いざ世界の果てへ
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第二章
アッラーに加護を願いそうしてだった、そのうえで。
砂漠を越えた、その先には暗闇の国があったがそこにいる者達にだ。
イスカンダルは自らが先頭に立ち刀を抜き誇り高く戦った、元より人としては極限までに強くしかもアッラーの加護を受けている彼には暗闇の国にいるジン達も敵わず降った。そうして生命の泉を前にしたが。
その泉を飲めば不老長寿が得られると聞いてもだ、彼自身は飲もうとせずにこう言うだけだった。
「私は既にアッラーのご加護を受けている」
「それならですか」
「生命の泉もですか」
「飲む必要はない」
彼が率いている兵達に言うのだった。
「一切な、だが飲みたい者が飲め」
「それでは」
「そうさせて頂きます」
王の言葉を受けて兵達が飲んだ、そうして兵達はイスカンダルと共に暗闇の国から戻ったのだがそこからだった。
イスカンダルはまた自ら軍を率いて今度は山を越えた、山のところにいる者達を兵にし案内役もさせてだった。
そうして山を越えた、するとその策の森にはものを言う木々がいてだった。自分達のところに来たイスカンダルに話した。
「王よ、この先はです」
「氷の大地です」
「その氷の先も行かれますか」
「そうしますか」
「そうしたいがどうもだ」
イスカンダルは苦労して共に山を越えた兵達の身なりを見た、彼等はペルシャの服で決して寒さに強いものではなかった。
それでだ、こう木々に話した。
「我々は寒さに対する身なりではない、だからだ」
「ここから先はですか」
「行かれませんか」
「思い止まられますか」
「次の機会にしよう」
こう言ってこの時は都に戻った、そうして今度は海の先に行こうとして船を出して新しい大陸に着いたが。
そこにいる者達にだ、こう言われた。
「あんた達は何者なんだ」
「見たことのない者達だが」
「何処から来たんだ」
「我々はムスリムだ」
イスカンダルは彼等にこのことから話した、そして自分のこともイスラム教のことも話した。そうしてだった。
その新しい大陸に住む者達にこう言った。
「これで我々のことがわかっただろうか」
「そうか、同じイスラム教徒か」
「他の場所にもイスラム教徒がいたのか」
「それも偉大な王国の王様が自ら来たか」
「そうしてくれたのか」
「そうだ、世界の果てを求めているのだ」
王は彼等にこのことも話した。
「世界の果ては何処だ」
「さて、そう言われても」
「わし等も知らないとしか言えないです」
「わし等もこの辺りまでしか知りません」
彼等はイスラム教徒の身なりをしているが肌の色は黄色い、それで髭はないに等しいその顔で言うのだった。
「西にはかなり広い平地がありますが」
「その先は」
「そうか、ではそなた達を余の民としてだ」
そしてと言うのだった。
「そうしてだ」
「先を進まれますか」
「平地の方に」
「そうしよう、西に行く」
こう言ってイスカンダルは新しい大陸の西に行き平地も越えて新たな海に出たがそこからは船はなく人もいなかった。それでだった。
再び都に戻った、新たな領土を治めもしたが王は今度はだった。
海の底に何かあると思い大きなガラスの球を造らせてそこに空気が絶えず入る様にアリストテレスに管を造らせてだった。
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