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オズのエリカ

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第九幕その十一

「はじめるものだし」
「だからなのね」
「眠いから寝て」
 また欠伸をして言ったエリカでした。
「そうしてね」
「十時にお茶を飲んでから」
「出発すればいいじゃない」
「マイペースね」
「猫は自分のペースを守るものよ」
 マイペースこそ猫だというのです。
「だからね」
「それでいいの」
「いいのよ、じゃあね」
「このままなの」
「そう、ゆっくり寝て」
「十時までは」
「そうすればいいじゃない」
「まだ六時だよ」
 かかしがここでこうエリカに言いました。
「四時半に起きて御飯を食べたけれど」
「あら、まだそんな時間なの」
「うん、これから寝たら」
 それこそというのです。
「四時間寝ることになるよ」
「僕達は寝ないけれどそれだけ寝たら」
 樵も言ってきます。
「結構じゃないかな」
「そういえばそうね」
「それ位寝ると」
 どうにもというのです。
「寝過ぎじゃないかな、夜寝てそれだけは」
「猫は一日の三分の二寝るわよ」
「それじゃあなんだ」
「それ位寝てもね」
 四時間寝てもというのです。
「別にいいでしょ」
「そういうものかしら」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「別に寝てもいいでしょ」
「じゃあ僕達はどうするのかな」
「エリカが寝ている間は」
 臆病ライオンと腹ペコタイガーはエリカに彼女が寝ている間の自分達のすべきことについて尋ねました。
「一体」
「ここで遊んでいるのかな」
「遊んでもいいし寝てもいいでしょ」
 これがエリカの返事でした。
「別にね」
「そうかな」
「それでいいのかな」
「いいじゃない、また言うけれど焦る必要ないのよ」
 またこのことを言うのでした。
「だったらね」
「遊んでも寝ていても」
「特にいいんだ」
「そうよ、寝てね」
 そしてというのです。
「ゆっくりすればいいのよ」
「そういう訳にもいかないでしょ」
 アンがそのエリカに言いました。
「やっぱりね」
「早いうちになの」
「戻って」
 そしてというのです。
「はじめないと」
「だから焦ってどうするのよ」
「焦っても宣伝は上手にいかないっていうの」
「そうよ、もう私の頭の中で考えて決まってるし」
 その宣伝もというのです。
「だったらね」
「焦らないでいいの」
「そうよ、だからね」
「今は寝るのね」
「そうすればいいわ」
「そこまで言うのなら」
 グリンダはあくまで自分のペースのままのエリカを見てこう提案しました。
「私が魔法で都まで送るけれど」
「今すぐになの」
「そうするけれど」
「じゃあそうしてくれるかしら」
 エリカはグリンダのお話に乗って応えました。
「都で寝てもいいしね」
「どちらにしても寝るのね」
「そうよ、やっぱり焦ることじゃないしね」
「それならそうするわね」
「では僕達もね」
「都に行くよ」
 かかしと樵も言ってきました。
「これから気球でね」
「都に向かうよ」
「そうするのね」
「うん、そしてオズマやドロシーともお話をして」
「そうしてエリカを助けさせてもらうよ」
「わかったわ。じゃあ私はエリカ達を都に送るわね」
 グリンダは二人の言葉も受けて言いました。
「そうするわね」
「うん、じゃあね」
「そうしてくれるかな」
「それではね」
 グリンダは二人に頷きました、そうしてでした。
 エリカ達を魔法で都まで送りました、かかしと樵はまた気球に乗って都に向かい一人残ったグリンダは馬車で自分の宮殿に戻りました。出来たばかりの猫の国はそこにありますがまだ誰も住んではいません。 
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