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繰リ返ス世界デ最高ノ結末ヲ

作者:エギナ
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10.魔法学院(別世界)から魔王と魔女がやってきました。
  stage1

 
前書き
こっちの作品の琴葉視点 

 
 目を開けると、最初に飛び込んできたのは黒い空。所々、ノイズが走っている部分がある。ゲームかとツッコミたいが、如何やら事情がありそうな気がする。
 背中には砕けたコンクリートの感覚。恐らく、地面は瓦礫で埋まっているような物なのだろう。

 一息吐いてから体を起こす。転生―――と言うよりかは、召喚や転移の方が近い―――後は、大体精神が体と同じ波長になるまで時間が掛かるので、暫くは頭痛や目眩が酷いのだが、今回はそうでもなさそうだ。
 時の旅人で面倒臭いことの一つ。精神は別の世界へ受け継がれていくが、肉体は世界毎に創られるため―――と言っても外見はそっくりで、其の世界に適合するように、世界毎に若干違う波長を持っている―――精神と肉体が完全に重なるまで殆ど動けない。此れまでも其の所為で、百近く死んでいるのでは無いだろうか。

 完全とまでは行かないが、殆ど同調が完了した体を動かす。辺りを見回すと、矢張り瓦礫だらけだった。建物は、全て白く塗られている。が、家などでは無く、半壊したビルや店等だ。家は殆ど瓦礫に変わっている。
 後は、

「…………気味悪いなぁ」

 地面や残っている建物に巻き付いた、黒い棘が印象的だ。所々に黒薔薇も咲いている辺り、私がそう思うのも無理は無いだろう。

 地面―――瓦礫だが―――に手をつきながら立ち上がった直後。


「琴葉さんっ…………!!」


 如何やら、此の世界のレンが迎えに来たようだった。

 今、私が着て居るのは、黒い足までを覆うローブに白いブラウス、オパールが用いられたループタイ、黒のフレアスカート、黒のブーツ。黒ずくめの魔法使いの様な格好だ。属性で言ったら、闇属性と言ったところだ。確かに私は夜行性だし日光の下に出るのは嫌いだがそれは全て前の世界の私の上司フランさんが悪い訳で私自身は本当は火属性等の主人公っぽい魔法や水属性の様なヒロインの様な属性が得意であってもおかしくないだが私の存在はあまりにも特殊すぎるので無属性と言うのもありかも知れないけどこう言う時一番役に立ちそうなのは光属性だろう闇属性って此の世界で需要あるか不思議なのだが。
 対して、レンが着て居るのは、緑のラインが入った白いローブ。前側をしっかりと止めているため、中は分からないが、此れは光属性っぽい感じだ。

 さて、此の世界が大体分かってきたな。

 此の世界は魔族や人間対侵略者の戦争があったのだろう。そこで、恐らく侵略者側が勝利し、世界が今の様になった。そこで、魔族と人間は協力して組織を作り、侵略者を滅ぼして回っているのだろう。その組織の色が白で、侵略者側の色が黒。現在―――と言うか、私が此の世界に来る数分前まで、私は侵略者側へスパイとして潜入していた。が、侵略者側に正体がばれ、命からがら此処まで逃げてきて、レンが回収しに来た、と言うところか。

 それよりも、此の世界でもレンは私より下なのか…………まだ一度もレンが上に居たことが無いのだが。


「嗚呼、レン。如何為たの?」

 ふむ、声は余り変わっていない様だ。数百回程度だが、異常に声が高かったり、低かったりした時があった。

「"如何為たの?"じゃないですよ! 早く逃げてください!! 侵略者(インベーダー)に追い付かれます!!」

 まぁ、予想は当たりか。

 此の近くに違う世界の私とノアさんが居ないという事は、二人は侵略者側になった可能性がある。その場合、かなり面倒なことになりそうだ。

 早くラルとグレースと合流したいところだが、此の状況じゃ無理そうだ。
 因みに、私達時の旅人の組織"軍(仮)"は、全員が一つの世界で望みを叶えられなくなった場合、皆が自殺をして、別の世界に飛ぶ。稀に、時の旅人は全員殺された事があるが、その時は生きている者のみが自殺をする。

 今日は丁度その日だったのだ。

「はいはい。早く逃げますよ」

 取り敢えず返事をして、地面を強く蹴る。それと同時に、身体強化を脚だけに使う。すると、通常の数十倍の距離が一歩で移動できるようになる。此の世界でも能力は鈍っていない様だ。
 因みに、能力が全く使えなかったことが四回、能力が半分くらいまで制限されたことが一七一回、能力が八割程しか使えなかったことが一〇五六回ある。能力が変わってしまったりする頻度は、人に因って変わるらしく、キュラルはそれが少なく、逆にグレースは多い。私はほぼ無いと言っても良いくらいだ。

 暫く身体強化を使いながら走った事で、レンが置き去り状態になっているかなぁと振り返ると、
「如何為ましたか? 僕の顔に、何か付いてますか?」
 後ろに居た。
 レンの足下には、氷が広がっていて、此れが魔法かぁと思う。如何やら、レンは魔法を使って移動してきた様だ。

 此の世界では、能力が退化した代わりに、魔法が進化したのだろうか。

「否、何でも無い。それより、此処まで来れば――――――」

 私が其処まで言ったところで、耳を劈く様な警鐘が、街の中に鳴り響く。一体何の騒ぎだ。



侵略者(インベーダー)が街に現れました。戦闘員は直ちに戦いなさい――――――』


 何だ? 侵略者如き、そんなに騒ぐ必要――――――


「炎よ爆ぜろ、広く広く、踊り狂え――――――」

 …………此れ、何処かで聞き覚えがある。
 レンも足を止め、その詠唱に耳を傾けている。

「炎よ裂けろ、黒く黒く、闇に染まれ――――――」

 魔法か…………となると、前の世界?
 彼の二人……と言っても、別世界の私の方。

「此の世の全てを吹き飛ばせ、此の世の全てを黒に染めろ。天から降り注ぎし流星の如く、此の世を焦がせ――――――」

 あ、思い出した。
 でも、発動まで時間が無い。対策として手を打つことは……出来ないな。


 爆裂魔法だ。


「此の世の理を滅しろ、全てを壊せ。此の世の全てを破滅しろ――――――《爆裂魔法(エクスプロージョン)》」


 目の前が純白に包まれる――――――

 
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