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許されない罪、救われる心

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103部分:第十話 襲撃の後でその二


第十話 襲撃の後でその二

 皆にだ。また言った。
「座ってもらおう」
「ああ、座れよ」
「座らせてやりましょうよ」
「ほら、立てよ」
 四人と取り囲んでその腕や髪の毛を掴んでだ。無理に座らせる。その中で如月が俯きながら言った。
「嫌・・・・・・」
 小さな声だった。だが確かに言った。
「もう、嫌・・・・・・」
「ああ!?嫌じゃねえんだよ」
「あんた達がやってきたことじゃない」
「早く座れよ」
「さっさとね」
 皆その彼女に冷酷に言い放ってだ。そうして四人共座らせたのだった。
 当然接着剤で動けなくなる。岩清水はその四人の頭や身体に今度はにかわをかけていく。そのうえで皆をまた煽る。
「これで何でもくっつくよ」
「ほら、飾ってやるよ」
「いじめっ子は死ねってね」
「もうクラスメイトじゃねえよ、御前等」
「学校来なくていいから」
 皆こう言いながら紙に糾弾する言葉を書きそれを四人の身体や頭に貼り付けていく。ゴミも投げ付けてくっつかせる。
 そしてだ。岩清水はさらに仕掛けた。
「学校の皆にも見てもらおうよ」
「ああ、いじめっ子がどうなるかな」
「丁度いいみせしめよね」
「それじゃあ」
「いじめは絶対に許したらいけない」
 岩清水は正義を振りかざすことも忘れない。
「それを皆に知ってもらおうよ」
「ああ、じゃあ二年や三年の人も呼んでな」
「見てもらいましょう」
 こうして四人は全校の晒し者になった。岩清水はそのうえ彼女達を校内で引き回しにさせた。そうしてその最後にだった。 
 グラウンドの真ん中に四人をやってだ。拡声器で訴える。彼と四人の周りには引き回しについて来た全校の生徒が集まっている。
 彼等を前にしてだ。岩清水は訴える。
「皆さん!」
「ああ」
「何だ?」
「どうしたの?」
「この四人は今まで自分から反省したと言ったでしょうか」
 こう周囲に訴えるのである。
「あれだけのことをしてです。それでもしたでしょうか」
「いや、ないよな」
「そうよね、ないわよね」
「つまり全然反省してないんだな」
「あれだけのことしてね」
 また忌々しげに言う彼等だった。
「とんでもない奴等だよな、本当に」
「最低よね」
「全くだよ」
「図太い奴等ね」
 俯いて何も言えない四人を見ながら悪し様に罵る。四人はまだ身体ににかわを付けていて貼り紙やゴミもそのまま残っている。
 その四人を見ながらだ。岩清水はさらに言う。
「本人達の口から自分達が何をしたか言わせるべきです」
「ああ、言え!」
「言いなさいよ!」
「黙ってても許さないからな!」
「早く言いなさいよ!」
 皆四人を四方八方から糾弾する。それを受けてだった。
 岩清水がだ。四人に対して言う。
「皆はこう言ってるよ」
「け、けれど」
「もう、そんな・・・・・・」
 生気も気力も完全になくしている四人にはだ。とても言えないことだった。しかしである。皆はその彼女達を容赦することはなかった。
「言え!」
「言えよ!」
「自分達の口でね!」
「自分で言いなさいよ!」
「え、ええ・・・・・・」
 四人は糾弾を受けて頷いてだ。そうしてだった。
 岩清水はマイクを出してきた。周りの一人がそれを受け取るとすぐに如月に投げ付けた。マイクは彼女の胸に当たりそれでグラウンドに転がった。
 
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