デジモンアドベンチャー Miracle Light
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第91話:人質は確かに厄介だが、人質が問題ありなら脅威にはならない
前書き
ベリアルヴァンデモン戦
選ばれし子供達とベリアルヴァンデモンの3年前の決着を着けるための戦いが始まった。
「ヒカリちゃん達は子供達を避難!!太一さん達はデュナスモンのサポートを頼みます!!」
大輔はまず、子供達の避難をヒカリ達に任せて同じ究極体に進化出来る面子でベリアルヴァンデモンに挑む作戦で行く。
「任せとけ!!ガブモン!!」
「アグモン!!」
「ワームモン!!」
「メイちゃん!!」
太一達がデジヴァイスとD-3をパートナーに翳す。
「「「「おう!!ワープ進化!!」」」」
「メタルガルルモン!!」
「ウォーグレイモン!!」
「バンチョースティングモン!!」
「ラジエルモン!!」
パートナーの声に応え、ガブモン達も究極体に進化するとベリアルヴァンデモンに向かって行く。
「まるであの時の再現だな。」
「そうだな、だけどあの時と違うのはお前が今度こそ地獄送りになることだあ!!」
「それはこちらの台詞だ!!」
デュナスモンとベリアルヴァンデモンの拳が激突する。
だが、パワーはやはりデュナスモンが上なのかベリアルヴァンデモンが幾らか吹き飛ぶ。
「ぐっ!!」
「今だみんな、攻撃を!!」
ベリアルヴァンデモンに出来た隙を見て、大輔がウォーグレイモン達に指示を飛ばした。
「ガイアフォース!!」
「コキュートスブレス!!」
「爆雷天!!」
「ノウレッジストリーム!!」
吹き飛んで体勢を崩したベリアルヴァンデモンにウォーグレイモン達が一斉攻撃。
それは見事にベリアルヴァンデモンに炸裂した。
「ぐあああああ!!?」
『うわああああ!!?』
「ん?今、一乗寺治の声がしなかったか?」
「確かに…空耳か?」
ウォーグレイモン達の攻撃がベリアルヴァンデモンに直撃した瞬間に治の声が聞こえてきたことにヤマトと太一が疑問符を浮かべた。
「空耳ではない!!今や一乗寺治は俺と一体化している。つまり俺がダメージを負えば一乗寺治もダメージを負うと言うことだ!!」
「え?そんな!?」
芽心が目を見開きながらベリアルヴァンデモンの言葉に思わず叫んだ。
人質…確かにそれは善人である大輔達やブイモン達には有効な手段だ。
だが、それは…。
「それがどうしたあ!?X進化、デュナスモンX!!ドラゴンズガスト!!」
「『ぐわあああああああ!!?』」
【攻撃したあ!!?】
一乗寺治が善人であり、大輔達とブイモン達の怒りを買っていなければの話だ。
「受けろ日頃の恨みぃ!!ドラゴンズロア連射だああああ!!」
両手から放たれるエネルギー弾の連射。
そして駄目押しとばかりに全身を巨大な飛竜のオーラにしてベリアルヴァンデモンに突撃した。
「天魔覆滅!消えろ!ブレス・オブ・ワイバーン!!」
「『ぎゃあああああ!!?』」
巨大な飛竜のオーラが見事に容赦なく炸裂し、ベリアルヴァンデモンと治の悲鳴が響き渡る。
「ちょ、あんた何やってんの!?確かに問題児とは言え変態仮面は一応人質なんだけど!?」
「はっ!!知ったことか!!確かにヴァンデモンに取り憑かれていたとしてもあの変態仮面の本心であることは確かだろうがよ!!」
京の叫びにデュナスモンXは構わずベリアルヴァンデモンを殴り飛ばす。
「一乗寺治さんが死んだらどうするの…?」
「いや、変態仮面の心配をする必要はほぼないと思うよヒカリちゃん。」
「え?どういうこと?」
あれだけ殴られたり、必殺技を叩き込まれているのに治の心配をしなくて良いと言うのは一体どういうことだろうか?
「どうやらあの一体化はオメガモンの合体やらアーマー進化と似たような物のようだね。多分ベリアルヴァンデモンを一体化出来ないくらいにボコボコにすれば一体化は解除されると思うから死ぬ心配はないよ」
「あ、そっかー」
ヒカリの心配に賢が自分の推測を説明することであっさりと納得させた。
光子郎もパソコンでベリアルヴァンデモンと治の一体化現象を調べたのか頷いた。
「はい、どうやらベリアルヴァンデモンを叩き潰せば自然に一体化は解除されるようですね。なら遠慮する必要性は全くないです」
「き、貴様ら悪魔か…っ」
「悪魔?…お前に言われたくないわー!!」
「『ぐはあ!?』」
デュナスモンXの回し蹴りが炸裂してベリアルヴァンデモンと治にダメージを与える。
「どうした?俺にはまだマグナモンへの進化が残っている。マグナモンは暗黒系に対して物凄く強力なデジモン。そして俺にはマグナモンの強化形態までが存在する!!お前に勝ち目なんて欠片も無いぞ…!!」
凶悪な笑みを浮かべるデュナスモンX。
禍々しいデュナスモンXの容姿も相俟ってどちらが悪の魔王なのか分からない状態になっている。
「くっ…ぐうう…化け物め…」
予想を遥かに上回る強さと治に対する冷たさに歯軋りするベリアルヴァンデモン。
「さあ、行くぜ!!今度はマグナモンだ!!」
「おう!!アーマーチェンジ、マグナモン!!」
「ぬおっ!?」
マグナモンに進化し、そのあまりの神々しい光にベリアルヴァンデモンが苦しむ。
「さあ、今度はあの時見せられなかったマグナモンのフルパワーを見せてやるぜ!!」
そしてマグナモンが閃光となってベリアルヴァンデモンに飛び掛かり、凄まじい衝撃がベリアルヴァンデモンを襲った。
「マグナムキック!!」
「ぐはあ!?き、貴様…俺にダメージを与えると一乗寺治にダメージが及ぶと言うのに…」
「はあ?さっきも言った通り、デジタルワールドでのことはそいつの本心でもあるだろ?俺達の怒りを買いまくって今更そんな奴を人質にしたくらいで俺達を止められると思うなあ!!」
再び繰り出される強烈な蹴りによってベリアルヴァンデモンが吹き飛ぶ。
「ぐあっ!?」
「まだまだあ!!迸れ、俺の雷ぃ!!プラズマシュート連射!!プラズマシュート!!プラズマシュート!!プラズマシュート!!プラズマシュート!!プラズマシュート!!プラズマシュート!!プラズマシュート!!プラズマシュート!!プラズマシュート!!プラズマシュート!!プラズマシュート!!プラズマシュート!!プラズマシュート!!!」
圧倒的なまでの数のミサイルとプラズマ弾の嵐を受けるベリアルヴァンデモン。
『うわああああ!?』
「ぐあああああ!!?き、貴様…」
ミサイルとプラズマ弾は見事に全弾命中。
治とベリアルヴァンデモンがダメージを受けて叫ぶものの、マグナモンの攻撃は更に熾烈となる。
「打ち砕け!ミラクルグリッター!!ミラクルグリッター!!ミラクルグリッター!!ミラクルグリッター!!ミラクルグリッター!!ミラクルグリッター!!ミラクルグリッター!!ミラクルグリッター!!ミラクルグリッター!!ミラクルグリッター!!ミラクルグリッター!!ミラクルグリッター!!ミラクルグリッター!!!」
「『がああああああ!!』」
絶え間なく連続で叩き込まれる鎧から放射される灼熱の光。
光属性であるこの技は当然ながら闇属性のベリアルヴァンデモンにとても効く。
「まだまだあっ!俺達の日頃の変態仮面への怒りはこんなもんじゃないぞ!!シャイニングゴールドソーラーストーム!!シャイニングゴールドソーラーストーム!!シャイニングゴールドソーラーストーム!!シャイニングゴールドソーラーストーム!!シャイニングゴールドソーラーストーム!!シャイニングゴールドソーラーストーム!!シャイニングゴールドソーラーストーム!!シャイニングゴールドソーラーストーム!!シャイニングゴールドソーラーストーム!!ふう…少し休憩…続いてシャイニングゴールドソーラーストーム!!シャイニングゴールドソーラーストーム!!シャイニングゴールドソーラーストーム!!シャイニングゴールドソーラーストーム!!シャイニングゴールドソーラーストーム!!シャイニングゴールドソーラーストーム!!シャイニングゴールドソーラーストーム!!シャイニングゴールドソーラーストーム!!!とどめの鉄槌!マグナムパンチぃいいいーーー!!!!」
「『ぐぎゃああああああ!!!?』」
空間にすら影響する程のレーザー光が絶え間なく繰り出され、徐々に威力が上になっていくと言う最早拷問レベルの攻撃。
とどめの大振りの拳は御丁寧にも聖なる光を纏わせているので恐らくはエンジェモンのヘブンズナックルを真似た物だろう。
確かエンジェモンなどの天使型デジモンは善の存在には優しく、悪の存在には厳しいらしいが、流石の天使型でもここまで徹底的にはやらないだろう。
と言うかベリアルヴァンデモンがマグナモンの今年から今までの治へのストレスを発散させるためのサンドバック状態となっている。
「これで終わりじゃないぞ変態仮面!今までのお前へのストレスをここで全てぶつけてやる!!」
クワッ!!
まだまだ発散出来てないのか、鬼の形相でベリアルヴァンデモンと治を睨むマグナモン。
『ひ、ひぃいい!!』
治の恐怖に染まった悲鳴が響き渡る。
「喰らえ!!そしてくたばれ!!変態仮面とついでにベリアルヴァンデモーーーーンっ!!!プラズマシューーーーーートっ!!!だーだだだだだだだ!!!でぇえええええやあああああああっ!!!!!(#゚Д゚)ノ」
「『ぎゃああああああ!!!』」
踵落としを叩き込んで地面に沈んだベリアルヴァンデモンに向かって無慈悲なまでに降り注ぐミサイルとマグナモンの両手から発射されたプラズマ弾の雨。
それはまるで某野菜王子の弾幕の如く。
今のマグナモンの気迫はデーモン戦の時は愚か、3年前のアポカリモン戦時をも遥かに上回っていると言っても過言ではない。
顔文字がついてる所を見ればどれだけマグナモンの治へのストレスが溜まっていたのかお分かり頂けるだろう。
「行けー!!そこだー!!」
「殺っちゃえ殺っちゃえー!!」
ゴマモンやパルモンに至ってはマグナモンを嬉々として応援する始末である。
「…………」
「どっちが悪者だか分からんなあ…」
完全なワンサイドゲームに太一が沈黙し、ヤマトが思わずポツリと呟いた。
「ハッ、自業自得よ」
「エンジェウーモン……」
「な、何よヒカリ…私は謝らないわよ!?」
鼻で笑うエンジェウーモンにヒカリは微妙な表情を浮かべ、エンジェウーモンは慌てるが撤回しなかった。
「と言うより良くエネルギーが保ちますね」
「あ、本当。あんなに技を乱発したらすぐエネルギー切れになりそうなのにねメイメイ」
拷問レベルの攻撃を乱発しているのにマグナモンのエネルギーは全く衰えていない…寧ろ増している気がする。
「ふむ、どうやらこの世界は想いが力になる世界のようですね。多分、マグナモンが一乗寺治とついでにベリアルヴァンデモンを叩き潰したい想いが強いから全くエネルギー切れにならないんですよ」
治が本命でベリアルヴァンデモンがついで扱いなことにツッコミを入れるべきかもしれないが、結果としてベリアルヴァンデモンも倒せるから問題ないだろう。
【ああ、なる程】
「って、ちょっと待ってくれ想いが力になるってことは……もしかして…」
「太一…?」
「ヤマト、試して見ようぜ」
「お前まさか…」
太一の考えを察したヤマトが太一の方を振り向いた。
「そのまさかだ!!行くぜウォーグレイモン!!」
「おう!!」
「仕方ないな…メタルガルルモン!!」
「分かった!!」
デジヴァイスを翳すとウォーグレイモンとメタルガルルモンの体が変形し、腕の形となる。
そして間に2体の力を振るう肉体が構成され、ディアボロモンのウォーゲームで猛威を振るったオメガモンが再び降臨した。
これからがベリアルヴァンデモンと一乗寺治の本当の地獄だ…!!
後書き
ラスボスって何だっけか
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