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許されない罪、救われる心

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11部分:第二話 部活からその三


第二話 部活からその三

「それはね」
「そうですか」
「そうよ、楽しんで」
 こう神無に言うのである。
「是非ね」
「わかりました」
 神無も部長のその言葉に頷いた。
「それじゃあ」
「それじゃあ早速練習をはじめましょう。皆いいわね」
「はい」
「わかりました」
 皆部長のその言葉に頷いた。そして神無もまた練習をはじめた。しかし彼女はお世辞にも運動神経はよくなかった。足は遅いし瞬発力もなかった。
 ボールが来ても中々受け取れない。長月達はそれを見てくすくすと笑う。
「おいおい、何だよあれ」
「そうよね」
「全然駄目じゃない」
 文月と霜月もそれを見て笑っている。
「うち等の最初よりずっと悪いよな」
「っていうか運動神経ゼロ?」
「あれでラクロスやるなんてね」
「そうね」
 如月も三人のその言葉に頷いた。
「全然駄目よね」
「っていうか運動なんてするなよ」
「そうよ、運動音痴なんだったら」
「そんなことしない」
「そうよね」
 しかしだった。部長はだ。その神無に対して言うのだった。
「最初は誰だってそうだから」
「すいません、私」
「だからいいのよ」
 神無に対して微笑んで述べていた。
「それでね」
「いいんですか」
「だから。最初から上手って天才じゃない。天才なんてそうはいないわよ」
「はあ」
「それでだけれど」
 ここでだ。部長はこんなことも言ってきた。
「今マネージャーいないんだけれど」
「マネージャーですか」
「そう、今マネージャーがいないのよ」
 また神無に対して話す。
「だから。よかったら」
「私が、ですか?」
「どう?」
 微笑んでの言葉だった。
「マネージャー。やってみる?」
「私でよかったら」
 神無は少し謙遜して返した。
「御願いします」
「よし、その頭脳期待してるわよ」
 入学テストのことだった。それは部長にも伝わっているのである。
「うちの部活の為にね」
「わかりました」
 こうしてだった。彼女はラクロス部のマネージャーにもなった。しかしこれもまた如月達の反感を買うことになってしまったのである。
「おい、聞いたよな」
「ええ、聞いたわよ」
「マネージャー!?何よそれ」
 傍から見ていた三人が顔を顰めさせて言う。
「入って初日でってな」
「えこひいきよね」
「絶対ごますったのよ」
 初日だからそれは少し考えればないことがわかる。しかし今の三人にはそうしたこともわからなくなってしまっていたのである。
「嫌な奴だな、想像以上に」
「うんうん、もう絶対に許さない」
「徹底的にやってやろうよ」
「そうね」 
 それに如月も加わって頷く。
 
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