オズのエリカ
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第九幕その十
「宣伝にかかりましょう」
「そうするの」
「そう、そしてね」
「国民の人達を集めるのね」
「そうしてね」
そのうえでというのです。
「素晴らしい国にするわ」
「そうするの」
「そう、だからね」
「一旦都に戻るのね」
「そうしましょう、まあ皆不安だけれど」
そう思っていてもというのです。
「すぐにそれが杞憂だってわかるわ」
「そこでそう言うのね」
「そうよ、実際に杞憂だから」
エリカが見る限りそうなのです。
「杞憂は晴れるものでしょ」
「というか晴らさないといけないものね」
「そうでしょ、まあね」
「今からなのね」
「宣伝でね」
まさにというのです。
「それが晴れるわ」
「だといいけれど」
「そう、しかしね」
「しかし?」
「一つ思うことは」
それはというのでした。
「皆本当に心配性ね」
「だって本当に大丈夫かしらってね」
そもそもというのです。
「思わずにいられないから」
「やれやれね、心配してもね」
「意味がないっていうの」
「そうよ、何の意味もね」
それこそというのでした。
「ないからね」
「杞憂は心配するだけっていうのね」
「それこそ何の意味がないわよ」
「それでなのね」
「あれこれ悩んで心配するより考えて決めて」
そういったことは即座にです、エリカの場合は。
「動くことよ、それかね」
「それか?」
「寝ることよ」
こう言ってまた欠伸をしたエリカでした。
「それかね」
「いや、今はね」
「都に戻ることね」
「そうするって言ったじゃない」
他ならぬエリカ自身がです。
「だったらね」
「都に戻る為にも」
「起きていないと」
「そうだったわね」
「ええ、何で忘れるのよ」
「だって今すぐでなくてもいいじゃない」
都に戻ることはというのです。
「別にね」
「だからなのね」
「そう、もうね」
それこそというのです。
「一旦お昼寝して」
「そしてなの」
「十時のティータイムの後でね」
「出発すればいいっていうの」
「そうよ、焦ることもないでしょ」
「ううん、そうかしら」
「宣伝はすぐにはじめるものでもないし」
「徐々になの」
「そう、徐々にね」
まさにというのです。
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