクは……まぁ、リスクを考えるなら振らない方がいいかもねぇ。でも、結構いいことが起るらしいし、振っていいんじゃないかな?」
「ああ、振りたまえ。ここは少しでもいい方向にもっていきたいからな。多少のリスクは覚悟の上だ」
「よし。じゃあ《ナビゲート》だ」
遊星 《ナビゲート》80 → 48 成功
では遊星は地図通りにスムーズに車を走らせ、皆さんは村のはずれにある公民館に辿り着きました。
「公民館の様子はどうなっている?」
見た感じは特に異常はありませんね。まぁ、廃村の今は誰にも使われていないはずの公民館の中に薄く明かりが灯っているのが異常といえば異常ですが。電気は点いておらず、蝋燭の炎らしき明かりがゆらゆらと揺れています。
「よし、公民館に突入だな」
「待て。ここは《忍び歩き》と《隠れる》で念入りに入ろう。私が振る」
古美門《忍び歩き》72 → 54 成功
古美門《隠れる》70 → 70 成功
「よし、成功だ。私についてきたまえ。当然先頭」
「古美門の後に私物の45口径のオートマティックを構えて続く。2番目だ」
「理人くんと一緒に続きます。3番目」
「俺は最後尾でいい。最悪ロストしても大丈夫なステータスだからな」
「じゃあボクは4番目で。杖を構えておこうか」
ではあなたたちは音を立てずにろうそくの明かりを頼りに公民館の中を進んでいくと、やがて広く開けた場所に辿り着きました。ここは公民館の大講堂。デザインなのでしょう、ガラス張りになっている一部の天井から差し込む月の光が壇上を怪しく、しかしどこか神秘的に照らしています。
どこか異様な雰囲気を醸し出す大講堂のステージの床には、白いチョークのようなもので書かれた巨大な五芒星が、そしてその五芒星の頂点にあたるところにはそれぞれ彫刻らしい物が丸い小さなテーブルに設置されています。
その中の1つ……少し前にあなたたちが直視した【クロノス様】の偶像を両手で包むようにしながら、その少女は椅子に座っていました。紺色のローブを纏った、顔半分に火傷の後のある少女は瞑目しながらぼそぼそと何かを、まるで唱を謳うように呟いています。
「リコ! リコォッ!」
その光景を見た理人くんは飛び出し、ステージの方に向かって走っていきます。
「これマズいんじゃないかい!?」
「マズいですね! 急いで理人くんを追います! 《DEX》16です!」
「俺も向おう! 《DEX》17!」
えー、ではステージに向かい走り出した理人くんと彼を追う咲夜と遊星。大講堂とはいえ、所詮は村の公民館であるために入口からステージまでの距離は近く、少し走ればすぐにステージに行けます。このままいけば遊星と咲夜が理人くんを捕まえる前に、理人くんは理子のもとに辿り着けるでしょう。
しかし、まるで鉄砲玉のように駆けだした理人くんの前に理子が着ているものと同じデザインの紺色のローブを纏った中年の女性が現れます。探索者の皆さんはその顔に見覚えがあります。
直接会うのは初めてですが、テレビやらなんやらでメディアに進出している都議会議員にして【クロノスの光】の総帥、祟道智代です。
祟道智代はあなた達と理子との間を塞ぐかのように立ちはだかり通せん坊をしてきます。理人くんは走るその足を止め、彼女を睨みつけています。
「黒幕のご登場か。よし、私もそこに向かうとしよう」
「ボクも行こう」
「あたしも行こうか」
「私は祟道智代から守るように理人くんを腕で制して話しかけます。理人くん、落ち着いてください」
「でも理子が!」
「ですから落ち着いてください。大丈夫です。絶対に助け出しますから。と言いつつ少しずつ後ろに下がらせて祟道智代と距離を取ります」
「俺は……ここに残ろう」
「というわけでロールプレイだ。やぁどうもお初にお目にかかる祟道議員。私は探偵の古美門です。当然、ご存知ですよねぇ? あんなに素晴らしい歓迎をしてくれたんですからぁ。さて自己紹介も済んだことですし本題に入らせていただこう。早速ですまないがこちらも時間がなくてねぇ。こほん。――今すぐ理子くんの洗脳を解き自由にしたまえミセスクレイジー」
「そうはいきません。……あの薄汚い児童養護施設で巫女を見つけ出してから数年……私たちの娘、理子はクロノスの巫女としてついに完成したのですから」
「洗脳して自分の都合のいい駒くらいにしか考えていない理子ちゃんをどの口が自分たちの娘とぬかしますか。御託はいりません。理子ちゃんを解放してください」
「都合のいい駒? いいえ、違います。理子は気が付いたのです。自分が受けたあらゆる理不尽。その原因が一体何なのかを。理子は自ら志願して私たちに教えを乞いてきたのです。ですから私たちはありとあらゆる教育を施しました。私たちは理子の願いを叶えたに過ぎないのです」
「おまえたちがそれと錯覚させるように仕向けたんじゃないのか? それが理子ちゃんの本当の願いだと、おまえの支持する【クロノス様】とやらに誓えるのか?」
「誓えますよ。言ったでしょう。理子はクロノスの巫女として完成した、と。理子は大いなるクロノス様を崇拝する完璧な信者となったのです」
「……クロノス様……クロノス様が全てをあるべき姿に戻してくださる……」
「そう、理子。あなたが幼少の頃から受けてきた理不尽は全て、矮小なる人類が世界の支配者を気取っているが故の不幸! 大いなるクロノス様だけが、あなたを幸せにしてくれるのです!」
「そんなことはありません!」
「あー、もういいよ。続きはいくらでも聞いてあげるから、とりあえず署までご同行願おうか?」
「ふふふ、それに私が首を縦に振ると思いますか? もとより私はあなた達に従うつもりも……そしてあなたたちを無事で帰すつもりもありませんよ。神聖なる聖域に土足で踏み込んできた罪……その身で味わうのがよろしい」
そう言うと智代はぶつぶつと何かを唱え始めます。《聞き耳》を振るまでもなく聞こえてくる彼女の言葉の数々、そしてそのリズムから、地下室で聞いたあの冒涜的な呪文であることがわかりますが、もはや探索者のあなたたちに成す術はありません。
やがて彼女の目の前の空間が歪んでいき(コロコロ)……そこから2体の空鬼が出現しました。
「2体!?」
探索者の皆さん、そしてついでに理人も、その醜悪なバケモノを直視したことにより《SAN》チェックです。そうですね。全員初めに直視した時に減少した《SAN》値が少なかったですし、0/1D5+2で判定していいですよ。理人くんは1/1D10+2ですけどね。あ、不定の狂気カウンターはリセットしてください。GMが許可します。
古美門《SAN》52 → 30 成功
勇儀 《SAN》54 → 71 失敗
咲夜 《SAN》36 → 32 成功
遊星 《SAN》39 → 74 失敗
京楽 《SAN》42 → 45 失敗
理人 《SAN》55 → 32 成功
「ち、戦闘技能持っているやつらが軒並み失敗か」
「《精神分析》持っている私が無事ですから……あ、でも《精神分析》って1時間くらいかかるんですよね?」
今回は1ラウンド消費することで作用することを認めてあげます。
「助かるよい。(コロコロ)……4。あたしは無事だねい」
「(コロコロ)……あ、5だ」
「(コロコロ)……マズいかな。6」
5点以上、減少した遊星くんと京楽警部。《アイデア》チェックです。
遊星 《アイデア》70 → 21 成功
京楽 《アイデア》70 → 16 成功
「やっほい、一時的発狂だ。初発狂だから《クトゥルフ神話》技能5パーセント獲得だねぇ」
「また俺発狂したのか」
では発狂の種類を決定しましょうか。1D10をどうぞ。
「(コロコロ)……9」
「(コロコロ)……あ、ボクも9だ」
「珍しい」
9番はですねぇ……異常食です。
「……なぁ、京楽」
「……なんだい、遊星くん」
「俺、実は思ったことがあるんだ」
「ああ、ボクもだよ。奇遇だねぇ」
「じゃあせーので思ったことを言おうか」
「いいよ。せーのっ――」
「「――空鬼を調理して食べよう!」」
「はぁっ!?」
「なに言ってんだいこいつら!?」
「よくよく考えたら空鬼の肉なんて滅多に食べられるものじゃない。ここは確実に仕留めて食べてみよう。案外いけるかもしれない!」
「咲夜ちゃん、《製作》に技能振っていたよね? じゃあさ、あの空鬼倒したら調理してくれないかい?」
「え、ええっ!? 嫌ですよっ!? というかあんなバケモノ捌きたくないですよ!?」
あ、そういう発狂しますか? じゃあこれは普通にロールプレイさせて大丈夫そうですね。では戦闘ラウンドに入りまーす。
「「よーし、頑張っちゃうぞー!」」
「マジでこいつらアレを食うつもりなのか……」
「私、アレの解体ショーをやらないといけないんでしょうか……」
「……まぁ、役に立たんよか断然マシだ」
というわけで次回も戦闘です。物語はクライマックスを迎えていますよー。頑張ってくださいねー。
――To be continued…
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